※本稿は、米井嘉一『糖と脂で体は壊れる 疲労、病気、老化の原因「糖化」の正体』(池田書店)の一部を再編集したものです。
■体内時計のズレを正す食事法
地球の1日の周期24時間と、体内時計の25時間というズレを正すことが、効果的な食生活の実現につながります。時計遺伝子という体内時計のリズムをつくる遺伝子がありますが、その働きに合わせて生活することで、余計なカロリー摂取が抑えられ、糖や脂の代謝が上がり、ホルモン分泌のバランスが整います。
この体内時計のズレを正す方法のひとつが朝食をしっかり摂ること。朝食の効果が時計遺伝子によるタンパク質の生成を活性化させます。
朝食は、おかずの数を増やしてタンパク質をしっかり摂ることも重要で、それにより昼食後の血糖値の上昇を抑えることができます。ファーストミール(1番目の食事)が、セカンドミール(2番目の食事)の血糖値に影響するという理論を「セカンドミール効果」といいます。
朝食に牛丼を食べると、昼食後の血糖値の上昇が抑えられたという著者による実験データもあり、やはり重要なのはタンパク質であることがわかっています。
血糖スパイクを避けるという観点から、1回の食事量を抑えて回数を増やす食事法も流行したことがあります。しかし、これは成長ホルモンの分泌に悪影響を及ぼす恐れがあります。
胃を空っぽにした状態から食事をすると、グレリンというホルモンが分泌し、それが脳の下垂体という部位を刺激し、成長ホルモンが分泌されます。
■夕食は18~20時までに済ます
また、夕食の時間が遅くなると、血糖値が上がりやすくなるため、できれば18~20時には済ませるようにしたいところ。さらに、胃の排出時間や、消化に要する時間なども考慮し、食事の間隔は5時間空けることを推奨しています。
つまり、起床して8時に朝食を摂ったら、13時に昼食、18時に夕食というサイクルが理想です。食事時間をコントロールすることで、体内時計や成長ホルモン、血糖値上昇の抑制によい効果を与えられるのです。
血糖値の上昇を抑える食べ方としては、野菜やフルーツを先に食べる「ベジファースト」も効果的です。食物繊維が豊富な野菜を先に食べれば、食後高血糖を抑えることができます。
さらにドレッシングをかけて食べると、抑制効果を高めます。ドレッシングは油ですが、PFCバランスの脂質2割の範囲に抑えられれば、過剰に避ける必要はありません。野菜→肉・魚→ごはんという順番が理想ですが、野菜さえ先に食べればOKです。
■食後高血糖を抑える「GI値」と「GL値」
食品のなかでも、食べたらすぐ血糖値が上がるものと、ゆっくり上がるものがあります。それを数値化したものが「GI値(グリセミック指数)」です。
血糖値が上がりやすいブドウ糖を100とした場合に、それに対し、炭水化物を50g摂取したときの血糖値の上昇度を相対値で表したもの。
ただし、炭水化物(糖質)50gを摂取したときの数値になるので、にんじんのように炭水化物の含有量が少ない食品は、現実的ではない数値になることも。それに対応してハーバード大学の研究チームが考案したのが「GL値(グリセミック負荷)」です。GL値は、GI値にその食品の炭水化物の含有量をかけ、100で割った数値です。
にんじんのGI値は80だったのに対し、GL値は2となり、より現実的な数値になっています。日本ではGI値のほうがポピュラーですが、タンパク質や脂質と一緒に摂るなど、食べ方によっても血糖値の上がり方は変わります(基本的に遅くなる)。食事の参考程度に考えておきましょう。
■腸内細菌の情報が脳に伝わる
細胞膜を構成するミクロの粒(小胞)があり、そこからさまざまな物質が分泌されるのですが、これらを総称して「細胞外小胞(=EV:Extracellular Vesicles)」といいます。EVには、RNA(DNAの情報を元にタンパク質を合成)やマイクロベシクル、エクソソームといった顆粒状の物質が含まれており、腸内細菌はこのEVを通じて、情報交換をしているということが明らかになっています。
また、EVは腸の粘膜組織である腸上皮細胞から血流にのって脳にまで達することがわかっており、腸内細菌由来の情報が脳に伝えられると考えられています。
つまり、腸と脳が情報を双方向で伝え合う「脳腸相関」には、迷走神経でのやり取り、血流にのって伝えられる短鎖脂肪酸、そして、EVによる脳への情報(RNAや成長因子)という3つの情報伝達手段が使われているのです。
まだ、研究段階ですが、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβを貪食するミクログリアに善玉菌由来のエクソソームを与えると、貪食機能を助ける可能性があります。
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米井 嘉一(よねい・よしかず)
同志社大学アンチエイジングリサーチセンター、同志社大学大学院生命医科学研究科教授
1958年東京生まれ。武蔵高等学校卒業、慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。1989年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。2008年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、糖化ストレス研究会理事長、(公財)医食同源生薬研究財団代表理事。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。主な著書に『アンチエイジングは習慣が9割』(三笠書房)、『若返りホルモン』(集英社)など多数。
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(同志社大学アンチエイジングリサーチセンター、同志社大学大学院生命医科学研究科教授 米井 嘉一)

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