健康維持のために避けるべき食べ物は何か。医師の牧田善二さんは「洋菓子も和菓子も、甘いお菓子は糖質の塊だ。
食べたときには、なんともいえない幸福感を覚えて元気が出るが、『血糖値スパイク』が起きるため再び糖質を欲するようになり、中毒性をもたらす」という――。
※本稿は、牧田善二『脳と体が老けない人の食べ方』(新星出版社)の一部を再編集したものです。
■洋菓子も和菓子も甘いお菓子は糖質の塊
甘いお菓子は老化を速め、病気を招く危険な食べ物の代表格です。
特にパンケーキ、ドーナツ、ケーキ、クッキー、ワッフル、マカロンなど甘くておいしいお菓子は、ほとんどと言っていいくらい、小麦粉と砂糖が使われています。
小麦粉も砂糖も糖質ですから、食べると血糖値は急上昇します。先の記事で紹介した甘い菓子パンと同じです。
では、和菓子ならいいのかと言うとそんなこともありません。和菓子でよく使われるもち米、上新粉、くず粉なども血糖値を上げますし、小麦粉を使った和菓子もあります。
原料に穀類が使われていて、甘くするために砂糖を使うのは洋菓子と同じです。残念ながら、和菓子だからヘルシーということでもないのです。
老化予防にすすめられることが多いチョコレートも、甘いチョコには砂糖がたっぷり入っていますからヘルシーなお菓子とは言えません。
洋菓子も和菓子も、甘いお菓子は糖質の塊です。
食べた後には血糖値が急上昇して、体内のAGEを増やしてしまいます。
「糖質オフ」「糖質ゼロ」といった、血糖値を上げないことを謳い文句にしたお菓子が出回っていますが、それらもおすすめできません。それらに使われている人工甘味料にもリスクがあると指摘されていますし、食品添加物の心配もあるからです。
■なぜ甘いお菓子をやめられないのか
甘いお菓子を食べたときには、「おいしい」「幸せ」「ほっとする」など、なんともいえない幸福感を覚えます。また、元気も出ます。
この幸福感や元気な感覚がくせもので、「いつも食べていたい」「もっと食べたい」という中毒性をもたらします。
この感覚は血糖値の上下が関係しています。
血糖値は上がり過ぎても下がり過ぎてもよくありません。
血糖値が急激に上がると「セロトニン」という幸せホルモンが分泌されます。
その後、脳は血糖値を下げようと「インスリン」というホルモンを分泌させます。しかし、血糖値が急激に上昇すると、脳はインスリンを出し過ぎてしまうのです。
そうすると、今度は下がり過ぎてしまい低血糖の状態になります。
低血糖になると、再び元気を取り戻したくなり、また幸福感を味わいたくなり、脳が「また血糖値を上げたい」と考えます。その結果、再び糖質を欲するのです。
これが中毒になってしまう流れです。
ちなみに、この血糖値の急激な上下が「血糖値スパイク」と言われる状態です。
■しょっぱいスナック菓子にも老化リスク
ポテトチップス、ポップコーン、おかき、せんべいなどの、しょっぱいスナック菓子も老化を招く食べ物です。
甘くないので大丈夫だろうと思われているかもしれませんが、これらの原材料も小麦や米、とうもろこしといった穀類なので、食べると血糖値が上がり、体内のAGEを増やしてしまいます。
さらにこうしたスナック菓子は、加工される過程で、発がん性が高い、超悪玉のAGEである「アクリルアミド」のリスクが潜んでいるので要注意です。
アクリルアミドは、もともとは工業用に使われていた物質で、発がんや繁殖障害を起こすことが知られていました。公害問題として調べていたスウェーデンで、食品のなかにもアクリルアミドが存在することが偶然わかり、世界中に衝撃が広がったのです。
詳しく調べた結果、原材料に含まれている「アミノ酸(アスパラギン)」と「果糖やブドウ糖」などが、120度以上の高温で加熱されることで化学反応を起こして発生することがわかりました。
■スナック菓子に「ノンフライ」が登場したワケ
アミノ酸はタンパク質の最小単位で、複数のアミノ酸が結びついてタンパク質になります。果糖やブドウ糖は糖質の最小単位です。

こうしたことがわかり、スナック菓子に「ノンフライ」を謳う製品が登場しました。
高温で揚げたポテトチップスなどのスナック菓子には、大量のアクリルアミドが含まれていることがわかったので、「これはまずい」とあせったメーカー側が「揚げない(ノンフライ)」お菓子の開発を進めた結果でしょう。
ただ、こうした一連の流れはほとんどの消費者は知りません。アクリルアミドの害がわかった今でも、高温で加工しているメーカーがあるかもしれません。
AGEを増やさないためにも、発がんリスクを避けるためにも、甘くないスナック菓子も避けたほうが安心です。

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牧田 善二(まきた・ぜんじ)

AGE牧田クリニック院長

1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。1996年より北海道大学医学部講師、2000年より久留米大学医学部教授を歴任。
2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍、これまでに延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。
雑誌、テレビにも出演多数。

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(AGE牧田クリニック院長 牧田 善二)
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