健康維持に危険な食べ物を見分けるにはどうすればいいか。医師の牧田善二さんは「危険な食べ物かどうかを見分けるヒントのひとつが食べ物の色だ。
手軽に食べられる外食や中食にこの色の食材は含まれている。太く短く生きたいのであれば別だが、若々しくいたいのであれば、食生活を見直したほうがいい」という――。
※本稿は、牧田善二『脳と体が老けない人の食べ方』(新星出版社)の一部を再編集したものです。
■惣菜や弁当に多い揚げ物との付き合い方
ランチで人気のメニューと言えば、唐揚げ、トンカツ、天ぷら、コロッケ、アジフライ、ミックスフライなど、揚げ物メニューが上位を占めています。
また、コンビニエンスストアやスーパーに並んでいる弁当も、おかずには揚げ物が多く、惣菜も揚げ物が中心になっています。
こうしてみると、外食や中食(惣菜や弁当を買って帰って家で食べること)に占める揚げ物の割合が多いことに改めて気がつきます。
実は、揚げ物も、老化を進める食べ物です。
食べ物に含まれるAGEが増える二大要因が、「高温で」「長時間」調理することです。加熱する温度が高いほど、さらに調理時間が長いほどAGEが増えることがわかっています。
高温の油で調理する揚げ物には多くのAGEが含まれています。手軽に食べられるからと、揚げ物ばかり食べていては老化のスピードはどんどん加速します。脳や体をいつまでも若々しく保ちたいのであれば、避けたほうが安心です。

■鶏むね肉は揚げると生の13倍のAGEに
調理法の違いによるAGEの含有量を紹介しましょう。
鶏のむね肉に含まれるAGEの量は、生は692KU(ケーユー)、10分煮ると2232KU、7分炒めると3726KU、オーブンで15分焼くと5245KU、パン粉をまぶして揚げるチキンカツでは8750KUと、調理法でかなり違います。
この数字からも、揚げることによってAGEが急増することがわかると思います。
ちなみに、KUとはAGEの単位で数値が高いほどAGEが多く含まれます。
そのほかのAGEが多く含まれるものを挙げますと、ベーコンを5分炒めると11905KUと1万を超えるAGEになります。
ソーセージも炒めたものが4883KUで、牛肉をメインとしたフランクフルトソーセージでは7分ゆでたときに6736KUと大量のAGE含有量です。
老化を進めたくないのでしたら、ソーセージやベーコンは避けたほうがいい食べ物なのです。
また、ソーセージやベーコンなどの加工肉は、大腸がんのリスクを高めることがわかっています。
2015年にWHO(世界保健機関)の研究機関である国際がん研究機関(IARC)が、「加工肉を1日50グラム摂取するごとに、大腸がんのリスクが18%増加する」と発表しています。
その際、牛肉、豚肉、羊肉(ラム・マトン)などの赤身肉も「継続して1日100グラム摂取するごとに、大腸がんのリスクが17%増加する」という報告もありました。
加工肉も赤身肉もAGEが多く含まれています。AGEは発がんリスクにも関わっているので、こうした調査結果が出るのも納得です。

ソーセージやベーコンは、要注意食材なのです。
■おいしそうな焼き色は要注意
高温調理の代表的なものとして“コゲ”を思い浮かべる人がいらっしゃるかもしれません。
実際、コゲはよくありません。AGEだけでなく、「コゲたものを食べるとがんになる」という話を聞いたことがある人もいると思います。
確かに、肉や魚を高温で調理したときにできるコゲには、発がん性物質が含まれることがわかっています。健康長寿のためには、コゲたものはできるだけ避けたほうがいいのは間違いありません。
ただ、コゲと聞いて、どのようなものを思い浮かべますか?
消し炭のような、食べると苦いコゲを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実は、コゲには、唐揚げ、ステーキ、パンケーキ、トースト、焼きおにぎり、たこ焼きなどについている、おいしそうな焼き色も含まれます。
AGEは糖質とタンパク質が結びついたときに発生しますが、特に増えるのが高温で加熱したときです。
AGEが発生することを「メイラード反応」と呼ぶのですが、これはAGEの発見が、アミノ酸(タンパク質)と糖質を一緒に加熱すると褐色になることが由来です。
つまり、タンパク質と糖質を含む食べ物を加熱したときにつく、おいしそうな焼き色はメイラード反応が起こったサインであり、AGEが発生しています。
■茶色い食べ物が多い食卓は老化を加速する
危険な食べ物かどうかを見分けるヒントのひとつが、“茶色”をしているかどうかです。

特にAGEが多い揚げ物は、すべて茶色い色をしています。もしあなたの好物に茶色い食べ物が多ければ、あなたはAGEが多い食べ物を好んで食べていることになります。
それは、体も脳も老けやすい食生活を送っているということです。ひいては病気になりやすい食生活を送っていることにもなります。
好きなものを食べて、太く短く生きたいのであれば別ですが、若々しくいたいのであれば、今すぐ食生活を見直しましょう。

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牧田 善二(まきた・ぜんじ)

AGE牧田クリニック院長

1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。1996年より北海道大学医学部講師、2000年より久留米大学医学部教授を歴任。
2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍、これまでに延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。
雑誌、テレビにも出演多数。

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(AGE牧田クリニック院長 牧田 善二)
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