※本稿は、牧田善二『医療に殺されない 病院・医者の正しい選び方』(新星出版社)の一部を再編集したものです。
■信頼できる主治医探しは難しく考えない
まずは、通いやすい場所で開業している病院(診療所)で信頼のできる主治医(かかりつけ医)を見つけることが大切です。
主治医を見つけるのはそれほど難しく考えなくても大丈夫です。
例えば、カゼをひいたとき、症状に合ったクリニックを受診して治療してもらいます。そして、その医者が信頼できると感じたなら、カゼ以外のときにも受診して、症状の悩みを相談すればいいのです。
いい医者であれば、自分の専門外だった場合でも、その症状や病気に適した病院や医者を紹介してくれます。そういったやりとりをすることで、信頼できる医者に巡り会うことができます。
信頼できる主治医を見つけるための第一歩は、元気なうちに症状別にクリニックを探しておくことです。その病院の専門や力を入れていること、何年続けているかなどを調べます。病院長の経歴も重要です。
■コメント数が10以下ならより慎重に選ぶ
クリニックのような小規模な病院では、病院長が主治医になるケースがほとんどでしょう。
開業する前に働いていた病院や勤務医時代の経験年数・専門分野などを調べておきます。調べきれないときは、受診時に直接、尋ねましょう。
さらに、病院の口コミサイトなど、その病院以外が出している情報も確認します。最近では、病院を受診した患者さんの口コミが表示されているホームページが多数ありますので、それらを参考にしてもいいでしょう。
ただ、口コミは個人のコメントですから注意が必要です。例えば、患者さんと性格的な相性がよくなければ、悪いコメントになるでしょうし、いいコメントのなかにはヤラセが入っていることがあるかもしれません。
コメント数が10以下のように、あまりコメントが多くない病院の口コミには、偏りが出てしまう可能性がありますので、より慎重に判断しましょう。
■いい医者かどうかを見極める質問
こうした情報収集をしっかりと行い、主治医の候補を複数見つけておきます。
そして後日、具合が悪くなったときに受診しますが、その前に自分の症状や質問事項をメモにまとめておくことが重要です。
それを元に、治療に対するやりとりをしながら、信頼できる医者かどうかを判断する。つまり、質問への回答により、いい医者かどうかを見極めていくのです。
「他の病気の可能性はありますか?」と質問してみるのもいいでしょう。
これも、医者の知識が浅ければ、あまりはっきりしない、うやむやな回答になることが考えられるからです。ごまかすような医者はよくありません。その場で答えてくれなくても、「調べておきます」という対応をしてくれる医者ならば、患者さんのことを考えている、いい医者だと思います。
また、最新医療について、勉強し続けている医者ならば、「最近、いい薬ができました」「昨年、新しい治療法が発見され、現在、治験中です」などの言葉が、会話のなかに出てくると思います。
もし、そのような話題が出なかったときは、「私の病気について、最新の医療情報はありますか?」と質問するといいでしょう。その回答により、勉強をし続けている医者かどうかを判断できます。
さらに、専門分野以外の病気について、質問をすることも大切です。かかりつけ医にとって、さまざまな病気の知識があることは大切だからです。
また、その病院では治療しきれないときに、他のいい病院やいい医者を紹介できるかどうかも重要です。
紹介ができなければ、例えばガンにかかったときに、どの病院の医者の手術を受けるかを自分自身で探さなければなりません。この質問に医者が回答できないようであれば、「一生ついていく主治医」になるのは難しいでしょう。
いい病院や医者を紹介するためには、その医者自身が、医療ネットワークを広げる努力をする必要があります。
■いい「かかりつけ医」の6つの条件
私は、自分の患者さんを紹介したいと思ったドクターには必ず会いに行くようにしています。そこでは、私自身のことを話し、紹介してもいいか、何か注意事項があるかなどを詳しく尋ねます。知っている医者の紹介だとやはり親切に診てくれます。
つまり、信頼できる医者とのネットワークを確立するためには努力が必要ということです。
私が考える、いい医者(かかりつけ医)の条件は以下のものです。
①専門分野を持っている
②最新の医療情報に明るい(学習意欲がある)
③専門以外の病気についても多くの知識を持っている
④それぞれの症状に合った必要な検査のアドバイスができる
⑤異常が見つかったときに、いい医者を紹介できる(信頼できるネットワークがある)
⑥コミュニケーションスキルが高い(人柄がすばらしければ、さらにいい)
先の記事で紹介したようなさまざまな質問を医者にぶつけることで、いい医者かどうかを見極めていきます。こういったことを繰り返していけば、きっと「一生ついていく価値のある、信頼できる医者」と巡り会うことができるでしょう。
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牧田 善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長
1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。1996年より北海道大学医学部講師、2000年より久留米大学医学部教授を歴任。
2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。
著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。 雑誌、テレビにも出演多数。
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(AGE牧田クリニック院長 牧田 善二)

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