仕事のデキる人とそうでない人は何が違うのか。美容師の操作イトウさんは「仕事のデキる人ほど髪型や身なりにも気を遣っている。
特に40代以上は男女問わず周りから指摘されにくいので、気付かないうちに印象を落としているケースも多く、注意が必要だ」という――。
■新年度は「身だしなみ」を見直すチャンス
4月、ライフステージが大きく変化する方も多いのではないでしょうか。
年度が変われば異動や新体制が始まり、社内の関係性も少しずつリセットされたり、少し経てば研修を終えた新入社員が配属されたり。
このタイミングで見直しておきたいのが、毎日顔を合わせる同僚や部下に対しての印象です。
高市首相のメイクの変化に話題が集まったことも記憶に新しいですが、何気ないことで見た目の印象は左右されています。
特に顔まわりは、その印象を最もダイレクトに伝える部分ですし、無頓着でいると、気づかないうちに距離を生んでしまっているかもしれません。
また、ここのところの価値観の変容によって、現代の「理想の上司像」は大きく変化しました。象徴的なのが、リーダーシップと同じくらい「温厚さ」が求められていることです。
特に若手には、上司が気持ちの強さを前に出し過ぎると「厳しそう」「怖い」と受け取られてしまいがちです。
■気付かないうちに印象を落としている
見た目について、人は“無意識に”印象を感じ取っています。
高市首相のメイクに関しても、「どこが変わったか」は具体的にはわからないはずです。ですが、“なんとなく”捉えている。
世論は「信頼できる」「安心感がある」という評価を“無意識に”感じているのです。
上司という立場であれば、ビジネスパーソン的なテンプレな身なりをしていれば、基本的には印象は損なわれません。
ただし、日常的にスーツスタイルかどうかは業種や社風によりますし、単純に「ビシッとしていればOK」とも言い切れません。また、同じ部署で長い時間を過ごす中では「ニオイ問題」も避けては通れません。
加えて、これらは男女問わず年齢を重ねるほど周りから指摘されにくい分野です。そのため自身では気付けないことが多く、知らないうちに印象を落としているケースもあります。
今回は美容師の視点から、社内での信頼につながる髪型や身なりについて解説します。
■NG①「薄い前髪がヒラヒラ」
まず、40代以上の男性でよく見かけるのが、おでこが透けている長めの前髪です。
マッシュスタイルで、前髪をおろしている。ですが毛量が足りず、ヒラヒラとして少し頼りないのです。男性は薄毛によって生え際が気になる方も多いはずです。
もちろん、薄毛がいけないわけではありませんが、前髪が薄い方が長い前髪にすると、「あしらい方」が難しくなります。
生え際が薄くなると、前髪は厚みが出にくく隙間ができます。
おでこが透けて見える状態は、印象がよく見えません。なぜなら、「隠している」印象になってしまうからです。
加えて、この前髪は家を出る時には整っていても、通勤の間に崩れやすいのも難点です。まとまりのない髪型になってしまうと、ビシッと頼れる印象になりにくいのです。
■NG②「白髪染めの伸びたリタッチが丸見え」
白髪は加齢によって避けられないものです。しかし、白髪染めを怠って、伸びたリタッチがハッキリ見えてしまう状態になると、印象はよくありません。
生え際の白黒がはっきり分かれていると、疲れているように見えたり、だらしない印象を与えたりしてしまいます。
そして白髪は黒髪とは異なり、艶がなくパサパサして見えます。さらに白髪はうねりも強いため、ヘアスタイルがまとまりのない印象になりやすいです。
加えて、白髪が見えると「見た目年齢」と「実年齢」に差が生まれやすく、自分の意識する年齢層より一段上に見られてしまうことも少なくありません。
■NG③「頭皮が臭い」
「スメハラ」という言葉も広まりましたが、耐えがたいニオイは「近づいてほしくない」という感情を引き起こし、関係性そのものを遠ざけてしまいます。

頭皮の臭いの原因は「皮脂」です。皮脂は「お肌を守るため」に分泌されますが、適切に洗い流さないと、頭皮に留まったまま「古くなった油の臭い」を発するようになります。
不摂生な食事や喫煙、不規則な生活習慣によって皮脂は過剰に分泌されやすく、タバコの臭いと混ざることでさらに不快感が強くなります。
そして、頭皮の脂の臭いと加齢臭のミックスは特に注意が必要です。
一方で、良かれと思って使っているものが、周りにとって不快感になるケースも少なくありません。その代表例が、香水などの匂いです。
ニオイ対策として「いい香り」を身にまとうことは良いことですが、香りはTPOを選ぶモノもあります。例えばムーディー過ぎる香水などは、ビジネスシーンに向いていませんし、もちろん「付け過ぎ」は、どの香りでも不快になってしまいます。
ですが、匂いへの感度は麻痺しがちです。これは外見への意識が向いている方に多い事例です。
それ以外にも、お父さんの定番ヘアローション(若手からするとおじいちゃん世代にあたる)のムスク系の香りや、制汗スプレーや汗拭きシートの香り、衣類の柔軟剤など、「いい香り」のつもりが不快感になることは多くあります。
では、これらはどうすれば解決するのでしょうか?
■解決策①「おでこを見せるスタイル」
眉にかかるくらいの前髪は、若くて中性的な印象を与えるヘアスタイルです。
ですが年齢によって「年相応」になりにくく、「信頼」に繋がりにくいスタイルでもあります。
これを、明確な意図がなく「なんとなくやっている」のであれば、ビジネスシーンで前髪を下ろすスタイルは避けたほうがいいかもしれません。
この場合、前髪を上げるスタイルにシフトするだけでも印象が大きく変わります。おでこを出すことで、精悍で仕事ができる印象につながります。抵抗がなければショートヘアにするのが最適ですし、オールバックやセンターパートのように「おでこを出す」スタイリングをするだけで、説得力のある身なりを獲得できます。
■解決策②「定期的なリタッチと“艶感”」
白髪染めをしている場合、定期的なリタッチは不可欠になります。
髪の毛は1カ月に約1センチ伸びているため、2カ月経つと白髪はかなり悪目立ちしてしまいます。1カ月~1.5カ月に一度は整えることを意識しましょう。
また、近年では白髪染めをしない「グレイヘア」に注目が集まっています。特に男性にとって白髪はプラスにもなり得ますが、この場合に重要なのは「整っている」ことです。
艶が出にくく、パサつきやウネリが目立ちやすいため、白髪は「なっちゃってる」ように見えやすくなります。そのため、スタイリングは「艶感」を意識しましょう。
メンズスタイルならジェルで固める、レディースはヘアオイル・バームで艶感を担保すれば、簡単に清潔感を演出できます。
以前にも紹介していますが、頭皮の臭いは「シャンプーの仕方」「美容室でのクレンジング・スパメニュー」で改善しましょう(参照:汗ばむと頭皮から「古い油のニオイ」がする…「加齢臭はないのにくさい人」に男性美容師が勧める簡単チェック法)。
シャンプーの工程の中でも、特に怠りやすいのが「シャンプーの流し」です。シャンプーはキチンと洗い流さないと、臭いや痒みの原因にもなります。そのため「頭を掻く」ことよりも、「シャンプーを流す」ことに時間を多くかけたほうがいいです。
■印象は少しの工夫で大きく変わる
特に襟足は、頭皮の異変や臭いが出やすいところですから、意識的に流しましょう。
そして、美容室を訪れた際には「頭皮クレンジング」などのスパメニューを取り入れるのもお勧めです。
クレンジングのメニューは5分~10分程度に設定されていることが多く、料金も比較的お手軽。イタ気持ちいいマッサージで、満足度も高いです。頻度は月1回程度から、カットのご来店に合わせてするのが良いでしょう。
最後に「香り強すぎ」問題についてですが、ヘアケア関連でお話できる部分としてお伝えしたいのが、スタイリング剤やシャンプーにも香りが強いものがある、ということです。
特に海外メーカーの製品には、欧米の好みを基準にした香りが多いため、日本人には強く感じやすい傾向があります。

とはいえ、国内メーカーでも強い香りの商品は存在します。香りの程度は、パートナーや友人知人に確認してもらうことが大切かと思います。
身なりの印象は少しのことで大きく変わりますが、それを「意図的に変える」のは簡単なようで難しいことです。
まずは日々の習慣に一つプラスする感覚で、少しずつでも取り入れてみましょう。

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操作イトウ(そうさいとう)

美容師

東京・自由が丘を拠点にするアラフォー美容師。「ヘアスタイルはロジックで美しく、カッコよくなる」「ステキな美容師さんに出会ってほしい」をメインテーマにしたブログをnoteにて執筆している。

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(美容師 操作イトウ)
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