毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。
読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で、3月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サービスの編集部が紹介する――。
第1位:『ハーバード、スタンフォード、科学的に証明された時間をムダにしない人の習慣』(堀田秀吾著、アスコム)

第2位:『「1分」の使い方』(上岡正明著、朝日新聞出版)

第3位:『あっという間にお金はなくなるから』[佐藤舞(サトマイ)著、KADOKAWA]

第4位:『Google NotebookLM 徹底活用術』(ヨス/松山将三郎/染谷昌利著、日本実業出版社)

第5位:『スタンフォード式 最高の休み方』(鈴木亜佐子著、すばる舎)

第6位:『疲れない心をつくる休息の作法』(枡野俊明著、三笠書房)

第7位:『残された時間の使い方』(佐藤優著、クロスメディア・パブリッシング)

第8位:『外資系金融ママがわが子へ伝えたい人生とお金の本質』(河村真木子著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

第9位:『職場の対話はなぜすれ違うのか』(小林祐児著、光文社)

第10位:『体力がない人の仕事の戦略』(和田秀樹著、クロスメディア・パブリッシング)

第11位:『脱!仕事ごっこ』(沢渡あまね著、三笠書房)

第12位:『なぜあなたはマネジメントを間違えるのか?』(岸良裕司著、KADOKAWA)

第13位:『直感を裏切る数学』(神永正博著、講談社)

第14位:『頭の中のひとりごとを消す方法』(鈴木裕介著、池田書店)

第15位:『トップアスリートも実践する すごい脱力の仕組み』(中野ジェームズ修一著、山と渓谷社)

第16位:『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』(安達裕哉著、日本実業出版社)

第17位:『人生にコンセプトを』(澤田智洋著、筑摩書房)

第18位:『言語化するための小説思考』(小川哲著、講談社)

第19位:『20代からの文章読解』(山野弘樹著、大和書房)

第20位:『戦わずして売る技術』(木下勝寿著、幻冬舎)
※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2026年3月の閲覧数ランキング
■極めてシンプルな「最強の習慣化法」
第1位に輝いたのは、『ハーバード、スタンフォード、科学的に証明された時間をムダにしない人の習慣』でした。
明治大学教授の著者・堀田秀吾さんは、ビジネスパーソンが抱えがちな悩みを、実践しやすい科学的な習慣で解決してくれる人気著者。本書では、「時間をムダにしない習慣」をテーマに、先延ばしや「やる気が出ない」といった悩みを、再現性のある方法で解消していきます。
まず取り入れたいのが、心理学者の中では「最強の習慣化法」として知られているという「イフ・ゼン・プランニング(If-Then Planning)。これは、「もし15時になったら、25分だけ作業に集中する」のように、「もし(If)~になったら、そのとき(Then)……する」という条件をあらかじめ決めておくというシンプルなメソッドです。たったこれだけで、脳が自動的に行動の準備を始めるといいます。
堀田さんは「実は、『時間が足りない』と感じる原因は、忙しさではなく「脳のクセ」にあります。朝1分、昼3分、夜5分、少し習慣を変えるだけで、残業が減り、休日にやりたいことをあきらめずに済む。そんな変化がきっと始まります」とメッセージを寄せています。人生の限りある時間を大切にしたい人に、一読をおすすめします。
■タスクが捗る「1分集中法」
第2位は『「1分」の使い方』でした。

著者の上岡正明さんは、27歳でマーケティングのコンサル会社を立ち上げ、大手企業のブランド構築や大使館・政府観光局の国際PRを成功させてきました。さらに、30年足らずで10億円の資産を築いた投資家でもあります。
そんな華々しい経歴を持つ上岡さんですが、かつては目の前の仕事に追われる日々を送っていました。そして、その状況を一変させたのが、本書で明かされる「1分の使い方」だったといいます。
本書では、「仕事で成果を出す1分」「心と身体をととのえる休日の1分」「幸せなお金持ちになるための1分」という大きく3つに分けて、人生を変える「1分」の過ごし方が紹介されています。
中でもすぐに実践したいのが、ストップウォッチを使った1分集中法です。手をパチンと叩き「よし、やるぞ」と声に出したら、ストップウォッチを1分にセットし、「今から1分で、この作業を終わらせる」と決めて取りかかりましょう。締め切りを設定することで、集中力が一気に高まり、タスクは驚くほどに進むでしょう。
目の前の「1分」の過ごし方を変えることが、人生そのものを変えるきっかけになる――そう気づかせてくれる一冊です。
■人生を豊かにするための「10の資本」
第3位は、人気YouTuber「サトマイ」こと佐藤舞さんの『あっという間にお金はなくなるから』でした。
本書でサトマイさんは、「お金(金融資産)を増やすことだけに価値を置く生き方」の危うさを指摘し、人生を豊かにするためにバランスよく育てていきたい「10の資本」を提示します。
・金融資本:預貯金・株式・不動産など。


・物的資本:衣食住、道具、テクノロジー。

・健康資本:体力・睡眠・栄養。

・心理的資本:希望・自己効力感・楽観性・レジリエンス。

・社会関係資本:信頼・つながり・評判・ネットワーク。

・人的資本:スキル・知識・経験。

・自然資本:水・空気・光・緑などの自然環境。

・文化・教養資本:芸術・思想・礼節・美意識。

・時間資本:時間(失えば取り戻せない点が特徴)。

・顕示資本:地位・肩書き・ブランド(増やすほどに脆くなる点が特徴)。
さらに注目したいのは、これら10の資本をバランスよく育てていくための知恵です。
例えば、最初のうちは投資の効果を実感しやすい一方、一定の水準を超えるとリターンが小さくなっていくという「限界効用逓減の法則」。この法則を理解しておくことで、「どこにどれだけ時間やお金を使うべきか」を冷静に判断でき、コスパ・タイパのいい選択ができるようになるでしょう。

今後の人生の指針が得られる本書。ぜひこの春、手に取ってみてください。
■「Google NotebookLM」を最大限活用する方法
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。
第4位にランクインしたのは、『Google NotebookLM 徹底活用術』でした。効率化のプロであるヨスさん、IT・AIコンサルの松山将三郎さん、そしてインターネット集客や収益化の専門家である染谷昌利さんがタッグを組み、Googleが開発した「Google NotebookLM」の活用術をわかりやすく解説する一冊です。
「Google NotebookLM」の最大の特長は、自分が与えた情報だけをもとに回答を生成する点です。参照させたい資料を読み込ませ、自分専用のナレッジベースを構築することで、「探す・読む・整理する」といった手間のかかる作業をAIに任せられるようになります。
特に便利なのが、複数の資料を横断して必要な情報だけを瞬時に抽出できる点です。例えば、過去の契約書PDFをまとめて読み込ませておけば、「過去5年の類似案件から賠償責任上限の条項だけを抽出し、金額順に並べる」といった作業も、わずか数秒で完了します。
具体例や図解も豊富で、「自分の仕事ならどう使えるか?」と自然に発想が広がる一冊。業務効率を高めたい人はもちろん、他の生成AIをうまく使いこなせなかった人にも、新たな突破口を与えてくれるはずです。
■脳のストレスを軽減するウォーキング術
第5位は『スタンフォード式 最高の休み方』でした。

著者の鈴木亜沙子さんは、「スタンフォード大学認定コンパッションアンバサダー」の資格を持つ、シリコンバレー在住の休息戦略家。アメリカで働く中で、日本とシリコンバレー双方の「休めなさ」を実感し、科学的な休息法の普及に取り組んでいます。
具体的な休息方法として紹介されているのが、ウォーキング。最新の脳科学では、休憩中にウォーキングを取り入れることで、脳の回復と生産性向上に効果があるとされています。
中でも注目したいのが「パノラマビジョン・ウォーク」。まず立ち止まり、遠くの景色をぼんやりと見渡します。このとき、特定の対象にピントを合わせるのではなく、視野全体を柔らかく広げるのがポイントです。その状態のままゆっくり歩き、15~20分ほど続けると、脳のストレスが軽減され、集中力が回復するといいます。
さらに、眠らずに深い休息が得られる「NSDR」や、腸を休める「16:8メソッド」など、スタンフォード発の実践的な休息術が多数紹介されています。仕事にプライベートに忙しい現代人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
■お金をどう使い、どう生きるか
最後にご紹介したいのは、第8位の『外資系金融ママがわが子へ伝えたい人生とお金の本質』です。
著者の河村真木子さんは、アメリカの高校・大学を経て、外資系金融機関などで約20年にわたってキャリアを築いてきました。
本書は、一児の母でもある河村さんが「わが子に伝えたい人生とお金の本質」をまとめた一冊です。
大人の読者が特に注目したいのは、「経験への投資」の重要性です。河村さんは、お金を増やし稼げる人になるために、若い頃からあえて「富裕層のような経験」にお金を使ってきたといいます。
その一例が、週末だけの海外旅行や、超高級ホテルへの宿泊、ミシュラン星付きレストランでの食事など。こうした経験を通じて、世界のトレンドに触れたり、富裕層の価値観や基準を体感したりすることが、その後の仕事や資産形成、さらには子育てにも大きく活きているそうです。
本書は「子どもに伝えるための本」という形を取りながらも、その本質は、大人こそ学ぶべき人生戦略にあります。お金の増やし方だけでなく、「どう使い、どう生きるか」までを考えさせてくれる、気づきの多い一冊です。
今月も、時間術からお金の知識、休み方まで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、先月第3位だった『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』が第16位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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flier編集部
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(flier編集部)
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