※本稿は、愛波あや『赤ちゃん超ぐっすり育児 親子でしあわせになる寝かしつけメソッド』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■まず睡眠環境を整えるところから
「理想的な寝かしつけ生活」を始める第一歩は、睡眠環境を整えることです。これは赤ちゃんが生まれる前からでも準備できますし、今からでも取り入れられます。パパも参加できる部分が多いので夫婦で一緒に取り組みましょう。
室温と湿度
赤ちゃんに快適な室温は20~22℃が目安です。夏場は25℃程度でも構いませんが、汗をかいているようなら暑すぎます。熱がこもると乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まるため注意が必要です。湿度は40~60%が理想で、日本の夏はエアコンの除湿機能をうまく活用してください。
光(遮光)
赤ちゃんの体内時計を整えるには光のコントロールが大切です。就寝時や日中のねんねでは遮光シートなどで遮光しましょう。光が入ると脳が覚醒し、眠りにくくなります。季節による日の出時間の変化を考えると、年間を通して安定したリズムを作るには遮光が欠かせません。
音(ぐっすりノイズ)
新生児期は、お腹の中で聞いていた心臓や血流の音に似たホワイトノイズ(低音から高音まで均等に含まれるザーッという砂嵐のような音)やブラウンノイズ(低音が強く川のせせらぎのような深みのある音)、そしてピンクノイズ(低音が多めで高音が少ない雨が降っているような音)が赤ちゃんに安心感を与え、眠りにつきやすくなります。月齢が進んだあとも一定の環境音を流すことで、夜中に目が覚めても自分で再入眠しやすくなります。それらを私は「ぐっすりノイズ」と呼んでいます。
安全な寝床
米国小児科学会(AAP)は、生後1歳までは同じ部屋で別の寝床(ベビーベッド)を推奨しています。また窒息防止のため、寝床には掛け布団や枕、人形などを置かず、シーツはずれないようにしましょう。
安全な服装とスリーパー
寝るときはスリーパーを使いましょう。新生児~寝返り前(~3カ月ごろ)はおくるみスリーパーで安心感を与え、寝返り後は手を出して使います。6カ月~2歳ごろまでは転落や足の挟まりを防げるバッグ型、2~5歳ごろは足つきスリーパーがおすすめです。スリーパーは安全で快適なだけでなく、掛け布団を蹴ってお腹が出ているかもという心配も減り、親子とも安心して眠れます。さらに「これを着たら寝る」という習慣づけにもなります。
活動時間の見極め方
活動時間の目安(下の表を参照)は多くの研究や臨床経験に基づいており、赤ちゃんの脳と体の「睡眠圧」によって決まります。睡眠圧とは、起きている間にたまる眠気のことで、この睡眠圧が十分にたまる前に寝かせると寝つきが悪くなり、逆に高まりすぎると脳が興奮状態になり、寝ぐずりや夜泣きなどのトラブルが起きやすくなります。
特に重要なのは、
(1)朝起きてから朝寝までの活動時間
(2)夜の就寝前の活動時間
です。
特に朝の活動時間は短くなりやすいため、早めに寝かしつけをスタートすることでスムーズに寝入ってくれて、1日のリズムが安定します。活動時間を超えて起きているとストレスホルモン(コルチゾール)が増え、寝かしつけのギャン泣きや、寝たと思ったのにすぐ起きる、ベッドにおいても眠らないなどの悪循環につながります。
逆に活動時間内に寝かせることで、ご機嫌なまま眠りやすくなり、「ひとりでベッドで眠る」習慣が育ちます。特に新生児~2カ月ごろから就寝時間前の活動時間を意識して寝かしつけをすると、自然とひとりでベッドで眠れる環境が育ちやすくなります。活動時間はあくまで目安で、成長や体調により変化します。大切なのは疲れすぎる前に寝かせることです。
■家族の誰でも寝かしつけは可能
3カ月を過ぎたら、「ねんねの合図」になるルーティンがより大切になります。特別なことは必要ありません。保湿→パジャマ→授乳→読み聞かせ→おくるみスリーパー→ベビーベッドに入れる。こういった「いつも同じ流れ」や「一貫性」が、赤ちゃんに安心と予測可能性を与えます。
赤ちゃんは、「これをしたら次はこれが起こる」と理解できると、行動や環境の変化に戸惑わず、落ち着いた気持ちで眠りに入れます。例えば、授乳のあとに読み聞かせ、読み聞かせのあとにおくるみスリーパーを着せる、といった順序を毎日繰り返すことで、赤ちゃんは次に何が起きるかを予測できるようになります。これが「予測可能性」であり、赤ちゃんの安心感を生み出す大きな要素になるのです。
このように「いつも同じ流れ」を続けると、赤ちゃんは少しずつ「もうすぐ眠る時間だ」と感じ取れるようになります。そして、この安心の流れは、ママだけでなく家族の誰が担当しても同じように伝えることができます。
■ママひとりで頑張りすぎないこと
なお、赤ちゃんのねんねを整える上では、ママひとりが頑張りすぎないことがとても大切です。母乳による授乳はママにしかできませんが、搾乳した母乳やミルクであればパパでもあげることができます。誰かが寝かしつけを代わりにしてくれるだけで、ママの心はずいぶん軽くなるもの。
「寝かしつけはママじゃないとダメ!」となると、ママの負担は増え、ママがいない状況では赤ちゃんも不安で眠れなくなります。以前、クライアントから「セルフねんねを教えておいてよかった。急な入院でもパパやおばあちゃんが寝かしつけができて、赤ちゃんもひとりで眠れた」という声がありました。
この言葉の通り、「誰でも寝かしつけできる状態」こそが、家族みんなの安心のカギになるのです。
■家族でねんねルーティーンを共有
・決まったおくるみスリーパーを毎日着せる
・ベビーベッドに置く前に「大好きだよ」と抱きしめる
・寝室を毎晩同じ温度・湿度・暗さに保つ
こういったことを家族で統一しておくだけでも、赤ちゃんはぐっと安心しやすくなります。この「安心の再現」ができれば、パパ・祖父母・きょうだいなど誰もが赤ちゃんに“ねんねの合図”を伝えられる存在になれます。
なお、家族でねんねルーティンを共有する以外に、赤ちゃんの安全な睡眠についても共有をしておきましょう。1歳までは仰向けで寝かせることが基本ですが、自力で寝返りと寝返り返りをするようになったら、うつ伏せになっても安全な睡眠環境であれば戻す必要はありません。
■安心のパターンを積み重ねてラクに
また、おくるみスリーパーは、寝返りの兆候が見えたら片手を出し、羽の部分を胸で巻く形に調整してください。これにより、赤ちゃんが自由に体を動かせるようになり、安全に眠ることができます。
赤ちゃんが眠れるのは「寝かしつけがママだから」ではなく、いつも同じ流れの中にいて安心できるからです。つまり、眠りの土台は“人”ではなく“パターン”なのです。だからこそ、ねんねルーティンを家族で共有することが、日ごろ大変なママが安心して休むための第一歩になります。
こうして「安心のパターン」が少しずつ積み重なると、誰もが寝かしつけられるというメリット以外に、赤ちゃんの1日にも自然なリズムが生まれやすくなります。
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愛波 あや(あいば・あや)
乳幼児睡眠コンサルタント
日本人初・乳幼児睡眠コンサルタント。国際資格認定機関SSIA代表、Sleeping Smart Japan株式会社代表取締役。0歳からのママスクール『ママの心』講座監修・講師。慶應義塾大学文学部教育学専攻卒業。2014年、乳幼児睡眠コンサルタントの国際認定資格を日本人として初めて取得。これまで累計10万人以上のママ・パパのねんねの悩みをサポート。著書に『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)、『子どものためのベスト睡眠』(KADOKAWA)など。2児の母。
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(乳幼児睡眠コンサルタント 愛波 あや)

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