※本稿は、安斎響市『すごい転職の極意』(ソーテック社)の一部を再編集したものです。
■履歴書より大切な「職務経歴書」
「履歴書」と一緒に用意する、もう1つの書類が「職務経歴書」です。会社によっては、「履歴書」は不要で「職務経歴書」だけあればいい場合もあります。
こちらは、「履歴書」とは違って、ある程度は、書き方の自由度があります。つまり、あなたがどのように書類を作るか次第で、書類選考の合否がわかれる可能性があります。「職務経歴書」は、適当に「やっつけ」で作成せず、きちんと時間をかけて書き上げるべきです。
とりあえず、「職務経歴書」を実際に書いてみることが大事です。「職務経歴書」の書き方のポイントについては、様々な書籍やウェブサイトで紹介されていますが、あまりフォーマットや細かい体裁にこだわる必要はありません。
「とにかく書いてみる」のが、最初は重要です。なぜかと言うと、はじめて「職務経歴書」を作成するとき、ほとんどの人はうまく書けないからです。
私も、最初はかなり困りました。
一応、書いてはみたものの、まったく魅力的な「職務経歴書」にならず、結構精神的に凹むこともありました。これは誰もが通る道なので、気にしないでください。最初からうまく書ける人なんていません。
■自己PRを詰め込むほど「不採用」に近づく
重要なポイントとしては、次の3つ程度です。
・冒頭5行を読んだだけで、「どんな経歴の人なのか」概要が把握できるようにする
・できるだけわかりやすく、簡潔な文章で、なるべく全体で2ページ以内にまとめる
・企業が自分のことを「採用候補」として評価しそうな内容だけに情報を絞る
〈POINT〉
①簡潔に2ページ以内で
②誰にでもわかる言葉遣いで
③自信を持って強気で
④好印象を持たれるように書くこと
多くの人が勘違いしていますが、職務経歴書に関しては、情報量が多ければ多いほどいいというものではありません。
企業の人事や面接官は、日々大量の書類に目を通しています。ダラダラと長文を書かれても、全部読んでいるほど暇ではありません。むしろ、必要な情報だけを短時間で把握できる書類の方が好印象で、有難いと感じます。
変に自己PRをしようとして、冗長な文章にならないように十分に気を付けましょう。
■生成AIにレビューしてもらうのも一手
この他、
・実績はなるべく「数字」で示す(対前年からの上昇率、改善数、売上増加幅など)
・どんな業務を担当したかだけでなく、具体的にどんな工夫をしたかまで書く
・マネジメント経験の有無や、海外出張経験などアピールできそうな要素を強調する
など、使えるテクニックは多数あります。これらは、経歴がどのくらいすごいかの問題ではなく、あくまで書類作成のテクニックの問題です。
今の時代は、生成AIにアドバイスを求めることもできます。ChatGPTなどのAIに職務経歴書のPDFを貼りつけて、次のようなプロンプト(指示文)を打ち込んでみてください。
この職務経歴書は、自動車部品メーカーの生産系職種・経験5年以上・係長ポジションの面接を受けるために用意したものです。企業の面接官視点で、わかりづらい部分がないか、もっと魅力的に書けそうな部分がないかなど、網羅的にレビューをして具体的な改善案を挙げてください。
AIは本当に賢いので、このような指示を出すと、あっという間に改善点を挙げてくれますし、実際に文章を書き直してもらうこともできます。
■職務経歴書の出来は面接も左右する
うまく書けないと思ったら、AIを使うのも一つの手です。
さすがに、自分で1文字も書かないで最初からAIに全部書かせた場合、文章に違和感が出てきてしまいますが、自力で作成した後にAIにレビューをさせるのは非常に有効です。
本音を言ってしまうと、世の中の大半の転職エージェント担当者の書類添削スキルよりも、AIの方がはるかに有能です。エージェントに添削を頼んでも、あまり効果は期待できないので、素直にAIを使いましょう。
無料で誰でも使えますし、この程度の用途であれば特に課金も必要ありません。
ちなみに、ここで書き上げた「職務経歴」と「自己PR」の内容が、多くの場合、この後の面接の場でも主に話すトピックとなります。
面接官は、たいていの場合、手元の職務経歴書を見ながら、気になった部分について突っ込んで質問をするというやり方で面接を進めるからです。
つまり、「職務経歴書」の出来は、書類選考での合否だけではなく、後々の面接、そして最終面接までずっと響くのです。
■ひと手間が合否を分ける
職務経歴書の作成の際に、一点気を付けるべきことがあります。それは、「企業ごとに書類の内容を微調整すること」です。
つまり、エージェントに登録する前に作っておく書類はあくまでベースとなるもので、実際に応募企業へのエントリー手続きに入るときには、企業ごとの「求める人材」や「応募条件」に合わせて最終調整をするということです。
ほとんどの人は一度応募書類を作ったら、それをそのまま、すべての会社で使いまわしてエントリーしてしまいます。
そのやり方でも書類選考を通過できるくらいマッチングばっちりの求人ならいいのですが、たいていの場合、自分の経歴と求人票の条件との間には微妙なズレが生じています。すでに述べた通り、A社で求められる人材と、B社で求められる人材は別物だからです。
提出前に、このズレを埋めるために「ひと手間」加えておいた方が書類選考の通過率は上がります。
転職エージェントの担当者によっては、
「同じ書類を使いまわして構いませんよ」
「そんなことしたって意味ないですよ」
と冷たく言う人もいるでしょうが、そういうエージェントとは付き合わなくていいです。
■社内用語や専門用語はノイズ
企業の募集条件や、求める人材像に応じて、自分の自己PR内容をそこに寄せて書き直したり、言い換えたりする努力は、確実に効果があります。
それをやらなくても選考通過する可能性はもちろんありますし、それをやったからといって確実に通過するわけではないものの、現実的にできる努力はすべてやっておいた方がいいです。
ほとんどの人がやらないことだからこそ、その努力の有無によって結果が変わる可能性があるのです。転職を成功させたいのなら、こういったテクニックは身に付けるべきです。
もう1つ、重要なポイントとして、社内用語や専門用語をできる限り使わず、誰が見てもわかりやすい表現で書くことが挙げられます。
ちょっと例を挙げてみましょう。
〈例1〉
D社の海外営業統括部DML事業部では、SCM統括部と連携した月次PSIの管理を担当し、海外工場生産管理システム運用により500SKU以上のPSIマネジメントプランを策定した。
〈例2〉
D社の海外営業統括部DML事業部(半導体製造・販売部門)では、市場データを基にした需要予測と生産計画・在庫計画を月次で管理し、海外工場との連携により全体最適化を図った。
さて、どちらがわかりやすく、内容が頭に入ってきやすかったでしょうか?
■「同じ業界なら通じる」は大きな勘違い
「SCM」「PSI」「SKU」はメーカー(製造業)の頻出用語なのですが、恐らく、製造業に関わった経験がまったくない人から見ると、いずれも馴染みのない言葉だと思います。
こういった特定の人にしかわからない言葉を使うのは、転職活動の書類作成時にはできるだけ避けるべきです。できる限り、高校生・大学生でもわかるレベルの語彙で書くのが重要です。
書類選考や面接で自己PRをするにしても、「相手にわかる言葉」で伝えないと、すごい経歴を持っていてもうまく伝わらず、評価してもらえません。このとき、「同じ業界の中の転職なら、相手もわかるから専門用語でも問題ないだろう」と考える人もいるかもしれませんが、それは間違いです。
書類選考を担当する人事部採用担当者は、現場の経験がないかもしれません。
もしかしたら、人事部長は、ごく最近、他の業界から転職してきた人かもしれません。これは、相手への思いやりです。
たとえば、面接の場で、業務の内容などについて詳しい話をするときに、面接官も同じ業界で長く働いてきた人だと確証がある前提で、業界用語を出すのは問題ないでしょう。
しかし、書類選考の場合は、誰が読むかは事前にはわかりません。
自分の上司になる人、チームメンバーだけではなく、人事部の採用担当者や、転職エージェントも読む書類です。わざわざ業界用語を使って難しく書く必要性はまったくありません。
■応募書類は「ラブレター」
もちろん、自分が普段仕事で使っている言葉で書く方が楽なのはわかるのですが、ここは面倒でも、「読む人への思いやり」を持つのが大切です。
たとえば、前述の「PSI」という言葉、製造業で使われる「生産・販売・在庫の数量計画」という意味の単語で、私が新卒で入った会社では「PSI」と言えば誰もがわかる、共通の用語でした。
一方、実は同じ製造業でも他の会社では「生販在」「生販」「荷繰り」「DP(デマンド・プランニング)」など、異なる言い方を社内でしているケースが多々あるということを後で知りました。同じ業界だからといって、専門用語や業界用語がすべて通じるとは限りません。
怖いのは、こういう「実は自分の会社の中でしか使われていない言葉」に、会社の中にいると気が付かず、当然、どこでも共通の用語だろうと当たり前のように使ってしまうことです。
私も、転職する前は「PSI」と言えばどこでも通じるものだと信じ切っていましたが、現実は違いました。
ちなみに、例1冒頭に出てきた「DML事業部」を、例2では「DML事業部(半導体製造・販売部門)」と言い換えたのも、読み手への思いやりです。
転職活動の応募書類は、誰が読んでもわかりやすいように書くことを常に心がけるのが重要です。転職活動において、「書類選考の応募書類」とは、好きな人に宛てて書く「ラブレター」のようなものです。
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安斎 響市(あんざい・きょういち)
転職ライター
1987年生まれ。日系大手メーカー、外資系大手ITなどを経て独立。「転職とキャリア」をテーマにnote、Xなどで情報発信する。著書に、『note副業の教科書』『40代からの転職と副業』『すごい面接の技術』『すごい転職の極意』『1%の気くばり』『転職の最終兵器』など。転職活動対策について書いたnote記事は、note公式の「読者人気の高い有料記事50選」「ベストセラー記事」等にも選出されている。
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(転職ライター 安斎 響市)

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