■「続ける」ことが一番大切
結論から言いましょう。
長寿のための運動で一番大切なのは、「続ける」ことです。
なぜかといえば、文字通り「先が長い」から。
年を重ねてからも続けられないのでは、いちばん大事な時期に長寿の効果が得られないことになってしまいます。
しかし誰もが「三日坊主」を経験していることでしょう。
一時的にやる気になっても、なかなか続けるのは難しいものです。
ですので長寿のための運動は、「がんばらない」ことがポイントになってきます。
他の人と同じにする必要はありません。無理なく自分に合った時間や強度、回数を見つけましょう。
■アスリートほど頑張らなくていい
そもそも世の中の運動の研究や情報は、アスリートを基準にしていることが多いのです。
その前提が抜け落ちて、方法だけが独り歩きしているものも多いですから、参考にする程度でよいのです。
ウォーキングやジョギングでは、息が苦しくなるほど心拍数を上げる必要はありません。
筋トレならば、翌日筋肉痛になるほどの重量や回数は必要ありません。
マイペースでいきましょう。
運動にもいろいろあります。
有酸素運動だけでもウォーキングや早歩き、ジョギングなどなど。そこに筋トレやそのバリエーションが加わると、何をやってよいやら悩んでしまいそうです。
でも、大丈夫。
すこしラフな言い方ですが、運動ならなんでも、長寿に好影響があります。
■運動はインスリン取り込みを活性化
運動はその種類を問わず、細胞内のインスリン取り込みの効きをよくしてくれます。
肥満や糖尿病予防にもなりますし、インスリンシグナル伝達の活性化を抑えることで長寿遺伝子サーチュインや、老廃物をリサイクルしてくれるオートファジーが働き始めます。
また運動はエネルギーを生みますから、細胞内のエネルギーセンサーAMPKを活性化します。
それによってサーチュインやオートファジーがさらに活性化される、という好循環です。
ですので、自分に合った楽しく続けやすい運動なら、なんでもOKです。
それでも運動選びに悩んだら、おすすめは早歩き。
お手軽にもかかわらず効果は大きいので、試してみてください。
■無理に「HIIT」をやらなくていい
HIIT(High Intensity Interval Training、高強度インターバルトレーニング)という運動があります。
息が上がり、筋肉にも効くような負荷の高い運動を、少しの休憩をはさんで繰り返すものです。
心肺機能と筋力を同時に鍛えられるので、効率がよい運動方法で、近年注目を集めました。
もちろんこうした運動を無理なく続けられるのであれば、よいことだと思います。
ただ、知っておいてほしいのは、こうした運動はそもそもアスリートのためにつくられたケースが多いということです。
世の中に溢れている運動に関する情報も、元はアスリート向けの研究データから来ていることが多いのです。
そうした事情を知らないと、今流行っているからといって、無理に強い運動を自分に強いることになってしまいかねません。
疲労が溜まってコンディションを崩したり、運動自体がイヤになってしまっては、本末転倒ですね。
■「週130分以上の筋トレ」はやめたほうがいい
長寿のための運動は、文字通り先が長いもの。
そして人は、やがて高齢になります。
そんな長い人生でも、ずっと運動の好影響を享受したいのですから、無理はいけません。
負荷を下げ、ラクに楽しく続けられる運動を選びましょう。
やればやるほど、充実感もあるのが運動です。
しかし長寿のための運動となってくると、ちょっと話が違ってくるようです。
というのも、週に約130分以上の筋力トレーニングを行うと、病気や死亡のリスクへの好影響がなくなり、逆にリスクが高まってしまうという研究データがあるためです。
週に2時間ちょっとの運動量なら、さほど多い印象を受けない人も多いでしょう。にもかかわらず病気や死亡のリスクが高まってしまうというのは、ちょっとショックなデータかもしれません。
■ジョギングは死亡率を約3割下げる
また5万人を対象に、15年以上にわたって運動量を調査したデータもあります。
それによれば、ジョギングの場合さほど運動量が多くなくても、平均して死亡率が約3割も下がっています。
一つ言えるのは、長寿のための運動と、アスリートがパフォーマンスを高めるための運動とでは、まったく考え方が違うということ。
人生のある時期、思いきりスポーツに打ち込むことはよいことだと思います。
でも長寿のための運動なら、ほどほどが一番。
やり過ぎず、無理なく長く続けられることが大切です。
■「見える化」で継続できる
目標を決めることは、達成するパワーを与えてくれます。
長寿のための生活習慣でもぜひ、活用していきましょう。
まずは「こうなりたい」という目標を決めましょう。
「5年後、どんなことをしていたいか」など、叶ったら嬉しいことをイメージし、言葉にします。
その次が、「見える化」です。
自分がよく見るものや場所に、先の目標を書きましょう。
たとえばスマートフォンの待ち受け画面にするとか、付箋にメモして目に付くところに貼っておく、などです。
もちろんもっと大きな紙に書いて、壁に貼っておくのもよいでしょう。
文字だけに限る必要はありません。
もし「5年後に○○に旅行したい」というのであれば、その風景の写真などを貼っておくのもよい方法です。
なお、もし目標が変わったり、見ることがストレスになってくるようなら、変更するか破棄してしまいましょう。
大事なのは、「嬉しい」気持ちです。
辛くなったら本末転倒。
あなたのポジティブな気持ちを大切に、目標を立ててみてください。
■「三日坊主」でもOK
あなたは「飽きっぽい」人でしょうか?
もしそうなら、「長寿のための生活習慣も続かないかも……」と、迷っているかもしれません。
でも、大丈夫です。
なぜなら三日坊主は、使い方次第で強力な武器になるからです。
たとえば、新しい食事の工夫を始めて、3日でやめてしまったとしましょう。
もし飽きてしまったのなら、別の新しい工夫を試してみましょう。
それも飽きたなら、さらに次の工夫を試しましょう。
もし10種類の工夫を試すことができたのなら、「1カ月も長寿のための生活習慣が続いた」のと同じことです。むしろ1つだけを続けるよりも、多面的なメリットを得ている可能性だってあります。
あるいは、単にサボってしまった場合はどうでしょう。
その場合でも、やはり大丈夫です。
気が向いたら再開しましょう。
それを10回繰り返せば、1カ月続いたのと同じことです。
どうしても気が乗らないのなら、それはあなたに合っていない方法と考え、次に移ればよいのです。
問題はあなたのやる気ではなく、バリエーションの少なさであることも多いのです。
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玉谷 実智夫(たまたに・みちお)
医師・玉谷クリニック院長
1960年、兵庫県生まれ。京都大学薬学部、大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院、東大阪市立病院(現 東大阪市立総合病院)で研修した後、最先端医療を学ぶためアメリカ国立衛生研究所(NIH)に留学。帰国後、大阪大学で循環器・糖尿病・脳梗塞・老年病の研究に従事し、博士号を取得。最高権威の「ネイチャー メディシン」はじめ、医療ジャーナルに論文が数々掲載される。2008年に玉谷クリニックを開院。「東淀川区のかかりつけ医」として、高血圧・糖尿病・脂質異常症などで苦しむ10万人以上の患者を診断してきた。健康セミナーやテレビ、YouTubeなどでの発信も行うなど、地域の健康増進に努めている。著書に、『“世界一わかりやすい”最新糖尿病対策』(時事通信社、2021年)、『血糖値がどんどん下がる1分早歩き』(自由国民社、2022年)、『糖尿病の名医が「血糖値」よりも大切にしていること』(サンマーク出版、2022年)などがある。
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(医師・玉谷クリニック院長 玉谷 実智夫)

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