婚活をしている女性は、相手のどんなところを見ているのか。主宰する結婚相談所でカウンセラーを務めている大屋優子さんが「年収1100万円、身長174センチ、清潔感もある43歳の男性が、35歳の婚活女性から交際終了を突き付けられた。
決め手はスタバのカップだった」という――。
※なお、本稿は個人が特定されないよう、相談者のエピソードには変更や修正を加えている
■「お金に困らない結婚」のコツ
幸せな結婚生活において大事なことは何か。それは「心身の健康」と「経済的安定感」に他ならない。本稿では「経済的安定感」を得るための相手選びについて、筆者がこれまで相談を受けてきた事例を基に論じたい。
結婚してから、家庭不和の原因になるのは、お金の問題によることが多いが、これにより不協和音を生み出すことほど、つらく不毛なことはない。そうならないためにも、お相手選びは何より重要である。
結婚相談所の婚活では、男性については年収の公開が必須であり、相手を検索するシステムには年収1000万円を超える高収入男性がずらりと並ぶ。
上記のグラフは、業界最大手の結婚相談所ネットワークを運営しているIBJが公表している「成婚白書」に掲載されたものだ(図表1)。30代以上の女性と成婚した男性の年収の中央値(データを小さい順に並べたときに中央に位置する値)は650万円以上となっている。
さらに、上記のグラフは年の差婚と年収の関係性を表したものだが、女性よりも男性のほうが4歳年上の場合、男性側の年収の中央値は1000万円以上だという(図表2)。つまり、女性は年の差婚になればなるほど、高収入の男性と結婚しているということだ。
ならば、高収入の配偶者と結婚できれば、お金の心配はなく暮らしていけるのか?
現実には、そうとも言えないのだ。

■相手の金銭感覚を見抜くのは難しい
高所得の方は、お金もそれなりに使うし、どのくらいの預貯金や資産があるかは、プロフィールからはわからない。
また、毎月の支出状況も、お見合いや交際からは計り知れない。とくに、高年収な方は、交友関係も広く、お付き合いも大事な仕事の一環だったりして、見栄を張らなければならない場面も、そして外食も多い。
また、見た目が素敵な方は、身だしなみにも気を使う分、身に着けるものにもお金を使う。
体型維持のために、パーソナルトレーニングなどにも課金している方は少なくない。
例えば年収1000万円だったとして、そのほとんどを自分のために使ってしまっていて、貯金は全くないという方もいる。
それなら、年収500万円だとしても、身の丈に合った暮らしをして、倹約して、将来に向けてお金をしっかり計画的に貯めている人のほうが、安定した暮らしを期待できる。
希望通り、高収入な配偶者とめでたく結婚できたとしても、相手が稼ぎ出したお金を自由に使えるわけでもなく、また使えたとしてもそれを無計画に湯水のように浪費したら、将来の育児や住宅取得や老後の資産形成まで、うまくいくわけがない。
結婚してから、「こんなはずじゃなかった」とならないために、婚活の事例を基にして、実際に筆者がアドバイスしている「お金が貯まらない相手を見抜く方法」について紹介していこう。
■常に「スタバのカップ」を持ち歩く40代男性
43歳、大卒、男性、保険会社勤務、年収1100万円。
身長は174センチあり、清潔感もあり、すらりとした体型。信用金庫勤務から、保険会社へのヘッドハンティングを受けて、30代半ばで転職したという彼だが、営業成績により、年収は毎年右肩上がりで、増え続けているそうだ。
営業職だけあって、洋服のセンスもよく、なぜこの人が、今まで独身だったのか不思議なくらいである。
彼は、面談に来るたびに、必ず右手にスターバックスとかタリーズのコーヒーカップをもって現れる。私のサロンに来れば、お茶は必ず出すのだから、飲み物を持ってくる必要はないのにだ。
コーヒーカップは、まるで彼のファッションの一部のように見える。サロンに現れるときには、電車ではなく車。東京都千代田区にある私のサロンの近隣の時間貸し駐車料金は、決して安いとは言えないので、長く話し込むと、駐車料金が4000円を超える。
■結婚をイメージできるような生き方ではなかった
その彼が、仮交際で、結婚を前提にお付き合いしたい35歳の女性が現れた。
毎回彼がデートに連れて行ってくれるレストランはおしゃれで、当然毎回費用は彼の奢り。デートでは、彼女の自宅付近に車で迎えに行き、スマートにエスコートする。彼女が登録している結婚相談所のカウンセラーからも「とても素敵な男性で、ぜひ結婚前提のお付き合いを考えたい」と連絡が入っていた。
ただ、デートで選ぶ場所や、いつもスタバのカップを持っていることが気になったのか、彼女から「将来を考えたいと思っているので、ぶしつけながら預貯金はどのくらいありますか?」と聞かれた。
彼は、正直に「150万円くらいです、貯金は苦手で」と答えたという。
彼女は、年収も高いばかりか、毎回素敵なお店でご馳走してくれて、夢のような結婚生活を想像していたのに、その金額の少なさに、一瞬で現実に引き戻された。
結婚したら、子供も持ちたい、子供にしっかりした教育を受けさせたい、いつかは家も買いたい、そして老後まで見据えた将来を考えたときに、彼の年収で自分が想像していたよりはるかに少ない貯金額に、不安を感じたらしく、「結婚生活をイメージ出来なかった」と、交際終了の連絡がきた。
彼は、うなぎ上りの収入に合わせて、自分の生活レベルを上げてきていた。水筒を持って節約するという気持ちは持たず、数百円だからとスタバのコーヒーを常に買う。
スタバのコーヒーは彼には小さな支出。だが、その小さな支出が積み重ねられれば、大きな金額になっていく。結婚生活は、いくら年収が高くても、湯水のようにお金を使っていたら、将来の備えや、いざというときに不測の出費が起きたときに対応ができない。
貯金が少ないという交際終了を受けて、「まずは少しずつ支出を貯金に回せるようにしましょうね。今までスタバを毎日飲んでいたのかもしれませんが、まずはこれを二日に一度にするとか、小さな節約を心がけてくださいね」とアドバイスした。
■気軽にビニール傘を買う人は要注意
「お金が貯まらない」あるいは「浪費家」のイメージといえば、高額な買い物をしてしまう人だろう。高級外車や、腕時計、ハイブランドのバッグなどを想像しがちだが、実はこうした大きな買い物をする人だけが金遣いが荒いわけではない。
とくにお見合いから半年以内で結婚を決めなくてはいけない結婚相談所の婚活においては、日頃の小さな買い物から「隠れ浪費家」を見抜いていきたい。

例えば、下記のような行動をしている相手は要注意だ。
・毎日出社時に、駅前のスタバでラテを買って出勤する習慣を持つ人
味の好みは人それぞれだが、コンビニのコーヒーの3倍以上はするものを習慣的に買うということは、細かい出費の膨らみを気にしない人だということだ。
・急に雨が降ったら、毎回コンビニでビニール傘を次々に買う人
そもそも、折り畳み傘を持ち歩いていればビニール傘を買う必要もなくなる。モノを大事にする習慣も、お金を大事にしなくてはならない意識も低い。
■「お金を払えば済む」という感覚はすぐ変わらない
・デート中に、駅やコンビニで携帯充電器を借りる人
一回の使用料は、数百円と少額だが、着実に積みあがっていく出費だ。出かける前に、充電する簡単な準備すらできない人と、生計を一にすることに不安を覚えることは少なくないだろう。
・手や唇が乾くと、毎回見かけたドラッグストアなどで、新しいリップクリームやハンドクリームを購入する人
自宅には使いかけのそれらが散乱しており、モノを大事にしない人は要注意だ。買ったものは最後まで使い切る、という意識が欠落しているし、買った物の管理ができていない。「無駄な買い物をしても構わない」という態度の表れだと感じてしまう。
・電動キックボードLUUPを、歩きたくないとき気軽に使う人
東京などでは、あちらこちらに街中にポートがあり、便利だが、費用もかかるばかりか、少し我慢して歩くという健康意識が低い。「お金を払えばラクができる」という感覚は、結婚してすぐに変わるものではない。
・のどが渇いたからと、自動販売機で飲み物を買う人
金額は「自販機のペットボトルの価格>コンビニ>スーパー」なのに、近いからというだけで、若干の高い買い物をすることに抵抗がない人は、倹約の意識が低い。

こうした、「ちょっとした不便」を我慢できず、少額だからとお金で解決していく人は、貯金も少なく、また結婚後もお金が貯められない可能性が高いといえる。
■金銭感覚を見抜く“目”を持つべき
結婚相談所のお見合いや交際では、浪費家だと思われないように、ハイブランドのものは身につけないように、と言われているが、一生懸命働いて、頑張ったご褒美に買ったブランドもので判断するより、日々の相手の金銭感覚を見破る細かい出費を注視してほしい。
いざ、結婚準備に入ったら、新居の初期賃貸費用がない、とか、結婚式はお金がないからできない、などのビックリは、高年収な相手にも起こりえること。
結婚してから、「まさか」とならないために、相手の金銭感覚には、少額だからと目をつぶらず、しっかり現実を見る目、正しい判断ができる感覚を持っていてほしい。
結婚生活において、お金の苦労ほど、切ないものはないのだから。

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大屋 優子(おおや・ゆうこ)

結婚カウンセラー

1964年生まれ、株式会社ロックビレッジ取締役。ウエディングに特化した広告代理店を30年以上経営のかたわら、婚活サロンを主宰。世話好き結婚カウンセラーとして奔走。著書に『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)がある。

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(結婚カウンセラー 大屋 優子)
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