■仕事のデキる人のスーツは「減点されない」
ビジネスという激しい競争の場に適した服装のことを指す例えとして、スーツは“戦闘服”と呼ばれることがあります。では、そのような戦場において、どういった服装が正解なのでしょうか。
スタイリストとして、数多くのエグゼクティブのスタイリングやアドバイスを行なってきました。その経験から、スーツとは、悪目立ちせず周りの人を引き立てることで、相手から信頼してもらえる装いです。
プライベートであれば自分の好きな格好で自己主張しても全く問題ないですが、ビジネスの場だと敬遠されることがあります。センスがいいと思われたいという「加点」よりも、控えめだが協調性のある人物に思われる「減点されない」ディフェンシブな考えを身につけて欲しいと思います。
相手がいて初めて戦闘が成立するところは古代と変わりませんが、現代においては相手からの信頼を得ることが戦闘の最大の目的です。
ここからは具体例を挙げながら、ビジネスパーソンが目指すべき服装を解説していきます。
■一発アウト①派手なスーツの生地
色はネイビーかグレー、ブラックの3色を選んでおけば、間違いありません。ただ、2000年代以降の就職活動で最も無難なブラックスーツは、世代や相手の地域(例えば欧米など)によっては冠婚葬祭といったフォーマルな装いに見えるため、合わせるインナーを工夫するなど注意が必要です。
春夏に見かけるベージュやトレンドのグリーンなどはNGではありませんが、職種やTPOをしっかりと判断して選ぶべきです。
次に柄ですがソリッド(無地)の他、ストライプやチェックなどクラシックな柄は問題ありません。ただコントラストが効いた太めのストライプやチェックは一発アウト。目立ちすぎる柄は避け、遠目からは無地に見える程度の柄ものを選びましょう。
スーツを着ることに慣れ、着数が増えた40代からはベーシックなスーツだけでなく、幅を持たせるのが二流と一流の分岐点。例えばネイビーの無地スーツ。リクルート感が出てしまうシングルブレストではなく、貫禄と余裕を感じさせるダブルブレストを選ぶなど経験値が上がったからこそ着こなせるスーツもあります。
■一発アウト②シャツの汚れ
シャツの色はホワイトとブルーが基本です。ピンクやイエローなどその他の色は、スーツに馴染む薄い色合いのものなら使えますが、ネクタイとの合わせを慎重に行う必要があります。
間違っても、ブラックやネイビーなどの濃色シャツはダメ。濃色シャツは派手な印象となるため、ビジネスに悪影響を与えるだけなのを肝に銘じておきましょう。
柄はスーツと同じくクラシックなものはOKですが、チェックシャツは派手に見えてしまうため、ストライプ柄に留めておくのが適当です。
直接肌に触れるシャツは、首元や袖口の皮脂汚れに特に注意が必要です。
■ネクタイの鉄板パターン
スーツスタイルのなかで最も自由かつ個性を発揮できるのが、ネクタイです。ブルーやグリーンなどの寒色系、レッドやイエローなどの暖色系どちらでも合わせられます。柄も無地、ストライプ、チェック、小紋、ドットなど多くのバリエーションがあります。
種類が多くなると正解を迷ってしまいますが、実はスーツやシャツの色柄によって選択肢が絞られています。どういうことかと言うと、スーツスタイルをまとまっているように見せるコツがあるのです。それは“使う色は3色まで”“取り入れる柄は2つまで”という基本です。参考例を紹介します。
1色、柄は2つ
ネイビーストライプスーツ×ネイビーストライプシャツ×ネイビーソリッドタイ
2色、柄は2つ
グレーチェックスーツ×ホワイトソリッドシャツ×ボルドー小紋タイ
3色、柄は2つ
ブラックソリッドスーツ×ブルーソリッドシャツ×ブラウンストライプタイ
といった具合にコツを取り入れてコーディネートすると、統一感のあるスーツスタイルが完成します。
■一発アウト③良いモノよりも良い状態
見落とされがちなのが、ベルトや靴といった小物類です。スーツスタイルの完成度を左右する重要アイテムです。
“オシャレは足元から”や“ホテルマンは靴を見て判断する”などの言葉を聞いたことがあるでしょう。それほど、靴選びによって全体の印象が変わってしまうのです。
スーツスタイルに合わせる靴は、ブラックとブラウンが最適です。ブラウンよりもブラックの方が、フォーマル度が高いとされます。冠婚葬祭の際にも使えるため最初の一足はブラックをお勧めします。
スムースレザーと呼ばれる表革を使った靴は、オールシーズンどんな場所でも履けますが、スエードなど裏革を使った靴はシーズンやTPOによって不向きなこともあるので、自信のない人は手を出さないのが正解です。
デザインについては、「穴飾り」が多いほどカジュアルで、少ないほどフォーマルとなります。
また、靴紐を通す穴がある部分を「羽根」といいます。それが甲と一体化しているものを「内羽根」、甲の上に被せるように付いているのが「外羽根」といいます。内羽根の方が、フォーマルです。
選び方を知った上で、最も重要なのは“良い状態”であるかどうか。どんなにTPOに合っている高級靴も、手入れが行き届いていなければ台無しです。
■一発アウト④ベルトの色合わせ
たまに靴とベルトの色と素材がチグハグな人を見かけます。例えスーツ、シャツ、ネクタイがキレイにまとまっていても、それだけでコーディネートの統一感が失われ、残念な印象に見えてしまうので気を付けましょう。
ブラックは合わせるのが簡単ですが、濃淡があるブラウンは注意が必要です。靴とベルトは同じトーンを合わせるのがベストです。差が出る場合にはベルトの色を濃くしてください。身体の中心に位置するベルトを引き締まった色にするほうが、バランス良く仕上がるためです。
最後にバッグについて。色は靴やベルトの色に合わせたブラックやブラウン、もしくはどちらにも使うことができるネイビーのものを選んでください。重要な商談や会議に赴く際には、ブリーフケースが最適ですが、トートバッグやバックパックにもビジネス向きのデザインがあるので、荷物量やスタイルにより選べばいいと思います。
■一発アウト⑤靴下の選び方
スーツやシャツ、ネクタイ、小物選びが正解だったところで、その着こなし方が間違っていたら全て台無しです。気を付けるべきポイントはそんなに多くないので、ぜひチェックしてみてください。
まずサイズが合っていること。トレンドのオーバーサイズシルエットや身体の輪郭で出るほどタイトなシルエットは論外です。プレジデントオンラインの読者であれば、そんなスーツ選びはしないと思いますが、意外と“丈”に鈍感な人が多く見受けられます。
例えば、袖丈はシャツが1センチほど覗く長さ、パンツ丈は裾にクッションと呼ばれる“くぼみ”が少し入る程度の長さが正しく、ここを気を付けないと、“だらしない”や“清潔感がない”と思われ一気に評価が下がってしまいます。逆に、“丈”が合っていると安価なスーツでも見違うほど良く見えたりします。
ジャケットのボタンの留め方もルールがあります。椅子などに座る際はボタンを外した状態にし、立っている際は一番下のボタンを外しておくとスーツスタイルにこなれ感が生まれます。(1つボタンジャケットを除く)
座っている時は、ジャケットボタン以外にも気を付けることがあります。それは、パンツの裾からスネが見えてはいけないこと。相手に不快感を与える行為のため、絶対にやめましょう。こういったときに活躍するのがソックスです。アンクルソックスは履かないと思いますが、無地かつ薄手で長めのソックスを選んでください。
■スーツのポケットの正しい位置
気を付けるべきポイントの基本は以上になりますが、より洗練された着こなしを目指すのであれば、以下の2点も知っておいて欲しいところです。まずジャケットやパンツに付いているポケットは、装飾要素です。ポケットが膨らむようなアイテムは、入れないのがスマートです。少しの外出を手ぶらで行きたい方は、スマートフォンやカードケースなど薄めかつ小さめのものに留めておいてください。
ポケットに関して、もう一つ。そもそもフラップが付いていないフォーマルジャケットを除き、腰ポケットのフラップは出しているのが正解ですので、仕舞うことのないようお気をつけください。
2点目はポケットチーフの話です。無くてもスタイリングは完成しますが、入っているとより洗練された印象になります。ただ、あくまでのビジネスの場なので華やかすぎるのはNG。
リネン素材のホワイトをTVフォールドと呼ばれるスクエア型に入れる程度にしておきましょう。上下が決まっているスーツは、胸元のVゾーンにシャツとネクタイをプラスしてスタイリングを仕上げるため、慣れてしまえばコーディネートに頭を悩ませる時間も減ってくると思います。
■自分のためにスーツを着るのではない
ただ忘れないで欲しいのは、自分のためにスーツを着るのではなく“ビジネス相手のため”に着ていることを、毎朝鏡を見ながら思い出してください。
営業職はもちろん、クリエイティブ職といった社外の人たちとあまり関わりを持たない人も、上司や部下などある程度の関わりはあると思います。そういった時に、服装の問題によりビジネスが上手くいかないのは、とても勿体無いことです。ビジネスチャンスを最大限活かすためにも、ここから相手に良い印象を与える服装を学んで欲しいと思います。
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栃木 雅広(とちぎ・まさひろ)
スタイリスト・エディター
大阪府出身。2002年に独立。スーツやフォーマルのといったドレスウェアの他、上品な大人向けカジュアルなスタイリングを得意とし幅広い媒体で活躍する。
ファッション誌、モノ誌、ゴルフ誌といった雑誌のスタイリングとエディトリアル。ウェブ媒体でのスタイリング、ライティングも担当。
俳優、アーティスト、スポーツ選手などのスタイリングの他、経営者などエグゼクティブへのコーディネートアドバイスを行う。カタログ、ウェブ、コマーシャルといった企業広告のスタイリングでも活躍中。
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(スタイリスト・エディター 栃木 雅広)

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