本プロジェクトでは、染色されたマラリア原虫細胞の画像を活用して化合物の生物学的影響を理解する「Cell Painting」と呼ばれる手法を活用します。
【プロジェクトの概要】 マラリアは2023年に約2億6300万件の新規症例と597,000人の死者をもたらすなど[1]、 公衆衛生上の重要な課題です。さらに、東南アジアおよび最近の東アフリカにおいて、抗マラリア薬であるアルテミシニンおよびその類似薬剤に対する耐性が出現しており、マラリアの制御と根絶に対する脅威となっています。
こうした背景から、既存の耐性メカニズムに影響されない新規な作用機序を有する新たな治療法の開発が求められており、本プロジェクトは、抗マラリア化合物の作用機序を迅速に特定する化合物プロファイリングの基盤となるCell Paintingプラットフォームの開発を目指します。
このプラットフォームにより、医薬品探索において最優先すべき化合物シリーズに注力し、既存の抗マラリア薬とは異なる作用機序を持つ化合物の選別が可能となります。また、最先端の寄生虫学、イメージング、AI解析技術を活用することで、表現型スクリーニングで得られるヒット化合物の作用機序解明に要する時間とコストの削減が期待されます。
本プロジェクトは、医薬品探索研究、マラリア寄生虫学、ハイコンテントイメージング、及びAI画像解析における専門知識を有する学際的なチームによる革新的な取り組みであり、マラリア原虫に対する生物学的影響を評価する表現型解析を行い、抗マラリア化合物の作用機序分類手法を開発することに焦点を当てています。MMVは作用機序が多様な化合物のキュレーションを主導し、アッセイに向けた試料の準備を、ダンディー大学は、マラリア原虫培養の最適化、化合物の処理、ハイコンテントイメージングおよび解析を、エルピクセルは、作用機序の分類を実現するAIモデルの開発、クラウドプラットフォームへの実装を担います。これまでアカデミアや製薬企業との共同研究で培ってきた、細胞の形態や変化に着目した画像解析技術を本プロジェクトへ活かし、細胞画像解析技術を基軸とした創薬研究技術の更なる発展に貢献してまいります。
プロジェクトに関する詳細については、Medicines for Malaria Venture によるプレスリリース(英文)をご覧ください。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10005/86/10005-86-0f666539768b323ea699f2f8a18e0466-904x426.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※ イメージ画像 熱帯熱マラリア原虫に感染した赤血球。
[1] World Health Organisation (2024) World Malaria Report 2024 Available at: https://www.who.int/teams/global-malaria-programme/reports/world-malaria-report-2024 (Accessed 19 February 2025)
【MMVについて】Medicines for Malaria Venture は、マラリアを治療、予防、そして撲滅する医薬品ポートフォリオの提供に取り組むスイスの非営利団体です。
詳細はホームページ ( https://www.mmv.org/ )をご覧ください。
【GHIT Fundについて】GHIT Fund(ジーヒットファンド)はマラリア、結核、顧みられない熱帯病に対する治療薬などの製品開発を支援する国際機関です。
詳細はホームページ ( https://www.ghitfund.org/jp ) をご覧ください。
【創薬・ライフサイエンス研究を支援するエルピクセルの画像解析AI技術について】創薬・ライフサイエンス研究プロセスにおける課題に対し、ライフサイエンスとAI双方に強みを持つプロフェッショナルが、実験デザインからAI学習に最適なデータ取得・収集方法、AI実装までをご提案します。研究開発における「効率性」「品質」「安全性」の向上を幅広く包括的にサポートします。
公式サイト:https://imacel.net
<支援実績>
第一三共株式会社/武田薬品工業株式会社/アステラス製薬株式会社/大鵬薬品工業株式会社/中外製薬株式会社/協和キリン株式会社/シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社/マルホ株式会社/旭化成ファーマ株式会社/グローバル製薬企業(企業名非公開)/オリンパス株式会社/東レ株式会社/東レエンジニアリング株式会社/国立研究開発法人国立成育医療センター/量子科学技術研究開発機構/東大病院 他(順不同)
※ 公知および掲載許諾を頂けた一部の企業・団体様のみ記載しております。
【エルピクセル株式会社について】エルピクセル株式会社は、ライフサイエンス領域の画像解析に強みを持ち、医療・製薬・農業分野において画像解析技術、とりわけ人工知能技術を応用することで、高精度のソフトウエアを開発してまいりました。医師の診断を支援するAI画像診断支援技術「EIRL(エイル)」、創薬に特化した画像解析AI「IMACEL(イマセル)」を軸に事業を展開しています。
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