三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 健一、以下「三井物産」)は、計算化学ソフトウェア企業のQuantum Simulation Technologies, Inc.(キューシミュレート、CEO:塩崎亨、以下「QSimulate」)、および量子コンピューティング分野のグローバルリーダーであるQuantinuum社(クオンティニュアム、CEO:Rajeeb Hazra、以下「Quantinuum」)と共同で、量子・古典ハイブリッドプラットフォーム「QIDO(キド:Quantum-Integrated Discovery Orchestrator)」を開発、8月19日から提供を開始します。

創薬、材料、化学の分野において、量子コンピュータは、分子設計の精度向上を通じて、創薬や材料開発に革新をもたらす技術として期待されています。
しかし、技術の成熟度、人材不足、導入コストなどの課題が依然として存在し、多くの企業ではまだ技術評価や導入可能性の検討段階にあります。材料開発におけるデジタル技術活用は単純なデータ処理ではなく、量子力学的なミクロスケールの現象とマクロスケールの製品性能をつなぐ複雑なプロセスが求められます。このため、最先端の計算化学、量子コンピューティングの革新、AI技術を研究開発に取り入れ、仮想環境で材料特性や化学反応を再現・解析することで、競争優位性の確保が得られます。

QIDOは、これらの分野において、材料設計や反応解析の精度と効率を高めることで、研究開発のリードタイム短縮とコスト削減を支援するための新しいソリューションです。このプラットフォームは、QSimulateの古典計算ソフトウェア「QSP Reaction」と、Quantinuumの量子計算ソフトウェア「InQuanto」を統合しています。こうした古典計算と量子計算を組み合わせたハイブリッドアプローチにより、実用性の高い古典計算と先進的な量子計算をシームレスに接続し、分子シミュレーションの高度化を実現します。

まず、「QSP Reaction」で高精度な化学反応解析を行い、その結果を「InQuanto」に適用することで、量子計算の活用を効率化します。また、従来は専門知識が必要だった量子化学技術を、より多くの研究現場で活用できるようにします。直感的なユーザーインターフェースと自動化された解析機能により、研究者は最適な手法を選び、効率的に研究を進めることができます。さらに、QIDOは、クラウド環境を活用することで、様々な研究テーマに対する試験的な解析を迅速かつ柔軟に実施できる環境を提供します。これにより、企業や研究機関は量子技術の実装に向けた取り組みを効率的に進めることができ、導入の加速に貢献します。
想定されるユースケースには、化学反応の経路探索や励起状態計算をはじめ、創薬、触媒・酵素設計、持続可能な材料、エネルギー技術などが含まれます。
今後は電池技術やバイオ分野への応用も視野に入れ、各分野に特化した機能を順次拡張する予定です。

三井物産は、本取組みを通じて、量子計算のユースケースとして注目されている創薬、材料、化学分野などを中心に市場ニーズの開拓を進め、量子技術を活用した産業課題の解決に貢献していきます。

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量子・古典ハイブリッドプラットフォーム「QIDO」のコンセプト


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