静岡大学人文社会科学部の張盛開教授が、中国に1200年以上前から伝わる影絵芝居「皮影戯(ピーインシー)」を通じて共感と共生を育む活動に挑むため、クラウドファンディングを開始します。

 静岡大学人文社会科学部の張盛開教授は、中国に1200年以上前から伝わる非遺(フェーイ)(※中国語で無形文化遺産の意)である影絵芝居「皮影戯(ピーインシー)」の記録・保存・研究を通じて、多言語・多文化社会において共感と共生を育む活動に挑むため、8月27日(水)からクラウドファンディングを開始しますのでお知らせいたします。


 本プロジェクトでは、静岡大学で開催される国際シンポジウム(2025/11/1,2)に中国から伝承者を招き、「皮影戯(ピーインシー)」を実演します。また、大学院生や若手研究者が地域言語文化についての研究成果を発表します。シンポジウムでは、伝承者と大学院生・研究者が意見交換することにより、互いの刺激となり、また参加者との交流により新たな活力が得られる場を作ります。そして、体験と理論を融合させることで、非遺の持つ力を社会に届け、若い世代の情熱を育むきっかけとするとともに、「方言との接点」を可視化することで、魅力を社会に発信します。

 中国では馴染みのある文化遺産である皮影戯の実演と研究を、クラウドファンディングに挑戦して様々な立場の方々の支援を募ることで、この多様な言語や文化が入り混じる社会において、共感と共生を育むことができると考えています。報道機関の皆様におかれましては、ご多用中とは存じますが、ぜひ、周知とご取材いただきますよう、お願い申し上げます。

【クラウドファンディングの概要】
プロジェクトタイトル:「皮影戯」を通して無形文化遺産と方言を未来へつなぐ
ページURL:https://academist-cf.com/projects/399
目標金額 :100万円(All or Nothing形式)
    ※募集期間内に集まった寄付が目標金額を超えた場合のみ受け取ることができる仕組み
募集期間 :2025年8月27日(水)8時~2025年10月22日(水)17時
資金の使途:中国からの伝承者招聘費、演目創作費、通訳費、若手研究者の発表資料制作費、公演、研究報告の広報活動費等


【研究者コメント】
静岡大学 人文社会科学部 教授 張盛開(じゃん・しぇんかい)
私は、貧しかった幼少時代、父が影絵芝居「皮影戯」の出演で得た収入により育てられました。そして、20年以上にわたり、中国における方言と非遺(無形文化遺産)の記録・保存・研究に取り組んでいます。

[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/96787/71/96787-71-144c0de09461ae0a81a2a62a828d1cd5-404x243.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


【研究概要】
 「非遺(無形文化遺産)」の方言資料としての価値に着目し、非遺に内包されている語り・表現・音韻の特性を通じて地域言語文化の実像に迫り、地域の言語と文化を未来へ継承することを目指しています。
 「皮影戯(ピーインシー)」は、中国に1200年以上前から伝わる伝統的な影絵芝居です。動物の皮(主にロバや牛)をなめして彫刻し、彩色を施した人形をスクリーンに押し当て、光を透かして物語を演じます。その精巧な技術と幻想的な演出は、彫刻・絵画・音楽・演劇が融合した総合芸術であり、2011年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
皮影戯には、地域ごとの方言や文化が色濃く反映されています。各地の演目にはその土地の方言が用いられ、語り口や歌唱法、物語の構造に至るまで、言語文化が深く根付いています。つまり、皮影戯を研究することは、地域言語の生きた使用例を探ることでもあり、方言の保存・継承にとって極めて有効な手段です。

【研究背景】
 皮影戯は代々口伝えで継承され、現在に至ります。しかし、その舞台には若い演者の姿はほとんどありません。このままでは、皮影戯が内包する地域言語文化も失われてしまいます。
 これまで、各地の皮影戯を映像・音声で記録し、台本をテキスト化して方言の音韻体系や語彙・文法を分析してきました。並行して、演者や人形師へのインタビューを通じて、語りや演技の身体技法、即興性なども記録しています。地域ごとの違いや共通点を明らかにし、多様性と文化的基盤の可視化を進めています。

【今後の展望と波及効果】
 今回のプロジェクトでは、2025年11月1・2日に静岡大学にて実演と学術が融合したシンポジウムを開催します。「方言と非遺の接点」を可視化することで、その魅力を社会に発信します。
 シンポジウムでは、中国から伝承者を招いて皮影戯を実演してもらいます。
また、大学院生や若手研究者が研究成果を発表します。伝承者と研究者が意見交換することにより互いの刺激となり、また参加者との交流により新たな活力が得られる場を作ります。このシンポジウムは、単なる舞台公演や研究会ではありません。体験と理論を融合させることで、非遺の持つ力を社会に届け、若い世代の情熱を育むきっかけとします。

●研究計画
[表: https://prtimes.jp/data/corp/96787/table/71_1_a2042fd1e4e13fbee6f64f70624d9f16.jpg?v=202508251046 ]企業プレスリリース詳細へ : https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000096787.htmlPR TIMESトップへ : https://prtimes.jp
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