そして、送り状作成サービス「Ship&co (シップアンドコー)」開発のきっかけは、ECセラーとして日々直面していた「出荷書類の作成にとにかく時間がかかる」という課題をどうやってクリアしようかと考えていた頃、「自分たちにこういうツールがあったらいいな」と思い、自社で開発に着手しました。
このストーリーでは、Ship&coの開発までの道のりと背景、リリースから現在そして今後の展望まで、ベルトランの思いを込めてお伝えします。
フランス出身ブロガーが京都の魅力を発信、ECストア開設で成功へ
私はフランス出身ですが子供の頃から日本の文化が大好きで、いつか日本に住むことを夢見ていました。学生時代には念願叶い京都に1年間留学し、再度戻ってくることを決意。大学卒業後にすぐに日本に帰ってきました。そこで始めたのが日本や京都の魅力を紹介するブログです。そのブログが後々、ビジネスへとつながっていきました。当時、京都でフランス人のブロガーは私ひとりだけで、日本好きのフランス人の間で人気がありました。そのおかげで色々なコネクションや友達ができ、2006年にブログからビジネスができたらいいなと思って、日本のモノを売り始めたのです。ちょうどその時に、友達からShopifyというECプラットフォームがあるよと聞いて、まだ当時Shopifyはベータ版でしたが、2007年にかけて自分でストアを2つ開設して販売をしました。その過程で、ShopifyとPayPalアカウントを使うことで、越境ECはそんなに難しくないということが分かったのです。
当初はお弁当箱は販売していなかったのですが、2008年に母とSkypeで話をしていた時、母が『フランスの雑誌でお弁当のレシピを見たよ』と言ったのです。その時、頭の中で「絶対にこれだ」とひらめきました。
当時はリーマンショックが起こり世界中が不景気の真っ只中。そのようなご時世、人々は外食をやめて自分でお弁当を作って会社に持って行くというのが増えていました。まさにタイミングは完璧でした。
ECストアの準備をしている段階からブログに逐一記事を書いていたので、ネットショップは開設前から口コミで多くのフランス人に知られていました。そのおかげで、お店を開いてから20分で最初の注文が入り、その日に注文は既に10件以上となり、3ヶ月目には会社の利益も出てきていました。
ブログ効果は絶大で、その後も順調にビジネスを拡大。その頃にはちょうど『Bento』という言葉が世界中で広く知られるようになっていました。
クリスマス商戦での効率化へ。送り状作成アプリの発想
例えばクリスマス前に1日の注文が100件もあると、もちろん注文がたくさん入るのはすごく嬉しいのですが、出荷ラベルを作るだけで約5時間。昔はShopifyの管理画面からFedExのサイトに1つずつ住所をコピー&ペーストしていてとても不便でした。ラベル作成の手間を解消して効率化させ、マーケティングや顧客とのやり取りにより多くの時間を費やせるようになればいいなと考えました。2012年の冬、ホリデーシーズンで忙しい時期にこのように思ったのを今でも鮮明に覚えています。
自社開発の挑戦。送り状自動化アプリ「Ship&co」の誕生と成長ストーリー
はじめは、既にアメリカで開発されていたアプリの日本版をつくってもらえるように交渉しました。しかしなかなか実現しないまま時だけが過ぎていくのに耐えきれず、それなら自分たちでつくろうと、社内のデベロッパーチームで開発をスタートしました。2014年のことでした。満足のいくベータ版を完成させるまでに2年かかり、2016年に念願だった送り状・インボイスをワンクリックで発行できる、Ship&coが完成しました。送り状の作成を自動化し、1件あたり20秒以内で印刷作業まで完了することが可能になりました。
まずShip&coをBento&coの業務で使ってみると、送り状作成のために使う時間が圧倒的に削減されました。「自分たちと同じように、送り状の作成の手間を省きたいと考えているネットショップの運営者はたくさんいるはず。ネットショップと連携することができたら、絶対にビジネスになる」と思い、Ship&coの営業を始めたんです。
Ship&coは国内外の主なECプラットフォーム (カートシステム) とAPIで連携しており、注文データをリアルタイムで同期します。1つのインターフェースで注文データの同期から送り状発行と発送済みの連携まで完了する、日本初の出荷管理システムです。また同時に、複数の主要な運送会社ともAPI提携しているため、例えば海外発送の場合は荷物の重さ・サイズを入力し、見積送料を確認して簡単に送り状を発行することができます。そして通関用のインボイスも自動作成されるため、EC初心者でも安心してお使いいただけます。
Ship&coの開発を加速して成長させるため、2017年12月にはベンチャーキャピタルから1億円の投資を受けました。日本郵便ならびに佐川急便とのAPI連携を完了させ、当時はまだ例がなかったヤマト運輸B2クラウドとのAPI (画面なし) 連携も実現させました。日本で、この3社と同時連携しているサービスは他にはありませんでした。その後も送り状の一括発行機能の追加など、サービスを拡充してきました。これからも、ユーザーからのご要望の多いものは可能な限り対応したいという気持ちは変わりません。
物流の自動化へ。「Ship&co API」がもたらすシステム連携の利便性
2019年4月には「Ship&co API」をリリースし、お使いの自社システムにShip&coのAPIを組み込んで開発いただくことで、Ship&coの送り状発行機能が自社のシステムでも利用いただけるようになりました。現在、Ship&coのAPIはピツニーボウズジャパン、Square Japan、三菱商事ファッション (いずれも敬称略) など大規模の企業のシステムにも連携して利用いただいており、毎月数万件といった送り状作成もスムーズな処理が可能です。例えば海外の企業が日本国内配送のシステム連携を必要とするような場面においても、Ship&coのAPIを使っていただくことで各運送会社との個別の交渉やシステム連携は不要となり、素早く簡単にヤマト運輸、佐川急便もしくは日本郵便 (ゆうパック・ゆうパケット) の送り状を自社のシステムから直接発行することができるのです。
日本発の効率化ツールとして、世界中での利用拡大へ
日本国内のユーザー数は現在累計2,000を超え、EC事業者の間では「Ship&coは越境ECのためのツール」という印象が以前は強かったと思うのですが、今ではShip&coのサービスを使って作成される送り状全体のうち、国内発送 (特にヤマト運輸) での利用が半数を超えています。加えて、アメリカ、カナダ、シンガポールなどを含む約30カ国にユーザーを抱え、24時間365日システムが稼働しています。Bento&coを通して日本を身近に感じてもらうのと同じように、Ship&coも、日本生まれの便利ツールとして小さな企業から大規模の企業まで、出荷作業の効率化をこれからも強力にサポートしていきたいと思っています。
【Ship&coのサービスについて】
1.Webアプリ
Ship&coのWebアプリは、Shopify、eBay、Amazon、Yahoo!ショッピング、BASE、カラーミーなど複数のECプラットフォームと直接API連携し、送り状を簡単に発行いただくためのWebアプリケーションを開発しています。EC店舗の注文情報を自動的に同期し、その情報を元にFedEx、UPS、DHL、日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便などでの出荷に必要なラベルを簡単に作成することができます。お持ちの運送会社のアカウントを登録すれば、出荷ラベルの印刷までたった数分。日本国内の主要運送会社も国際クーリエも、1つのアプリで一気にまとめて繋げます。URL:https://www.shipandco.com/ja
2.出荷API
Ship&coの出荷APIとは、お持ちの自社システムにShip&coの送り状発行機能を容易に統合できるソリューションです。例えば、送料を確認・比較する機能、出荷に必要な書類を作成する機能、荷物を追跡する機能など、必要な機能だけを追加することも可能です。Ship&coの強力かつシンプルな出荷APIはスピーディーに稼動し、メンテナンスはほとんど必要ありません。詳細な仕様書と、お客様を支援するための技術サポートも提供しています。