現代の製造業において、産業用ロボットは生産効率を飛躍的に向上させる重要な役割を担っています。
そこで今回は、産業機器メーカーにおける産業用ロボットの機能安全規格対応プロジェクトを想定しながら、当社が提供する機能安全規格対応支援サービスについてご紹介いたします。
*1:機能安全規格とは、安全なプログラマブル電子制御システムを開発するために有効と考えられる管理手法の適用を定めた規格です。詳細は、当社HP掲載のホワイトペーパーをご参照ください。https://www.hitachi-ite.co.jp/products/kinouanzen/download/whitepaper_kinouanzen.pdf
背景
産業機器メーカーでは、安全な製品の提供を通じて市場での競争力を高めるために、自社製品(例:産業用ロボット、工作機械、センサー類など)の機能安全規格準拠が求められます。しかし、機能安全対応には専門知識が求められる業務が多く、自社での製品改良が困難なケースも少なくありません。さらに、改良に伴うコストの増加や開発期間の延長といった課題もあり、現行製品を大きく変更せずに規格準拠を実現するための技術支援を必要とする場合があります。【想定される課題】
- 産業用ロボットを一括で機能安全規格に対応させたいが、要求事項が抽象的で対応方法がわからない
- 機能安全のノウハウが不足しているため、規格準拠を証明する書類の整備に時間がかかる

日立情報通信エンジニアリングの解決策
日立情報通信エンジニアリングは、産業機器メーカーの「機能安全規格に対応した、安全な製品を販売していきたい」というニーズに対し、産業用ロボットのコントローラーに機能安全監視ユニットを追加する構成を提案します。当社開発の機能安全監視ユニットは産業用ロボットの各関節位置や速度をリアルタイムで算出し、危険状態を判断して産業用ロボットに停止指示を出す仕組みを備えています。
この構成を採用することで、産業用ロボット本体の変更は最小限となり、コストや納期を抑えながらの機能安全規格準拠が実現できます。

また、「機能安全規格準拠への要求事項が抽象的で対応方法がわからない」「機能安全のノウハウが不足しているため、規格準拠を証明する書類の整備に時間がかかる」という課題には、当社の専門家*2が支援し、お客さまの負担を最小限に抑えます。
*2:IEC61508 機能安全技術者(FSE)
このように、当社ではお客さまの既存製品や新製品の機能安全規格適合を支援する「機能安全規格 認証取得支援・開発サービス」を提供しています。
今回のような産業用機械に関するケースでは、機械の機能安全規格(IEC62061)*3に準拠したプロセスと技能に基づき、安全計画から妥当性確認までの全工程を、ハードウェアおよびソフトウェア設計含めてワンストップで支援します。
*3:機械の機能安全規格(IEC62061):機械類の安全関連電気制御システムの設計、統合および妥当性確認のための要求事項および推奨事項を規定。引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/48/6/48_379/_pdf/-char/ja (2025.7.11参照)

想定される波及効果
先述の取り組みにより、導入コストと開発期間を抑えつつ、既存製品を大幅に変更せずに機能安全規格へ準拠することができます。また、当社が提供可能なIEC 62061準拠プロセスに基づく一貫支援を通じて、お客さま社内に機能安全の知見が蓄積され、今後の新製品開発や設備更新時の社内標準プロセスとして活用可能です。
さらに、設計部門と製造現場が共通の安全基準を持つきっかけとなり、「安全文化」の醸成にもつながります。将来的には、安全設計や認証取得プロセスの内製化・自走化に向けた体制構築も可能になります。
日立情報通信エンジニアリングの強み
- 上流から開発後のサポートまで一貫対応が可能です
- 柔軟性と誠実な対応で、複雑なご要望にもお応えいたします
当社は単なる技術提供にとどまらず、機能安全に関わるすべてのフェーズに対応可能な体制を整えています。開発の初期段階から現場への実装だけでなく、認証取得支援までをワンストップで提供します。
機能安全対応は技術的に高度なだけでなく、仕様や設備状況に応じた柔軟な対応が求められます。当社では、形式的な提案に終始せず、お客さまの立場で課題と向き合い、最適な解決策をともに検討する姿勢を大切にしています。
最後に
製造現場の機器における機能安全の確保は、もはや法令対応や事故防止の枠を超え、企業の信頼性や競争力に直結する重要な要素です。当社は産業用機械に限らず、鉄道・自動車・建設機械などの幅広い分野で機能安全対応を支援してきた実績があります。これらのノウハウを活用し、現場の実情に即した最適な技術とプロセスをご提案可能です。機能安全に関するお悩みやご相談があれば、ぜひお気軽にお声掛けください。■事例について
機能安全規格に準拠した産業用機械の開発支援~安全性向上に向けたトータル技術支援~
■日立情報通信エンジニアリングについて
株式会社 日立情報通信エンジニアリングは、公共・企業、産業、ヘルスケア、自動車関連の分野において、ネットワーク機器や関連するソフトウェア・サービスを駆使したネットワーキングとカスタマイズやローカライズへ最適化するエンジニアリングと要素技術を提供します。
■商標に関する表示
記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
■お問い合わせ先
株式会社 日立情報通信エンジニアリング 営業統括本部 営業戦略本部
〒220-6122 神奈川県横浜市西区みなとみらい2丁目3番3号 クイーンズタワーB 25階
お問い合わせ:https://www.hitachi-ite.co.jp/inquiry/index.html
以上
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