「オフィスを改修したい。うちの会社に合う、働きやすいオフィスをつくってほしい」
ーーある日、突然上司にそう告げられたとしたら、あなたはどうしますか。
コロナ禍を経て、働き方が多様化した現在、オフィスのあり方が改めて問われています。
オフィスコンサルティングを手がけるオカムラは、オフィスづくりの第一歩となる「企業自身が理想のオフィスについて考える」プロセスを後押しするため、Web診断ツール「OFFICE KIT(オフィスキット)」を開発しました。
オカムラはなぜ、はじめからお客様と一緒に考えるのではなく、「まずはお客様ご自身で考えていただく」ことをサポートするのか。
この記事では、OFFICE KITプロジェクトに関わった川口と青木が、OFFICE KITを開発した背景や込めた想いについて語ります。

川口 健太(かわぐち けんた):働き方コンサルティング事業部 ワークデザイン統括部 価値共創センター所属。
OFFICE KITのプロジェクトリーダー。組織を越えた接点をつくったり、知見を仲介したり。「ナレッジブローカー」として活動、お客様にとっての価値を共創している。

青木 佳織(あおき かおり):事業戦略統括部 デマンドセンター所属。OFFICE KIT起案者。本業は、デジタルを活用してオカムラの知見を届け、見込み顧客を育てていくこと。
きっと理想のオフィスがみつかるWeb診断サイト「OFFICE KIT」
「OFFICE KIT」とは、どのようなものか。OFFICE KITプロジェクトリーダーの川口は、こう語ります。
「簡単に言えば、新しくオフィスづくりを検討している企業に向けた、Web診断サイトです。自分たちに合った働き方やオフィス空間を考えることをサポートするツールとして開発しました」(川口)
OFFICE KITの使い方は簡単で、働き方の悩みや理想に関する6つの質問に答えるだけ。そうすると、自社に合った働き方やおすすめのオフィスタイプを知ることができます。


OFFICE KITでは、まず自社に合った「オフィスタイプ」が診断されます。

オフィスの中でよく動き回るか(柔軟)、あまり動かないか(固定)。個人で働くことが多いか(個人重視)、チームで働くことが多いか(チーム重視)。その2つの軸を掛け合わせた4タイプと、すべてを同程度重視する1タイプ、合計5つのオフィスタイプがあります。
さらに、診断されたオフィスタイプに応じて、働き方や空間、アイテムの活用例もあわせてご紹介しています。


「OFFICE KITを使ういちばんのメリットは、自分たちの働き方とオフィスの関係性を見直すきっかけになることです。今のオフィスは、自分たちが働きやすい、理想とする働き方に合っているか。OFFICE KITを通じて、そこがはじめて見えてくることで、自分たちの働き方、それを支えるオフィス環境を改めて考えることができます」(川口)
◼︎オカムラ オフィスタイプ無料診断ツール「OFFICE KIT」
「まずは自分たちで考えられるように」OFFICE KITにこめた想い
Web上で、簡単に自社に合ったオフィスの方向性が分かるOFFICE KIT。その開発には、どのような背景があったのでしょうか。開発に携わった青木は、当時をこう振り返ります。
「かつては、企業の総務担当者など、それを専門にしている人たちがオフィスづくりを担うのが一般的でした。ですが、コロナ禍を経て働き方が多様化し、社員一人ひとりの価値観を尊重することが必要だと改めて認識されるようになりました。自分たちに合った、働きやすいオフィスとはどんなものか。それを考えるために、さまざまな部署のメンバーが集まってオフィスづくりをするケースが増えてきたんです。ですが、その道に詳しくない方が、一から情報を集めて検討するのは、容易なことではありませんよね」(青木)
こうした社会的背景もあり、「オフィスづくりに初めて関わる人が、最初の一歩を踏み出すためのサポートができるツールを作ろう」と考えたのが、OFFICE KITの出発点でした。
開発にあたっては、まずユーザーの実態を把握するために、オフィスづくりに関わったことのない100人に対するインタビューを実施。その結果、多くの方が「まずは詳しい人に話を聞くところからはじめたい」と考えていることが分かりました。
「それなら、知識やアイデアを提供できるようなツールがあったらいいのではないか。そんな発想から、OFFICE KITの方向性が見えてきました。こだわったのは、オフィスづくりが初めての方でも、直感的に理解できること。言葉や世界観などにも気を配りながら、『まずは自分たちで理想のオフィスを考える』ためのサポートができるようなツールを目指しました」(川口)

「まずは企業自身が自分たちに合った理想のオフィスを考える」ことを大切にするのには、どんな想いが込められているのでしょうか。
「オフィスづくりを具体的に検討するには、通常であれば、私たちオカムラのようなオフィスコンサルティングの専門家に相談しなければなかなか難しいですよね。

「まずは自分たちで理想のオフィスを考える」ことを大切にしたのには、その企業に本当に合ったオフィスづくりができるからという理由もあるといいます。
「企業の中に『どうしたいか』という意思がなければ、どんなに立派なオフィスをつくっても、自分たちにフィットする空間にはなりません。『自分たちはこう働きたい』という思いが明確であるからこそ、私たちのようなオフィスづくりのプロフェッショナルも、より的確なソリューションを提案できます。だからこそ、まずは自分たちで理想のオフィスを考えることがとても大切だと考えています。そもそも『働く』ということは、1日の大半を占めていて、人生にも大きな影響を与えていますよね。働く場所であるオフィスは、『自分たちの家』とも言えます。そんな大切な空間について、一度自分ごととしてしっかり考えてみることは、そうした点からも意義のあることだと思っています」(川口)

リアルな場としてのワークショップ開催
OFFICE KITは、Web上で簡単に診断ができるのが最大のメリット。その反面、Webでの情報だけで、お客様がオフィスづくりに取り組むには限界があります。
そう考え、お客様の課題に対して、具体的なアイデアを提案できる場として、ワークショップを開催したといいます。
「リアルな場でのやり取りを通して、参加者の方々に『自分たちでオフィスを考えることには意味がある』『自分たちにもオフィスづくりができる』と実感していただけるきっかけになればと思ったんです。そうした気づきこそが、理想のオフィスづくりのための第一歩になります。

「ワークショップに参加されたお客様からは、ありがたいことに全体的にとても高い評価をいただきました。OFFICE KIT診断やショールーム見学を通じて、『さまざまなアイデアを知ることができ、オフィスづくりへの考えが深まった』『自社の課題に合ったオフィスを具体的に考えられた』といったお声を多数いただきました。また、『社内の他の人にも勧めたい』という感想もいただきました。ワークショップで得た気づきを社内に持ち帰って、検討していただけるきっかけにもなったのではと思っています」(青木)
さらに、オカムラ側にとっても嬉しい気づきがあったといいます。
「これまで、実際にOFFICE KITを使用された方の感想を伺う機会はあまりなかったので、今回のワークショップでリアルなお声を伺うことができ、OFFICE KITがお客様のお役に立っているという実感を得ることができました。そのことは、私たちにとって大きな励みになりましたね」(青木)
◼︎ワークショップの様子は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
〈話して、ためして、ひらめいて。“理想のオフィス”を描く、オカムラ「OFFICE KIT」ワークショップ開催レポート〉

OFFICE KITを「コミュニケーションを深めるツール」へ
OFFICE KITの開発やワークショップの開催を経て、オカムラとして今後どのようなことに取り組んでいきたいと考えているのでしょうか。
「今のOFFICE KITは、ひとりが診断を受け、おすすめのオフィスタイプを知るという、いわば一対一のツールです。ですが、今後はその診断結果をきっかけに、社内のメンバー同士が理想のオフィス像について考え、コミュニケーションを深めていけるようなツールへと発展させていきたいと考えています」(川口)
OFFICE KITを使うことで、「あなたはこのタイプだったんだ」「私はこうだったよ」といったやりとりが生まれる。それぞれの働き方や価値観の違いに気づき、「自分たちのオフィスをどうしていくべきか」を共に考える。
「私たちは、オフィスは誰かが決めるものではなく、みんなでつくっていくものだと捉えています。『自分たちで理想のオフィスを考える』ための第一歩として、OFFICE KITは大きな可能性を秘めていると考えています。今後は、OFFICE KITだけでなく、オカムラが培ってきた知見や他のサービスとも連携させながら、お客様が自分たちらしい働き方や空間を考えていけるような取り組みをしていきたいです」(川口)

まずは、企業の皆さまご自身に「理想のオフィスとは何か」を考えていただくこと。それこそが、企業の価値観や働き方に本当にフィットするオフィスづくりへの第一歩になると、私たちは信じています。
オカムラはこれからも、長年培ってきた知見やノウハウを活かしながら、お客様の想いに寄り添ったオフィスづくりの実現をサポートしてまいります。
◼︎オカムラ オフィスタイプ無料診断ツール 「OFFICE KIT」
◼︎オカムラ 資料ダウンロードコンテンツ 働き方にあった「オフィスタイプ」を知ろう