~他社とは一線を画す、コダワリ社のユニークな新卒社員研修プログラム~

“GNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)の量産” を経営理念とし、コンサルティングを主軸として、様々な新規事業にチャレンジする コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社の研修の取り組みをご紹介したいと思います。

2025年6月20日から3日間、背景や意図を知らされないまま、筆者である新卒コンサルタントのS.G.と同期のD.I.、そして営業のK.K.が、スタートアップ体験イベント「Startup Weekend 熱海」(以下、SW熱海)へ送り込まれました。3日間でビジネスを形にする超実践の場で、私たちは何を学び、どう成長したのか?3人のクロストークと共にお届けします。


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Startup Weekendとは?

Startup Weekendとは、世界的に開催されている、アイデアを形にするスタートアップ体験イベントとなります。3日間でビジネスアイデアの創出から検証・発表までを実践し、スタートアップの立ち上げプロセスをリアルに体験できるプログラムとなっています。

熱海での開催は2回目であり、当社は1回目から(熱海回の)スポンサーを務め、代表の大谷内も審査員として参加しております。2回目の今回は、参加者13名が4チームに分かれて取り組み、20代社会人を中心に、地元事業者、高専生、大学生など多様なバックグラウンドを持つメンバが参加しました。

開催にあたって、熱海市観光局から「熱海市の地域・観光課題」に関するインプットが行われ、観光スポットや来訪時期・曜日の偏り、リピーター獲得の難しさといった、表面的には見えにくい実態が共有されました。

SW熱海で得たリアルな学び

S.G.(新卒コンサル):私たち新卒メンバは2か月超に渡る新卒研修の一環として参加しました。私は、右も左も分からず「足手まといにならないか」という不安もありましたが、日頃から「失敗を恐れるな」と背中を押されていたので気合い十分でした。お二人はどんな気持ちで臨まれましたか?

D.I.(新卒コンサル):私は不安よりワクワク派です。バックグラウンドの違う参加者と話すことで新たな発見が得られると思い、楽しみが勝ちました。

K.K.(営業メンバ):私は中途入社で営業部に所属しており、日々フリーランスなどで活動されているコンサルタントの方々と向き合いながら、キャリアをご支援しています。これまでの社会人経験の中で、0→1の現場にフルコミットした経験はありませんでした。今回、新卒以外の社員も1名参加できると聞き、20代中心のイベントで早くから起業を志す人たちと交わることにも興味があり、迷わず手を挙げました。ワクワクが大きかったですね。

参加して良かった点

S.G.:改めて振り返ってみて、皆さんが一番良かったと感じた点は何でしたか?スキルやマインドなどでの成長観点でも教えてもらえると嬉しいです。


D.I.:良かった点は、チーム外のメンバや地元の方々と積極的に会話する中で、自分のコミュニケーションスタイルを見直すきっかけになったことです。普段とは異なる環境で、自ら積極的に関係構築していくことの大切さを実感できたのは、非常に貴重な体験でした。

成長したと実感するスキルは、“かみ砕いて説明する力”と“目的思考”です。お目付け役として、複数のコーチがつくのですが、三者三様で、ときに矛盾するアドバイスも飛んできます。そのたびに「私たちの目的は何か?」を常に考えることで軸がブレなくなりました。これはコンサルタントとしてクライアントワークに取り組む際にも往々にして起きるものであると感じております。

K.K.:参加して良かった点は、自ら仮説を立てて顧客の反応を検証し、改善していくという、まさにビジネスの原点を体感できたことです。

成長した点は “一次情報を取りに行くマインド”ですね。机上で議論しても市場にニーズがないことはザラ。私は商店街・ビーチ・公園の3か所での声がけを実施し、延べ56名にヒアリングをしました。集めたデータを基に方向性を見極め、軌道修正するサイクルを実践し、その成果が評価され奨励賞を受賞しました。今後の業務でも活きると確信しています。


S.G.:お二人の視点の違いが面白いですね。私自身についていうと、実際に参加して良かったと感じたのは、普段接点がない熱海の方々や異なる年齢層の方々との対話を通して、自分の視野が広がった点です。熱海というフィールドでリアルな社会課題に触れたことも、都市部での業務とは異なる価値観に気付く貴重な機会でした。

スキル面で一番成長した点は、“質問力” です。「このサービス欲しいですか?」と尋ねれば大抵「欲しい」と返る。そこで「実際リリースしたら月3,000円払いますか?」と踏み込むことで本質的な需要を探れると体感しました。私のグループは、熱海在住の陶芸家さんがいるチームで、お皿のサブスクという一風変わったビジネスモデルを検討しました。インタビューを重ねる中で当初の仮説が次々に覆され、「ユーザーの課題」と「想定する課題」のギャップに気付けました。この経験から、問いの立て方の精度が、ビジネスアイデアの質を大きく左右することを実感しました。また、アプローチを変えて回答を得たことで、ビジネスとして有用な実現可能性をチェックできたと思います。

新卒コンサルタントが挑む!「Startup Weekend 熱海」での新規事業創出トレーニング


苦労した点

S.G.:では逆に、イベント中、最も苦労したポイントは何ですか?

D.I.:“正しく伝える”ことです。社内では (皆さん優秀すぎて)1言えば 10分かってもらえる環境が当たり前になりつつありましたが、バックグラウンドも専門も違う仲間には伝わらない。
同じ日本語でも解釈が噛み合わない。前提をそろえ、共通言語を意識しながら会話する重要性を痛感しました。

K.K.:思い返すと私が一番苦労したのは、チーム内の意見がコロコロ変わった点です。限られた期間の中で審査もあり、プレゼンまでにアウトプットをまとめなければいけない中、ビジネスシーズレベルでの方針変更はクリティカル中のクリティカルです。むろん試行錯誤しながらやっていくものだと思っていますが、軸無く思い付きな変更もあり、そのコントロールは大変でした。最終ピッチ前夜に、大幅な方向転換が提案され、びっくりしました。もしかしたら、一番成長したのはメンタルかもしれません。

S.G.:どちらもチームならではの難しさですね。私自身は “正しく理解する” 側で苦戦しました。食器のビジネスは自分にとって未知の分野だったこともあり、初期のキャッチアップやユーザーニーズの把握が遅れてしまいました。キャッチアップしながら、さらに認識を合わせながらビジネスモデルの検討をしていき、アウトプットする作業には本当に苦労しましたが、その分、成長できました。

イベントの改善点

S.G.:ここで少し方向性を変えて、コンサルファームからの参加者という立場から、敢えてこのイベントの改善案をうかがってみたいと思います。

私は今回の体験を踏まえて、まず事前インプットをもっと強化できないかなと考えました。
例えば、熱海以外の他地域の成功事例や最新データも共有すれば、参加者のアイデア創出がより多角的になると思いました。皆さんはいかがですか?

D.I.:そうですね。複数のコーチから相反するアドバイスがあった際に、どのように判断し行動すべきか悩みました。そうした状況下での考え方についてもインプットがあると良いかなと感じました。

K.K.:たしかにそれはいいですね。私は、全チーム合同の中間発表セッションを挟んで、他チームからのフィードバックをもらう時間があると、軌道修正のタイミングが増えて効果的だと感じました。

D.I.:地元事業者とのマッチングをもっと手厚くするのはどうでしょう?現地に来られない方とはオンライン面談をあらかじめ設定しておけば、調査対象が増えて多様なインサイトが取れそうです。

S.G.:なるほど。これらを取り入れれば次回以降のSW熱海はさらに学びの深い場になりそうですね!

新卒コンサルタントが挑む!「Startup Weekend 熱海」での新規事業創出トレーニング


■まとめ(考察)

なぜコダワリ社は私たち新卒を参加させたのか?

私S.G.は、今回、会社が私たちをこのイベントに送り込んだ意図は、大きく3つあると考えています。

①実践的コンサルスキルの早期習得

SW熱海では、仮説構築から現地調査、検証、軌道修正という一連のプロセスを経験できます。質問力や目的思考、一次情報収集といったコンサルに必須のスキルを短期間で習得することが可能です。

②リアルなビジネス環境でのメンタル強化

頻繁な方針転換や異なるバックグラウンドを持つ人々との協働を通じ、精神的タフさと柔軟性を鍛えられます。


③新卒の意識転換(受動的→主体的)

あえて意図を知らせず送り込むことで、自発的に目的や価値を創出する主体性が育まれます。

実際に私自身も、通常の企業研修と異なり、このような場で、試行錯誤しながら学びや発見を得るとともに、参加目的自体も自ら考えるプロセスを通じて、思考力が磨かれたと感じております。そして、イベント審査員を務めた弊社代表の大谷内のレビューを経て本原稿を書き上げたことで、研修の完了を実感しております。

今回の実践経験を通じて得た気づきやスキルを、今後のコンサルティングや営業活動に着実に活かしていきたいと思います。
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