超絶なギタープレイやテクニック。帰国子女や幼少時からのギターに接してきた環境等々のバックボーン……。
Interview:Rei
主人公が直立不動でそこで佇んでいる、今作はそんなイメージ
──今作は再生ボタンを押して、いきなり骨太でブギーの効いた英語詞の“Territory Blues”が飛び出してきたので驚きました。個人的には、よりアメリカン・トラディショナル・ミュージックとポップさとの融合を目指している印象を今作からはお受けしました。ちなみにご自身的には今作の制作にあたり、当初何か目指していたものがあったのでしょうか?制作当初は特に目指していたものはありませんでした。
Rei - "Connection" (Official Music Video)
──前作のフルアルバムでは各曲でかなり多彩な音楽性を披露しておられました。対して、今作も変わらず様々な音楽性が用いられてはいますが、どこか何か一本太い幹が貫かれている印象がありました。それはあるかもしれません。というのもおっしゃられた通り、前作は自分の中ですごく様々な曲調で楽しい作品として捉えていて。いわゆる曲毎にまるで万華鏡のように色が変わっていく作風だったんです。
Rei - "Territory Blues"(Official Music Video)
──分かります。“Territory Blues”はメッセージ的にもアイデンティティの誇示を感じます。では、これまで以上に今作でReiさんのルーツ的なアメリカンのトラッドミュージック性がより前面に出た印象を受けたのは何故だったんでしょう?正直、ジャンルのことは全く意識していませんでした。これは普段からそうなんですが、自分自身が女性だとか、20代だとか、日本人だとか、帰国子女だとか、そういったもので一括りに決めつけられることにすごく違和感や憤りを感じているんです。なので、音楽もなるべく、ポップスとか、オーセンティックとか、ブルーズとか、それぞれもちろん好きな音楽ではあるんですが、それを自分が曲を作る中で意識するのは、自分の子供たち(各楽曲)にレッテルを貼っているようでイヤだなって。──そうなんですね。人によっては楽曲の聴かれ方ってバラバラじゃないですか。なので、あえて自分はそのようなレッテルを貼らないようにはしました。
前作はそれこそ年頃の女の子のような作品だった
──今のその「美味しく聴かせる」の部分をもう少し詳しく教えて下さい。植物でいうと、種から芽生えた植物が何かによって育て方を変えるようなことですよね。──それはいわゆるインスピレーションやモチーフの類い?そうです。曲を作る時は、毎回同じルーティーンにならないように気をつけています。生まれてくる植物も様々じゃないですか。マーガレットもあればトマトもある。なすびだったり、ハーブやたまねぎだったり。それを、これは可愛いポットに入れた方が良いのか? 畑に植えてあげた方がいいのか? それとも切って部屋に飾ってあげた方がいいのか? とか。──それぞれ最善、最幸なメソッドがあるでしょうから。そうなんです。それによって色々と仕立て方も違ってくる。
納得していなかったり、思ってもいない表現をするぐらいならリリースしない方がいい
──ある意味、それにショックを受け、今作に至った面もあるわけですね。もちろん中には良い評価もありました。だけど、「演じているんじゃないか?」的なネガティブな意見もあって。自分としては全くそんなことはなかったんですが。そこで様々な学びがあったんです。──そうだったんですね。それを踏まえて今作では、「自分はいつでも本気だよ」というのを表現したいところはありました。いつも音楽に対しては真摯であるし、納得していないことや周りに言いくるめられて思ってもいない表現をするぐらいだったら、いっそリリースなんてしない方がいいとさえ思っています。今のところ、それを直接歌として書くことはないけど、自分のアティチュード的には、キチンと反骨精神も持っているし、本気でしかやらないから。……というのは今作で表したかったことの1つではありました。──その本気度はすごく伝わってきます。あと、ある種の挑戦感とでも言うか、そんなものも察しました。今作においては、新しいことに挑戦したいと思っている方や、挑戦したいんだけども、勇気が出ない方への後押しをしたいというのはありました。自分自身もこの作品を作ることで勇気を出したい面もあったんです。なので、あまり臆せず色々な新しいことに挑戦はしています。あとは、自分の音楽のキーワードの中にミクスチャーというのがあって。──ミクスチャーですか。そうです。今、音楽に限らずファッションなどでも、ハイ&ローのミクスチャーが流行っていたりして、けっこう世の中的にタイムリーなのかな? って。なので、自分なりの配合でミクスチャーしたものを聴いてもらって、何か新鮮さを味わってもらえたらなと思っています。街や人間観察をして、音だけではなく時代の空気を感じて、それを封入していくみたいな。それも私にとってはある意味ミクスチャーではありました。──ちなみに“DANCE DANCE”でのクラップのようだがクラップじゃなさそうな音が気になりました。あれは?タップダンスですね。そこにギターと歌というミニマルな編成で挑みました。──ヴィンテージ性とは対照的にDAWで作成したかのような楽曲もありますね。“Tourbillon”で印象的なアプローチですね。このギターはエレクトリックギターのクリーントーンの丸い音で、あとはシンセと打ち込みのドラムで成立させたインスト曲だったりします。──対して“Bon Appetite”は賑やかな編成で。その辺りの楽器編成の幅の広さにおいても、みなさんの日常の色々なシーンにフィットしてくれるんじゃないかな。夜に聴きたい曲や、「忙しい時にはこの曲だな」とか、必ずみなさんのその時々にピッタリな曲があると思うんです。
個性が際立った楽曲ばかりなので、気分によって好みの曲が変わったり、編成の幅の広さも変わる
──ここからはアートワークの話に移りたいのですが、最新のアーティスト写真は衣装もかなりモコモコしてますね(笑)。ボリューム感がありそうでしょ(笑)? これ、こう見えても服なんです。ガウンタイプで、一点物の素敵なお洋服でした。──インパクトはあるけどキチンとポップなのが、これまでの一連のアートワークと共通していますね。そうなんです。まずは覚えてもらうこと、その辺りは今でも非常に大事にしています。インパクトや驚き、それらはこれからも惜しみなく提供していきたいです。──Reiさん的に今作『SEVEN』の聴きどころを教えて下さい。週7で7色、毎日聴ける。他には、それぞれの個性が際立った楽曲ばかりなので、気分によって好みの曲が変わったり。あとは編成の幅の広さかな。──12月1日(日)からはアコースティックギターによる弾き語りソロツアー<Rei Acoustic Tour “Mahogany Girl” 2019-2020>と、来年初頭からはバンドを従えてと、それぞれ全国ツアーも控えています。ライブはCDで表現したものを一度解体して再構築できる。そんな楽しみが演者としてはありますし、お客さんとしてもCDに入っていた楽曲たちをライブで聴く。そんな更なる高揚感があるでしょう。今回のツアーではそれぞれ今作に収録している曲以外にも沢山演奏する予定です。その時には、みなさんにとっても耳馴染みのある曲たちが今回どのようなアプローチでくるのか? 的な部分も楽しみにしてもらいたいです。対して、弾き語りの方は、逆にどれだけみなさんの耳の想像力を掻き立てられるかが自分の中にテーマとしてあります。それらを用いて、みなさんを躍らせ、歌わせ、手を叩かせる。それらを大事にしながら演奏したいと考えています。──なんでも<Rei Acoustic Tour “Mahogany Girl” 2019-2020>の方はお客さんからの当日やって欲しい曲のリクエストを現在募っているそうですが。そうなんです。お客さんからのリクエストには答えますが、「Reiが弾いたらこの曲はこうなるよ」と、そんな光景を楽しんでいただけたらなと思っています。
"my mama"/"BLACK BANANA"|Rei
Photo by Madoka ShibazakiText by 池田スカオ
Rei卓越したギタープレイとボーカルをもつ、シンガー・ソングライター/ギタリスト。兵庫県伊丹市生。幼少期をNYで過ごし、4歳よりクラシックギターをはじめ、5歳でブルーズに出会い、ジャンルを超えた独自の音楽を作り始める。2015年2月、長岡亮介(ペトロールズ)を共同プロデュースに迎え、1st Mini Album『BLU』をリリース。FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONIC、RISING SUN ROCK FESTIVAL、SXSW Music Festival、JAVA JAZZ Festival、Les Eurockeennesなどの国内外のフェスに多数出演。2017年秋、日本人ミュージシャンでは初となる「TED NYC」でライブパフォーマンスを行った。2018年11月7日 1st Album『REI』をリリースし、2019年2月より全国10箇所でRei Release Tour “Rei of Light”を開催。2019年11月13日Mini Album『SEVEN』をリリース。同年12/1(日)- 1/26(日)『Rei Release Tour 2019-2020 “Mahogany Girl”』を開催予定。HP|Twitter|Instagram|Facebook
INFORMATION
Limited Edition
Standard Edition
Mini Album『SEVEN』
2019.11.13(水)ReiReiny Records
Limited Edition CD+DVD 紙ジャケット仕様UCCJ-9220¥3,200(+tax)
Standard Edition CD 紙ジャケット仕様UCCJ-2173¥2,200(+tax)
詳細はこちらRei Acoustic Tour “Mahogany Girl” 2019-2020
2019.12.01(日)福島・LAST WALTZ2019.12.07(土)京都・紫明会館2019.12.15(日)北海道・札幌市時計台ホール2019.12.21(土)石川・もっきりや2019.12.22(日)富山・村門2020.01.13(月・祝)東京・雷5656会館(1st & 2nd)2020.01.18(土)長崎・旧香港上海銀行長崎支店記念館2020.01.19(日)熊本・CIB2020.01.24(金)広島・Live Juke2020.01.26(日)神戸・クラブ月世界TICKET:全公演SOLD OUT
詳細はこちらRei Release Tour 2020 “7th Note”
2020.02.22(土)仙台|darwin2020.02.24(月)札幌|cube garden2020.03.01(日)福岡|DRUM Be-12020.03.13(金)名古屋|THE BOTTOM LINE2020.03.19(木)大阪|BIGCAT2020.03.27(金)東京|Akasaka BLITZTickets ¥4,000(+1Drink/整理番号付)
プレイガイド最速先行11月13日(水)12:00~11月18日(月)23:59詳細はこちらRei OFFICIAL WEBSITE
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