終盤戦を迎えつつある明治安田Jリーグ。J3では、J2から降格したばかりのザスパ群馬が18位と苦しんでいる。
昨季はJ2で序盤から下位に低迷し、最下位で2度目のJ3降格となった群馬。1年でのJ2復帰を目指していたが、昨季まで北海道コンサドーレ札幌でコーチを務めていた沖田優監督のもと、攻撃サッカーの構築がうまくいっていない。
得点は28節終了時点で「37」とリーグ平均(34.75)を上回っているものの、失点が「45」。24節の栃木SC戦から5連敗を喫しており、19位のAC長野パルセイロと勝点1差の18位まで順位を下げてしまった。
こうした状況を受けて、クラブは21日、「ザスパ群馬を日頃よりご声援いただいている皆さまへ」と題したリリースを発信。以下のように綴った。
「ザスパ群馬を日頃よりご声援いただいている皆さまへ
平素よりザスパ群馬にご声援を賜り、誠にありがとうございます。
昨日のガイナーレ鳥取戦では勝利を収めることができず、5連敗となりました。現在の成績は6勝9分13敗、順位も18位(第28節時点)と、大変厳しい状況が続いております。熱い声援を送り続けてくださるファン・サポーターの皆さま、パートナーの皆さま、行政をはじめとするザスパ群馬を支えてくださるすべての方々に、思うような結果をご報告できないことを心よりお詫び申し上げます。
しかしながら、シーズンはまだ終わっておりません。リーグ戦残り10試合、目の前の一戦一戦に全力で挑み、勝ち点を積み重ねることでJ3残留の必達はもとより、可能性がある限りプレーオフ進出、そしてJ2昇格を諦めることなく闘い抜くという強い意志を、クラブとして貫きます。
大切なのは、この現状を「限界」と受け止めるのではなく、「ここから反発する機会」と捉えることだと考えております。私たちはその覚悟を持ち、最後まで全力で闘い抜きます。チームは日々のトレーニングの中で改善を重ね、勝利に向けた準備を怠ることなく続けています。確かに課題はありますが、それを言い訳とせず、修正の糧としてチームの成長につなげてまいります。監督・スタッフ・クラブを含め、全員が「勝つために何ができるか」を突き詰め、一戦必勝の姿勢を徹底してまいります。
そして何より、私たちには共に戦ってくださるサポーターの存在があります。どんなに苦しい状況であっても、スタジアムでの声援はもちろん、SNSでの励ましやGCCザスパークで交わす一言一言が、選手たちに大きな力を与えてくれています。ファン・サポーターとクラブが心を一つにできている限り、どんな困難も乗り越えられると信じています。
残された10試合は、クラブにとって単なる勝敗以上の意味を持ちます。ファン・サポーターとクラブが共に歩み、未来を切り開くための重要な時間です。この期間を「苦しい時期」ではなく、「反転攻勢の始まり」「より強くなるための試練」と位置づけ、全力で挑戦を続けます。
ザスパ群馬が目指すのは、群馬の誇りとなるクラブであり、子どもたちが夢を託せるクラブであることです。
最後に、どのような状況にあっても支えてくださるすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。クラブ一同、最後まで可能性を信じ、全員で走り切ります。どうか、共に戦ってください。皆さまの声援こそが、ザスパ群馬を再び前へと押し出す原動力となります。
ザスパ群馬
代表取締役社長 細貝萌」
今季からザスパ群馬で社長兼GMを務めるのは、現役時代に日本代表として活躍した地元出身の細貝萌氏。
39歳でクラブの舵取りを担うことになった細貝氏は、苦境であることを認識しつつ、「勝ち点を積み重ねることでJ3残留の必達はもとより、可能性がある限りプレーオフ進出、そしてJ2昇格を諦めることなく闘い抜くという強い意志を、クラブとして貫きます」と、力強く表明した。
ただ、J2昇格プレーオフ圏内である6位の奈良クラブとの勝点差は、残り10試合で17ポイント。現実的にはJ3残留が目標となるはずだ。
「クラブにとって単なる勝敗以上の意味を持つ」という残り10試合で、どのような反転攻勢を見せられるのか。ザスパ群馬は今週末、27日(土)にSC相模原とホームの正田醤油スタジアム群馬で対戦する。