妻と子供4人を残して急死する悲劇…怒るイタリアチームが前代未聞の『真っ白ユニフォーム』を着た理由
妻と子供4人を残して急死する悲劇…怒るイタリアチームが前代未聞の『真っ白ユニフォーム』を着た理由

日本代表GK鈴木彩艶もプレーするイタリアのセリエA。

レッチェが27日の第34節アタランタ戦で着用した異例のユニフォームが話題になっている。

黄色と赤がチームカラーのレッチェだが、この日はエンブレムもスポンサーロゴも一切ない真っ白なユニフォームを着用。

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胸には「NESSUN VALORE NESSUN COLORE(NO VALUE、NO COLOR)」という文字が刻まれ、選手たちの腕には喪章も巻かれていた

妻と子供4人を残して急死する悲劇…怒るイタリアチームが前代未聞の『真っ白ユニフォーム』を着た理由
妻と子供4人を残して急死する悲劇…怒るイタリアチームが前代未聞の『真っ白ユニフォーム』を着た理由

レッチェはこのユニフォームを着た理由をこう説明している。

「我らがグラツィアーノ・フィオリータの死からすぐにアタランタとの試合をするというリーグの決定は、遺族、クラブ、そしてレッチェサポーターを襲った深い悲しみに対して、甚だしく無礼であると考える。

サッカーを知る者にとって、『チームグループ』とは、スポットライトから離れた、目立たない存在が模範を示すことができる場の象徴だ。これは、レッチェで26年間活躍した我らがグラツィアーノにも当てはまる。

彼はチーム帯同中に亡くなった。妻と4人の子供から遠く離れた場所でいまも帰途の許可を待っている。

この試合は本来今日行われるべきではなかったが、延期の試みはすべて冷笑的に却下された。スポーツ大臣は、最後まで試合をより適切な日に開催するように尽力してくれたが、実現しなかった。

最後まで変更を願っていたが叶わなかった。ピッチに姿を見せないこと、あるいはプリマヴェーラ(ユースチーム)を試合に出場させることでは、グラツィアーノの記憶は尊重されない。

重大な不正に対して、あからさまなルール違反をすることは許されない。

我々は『踏みにじられた価値観』で試合をプレーするが、それは我々を代表するものではなく、色もエンブレムもロゴもない、無名の白いユニフォームを着て行うことになる。グラツィアーノが故郷に戻り、国民から当然の敬意を表される時、我々は再び自分たちのユニフォームを着ることになるだろう」

レッチェで20年以上働いていた47歳の理学療法士のフィオリータさんは4月24日に急死。死因は心臓発作と伝えられている。

その後、リーグは25日に予定されていた試合を27日に延期した。ただ、悲劇に見舞われたレッチェは、試合を戦える状態ではないとして、29日以降にしてほしいと要請していたが、それが拒否されたために、抗議として真っ白なユニフォームを着用。

試合前にはフィオリータさんの死を悼む黙祷が捧げられ、アタランタファンからも拍手が起きたが、その後、セリエAアンセムが流れた際には両チームのファンからブーイングが浴びせられたという(試合は1-1の引き分け)。

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