2022年のワールドカップで36年ぶり3度目の優勝を果たしたアルゼンチン。
『Perfil.com』などよれば、そのアルゼンチンのチャコ州で35歳のアマチュア選手が試合中に倒れて死亡する悲劇があったそう。
亡くなったのは、ドン・オリオーネというチームに所属していたエンソ・ピタウさん。
試合中に心停止を起こして倒れると、現場に救急車がなかったため、自家用車で搬送されたものの、亡くなった。
この悲劇は法機関にまで及ぶ抗議の波を引き起こし、地元チャコ議会に2つの法案が提出されたという。
ピタウさんの姉は「涙を法律に変える」、「単なるニュース記事に終わらないように」と訴えおり、遺族は「全試合での救急車の配備義務」と「アスリート向けのメンタル・医療サポートチームの設置」を求めている。
ピタウさんの母親は、息子に対する過去の告訴に関する司法制度の対応にも疑問を呈したそう。
ジェンダーに基づく暴力と性的虐待事件は元パートナーによって「捏造」されたものであり、これらの告発によって娘との接触が妨げられ、精神状態に影響を及ぼしたと主張したとのこと。
母親は「息子のために望むことは二つだけ。息子の名を冠した法律と、彼が倒れたグラウンドに救急車を用意すること」と語り、救急車にエンソ・ピタウの名を冠するよう求めた。
既に下院に提出されている最初の法案は、地元でサッカー、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、ホッケーなどをプレーするアマチュア選手のための一時給付保険の創設を提案するもの。練習中や試合中に負傷した場合の基本的な医療の保証を目的としたものだそう。
また、一家の支援する財団が提出した「エンソ法」法案は、チャコのすべてのスポーツクラブが会員に対して、無料または低料金の法的支援と心理的支援を提供することを提案しているという。