古巣対決を制した水戸ホーリーホックMF加藤千尋「昇格が近づいてくると思う」水戸は勝点51で首位独走
古巣対決を制した水戸ホーリーホックMF加藤千尋「昇格が近づいてくると思う」水戸は勝点51で首位独走

[J2第25節水戸ホーリーホック2-1 モンテディオ山形、8月10日、NDソフトスタジアム山形]

水戸は2試合ぶりの勝利を挙げて、勝点51で首位独走を維持。

試合開始早々の前半5分にエースFW渡邉新太が先制点を挙げ、同20分にDF大崎航詩が決勝点を挙げて逃げ切った。

この日古巣対決となったMF加藤千尋は右ウィングで先発し、推進力を生かした攻撃で山形に襲い掛かった。

2カ月ぶりの山形帰還

6月10日に山形から水戸へ完全移籍した加藤は、この日の古巣対決で持ち味を存分に見せた。

攻めれば推進力あふれるスプリントでサイドから圧力をかけ、守れば粘り強いチェイシングでピンチの芽を絶った。

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古巣対決に「2カ月前ぐらいまでここでやっていたので、なんか不思議な感覚でした。(相手の)特徴も分かっていたし、本当にマッチアップを楽しみにしていました」と笑みをこぼした。

加藤は水戸加入後のリーグ戦全試合に出場し、直近4試合はスタメンに名を連ねた。前節ロアッソ熊本戦(1●2)では水戸での初得点をマークするなど、主力として定着している。

加入後すぐにフィットした理由を「やることが明確ですし、自分の中でもやることは整理されていたので、すんなり入れてすごく良かった」と明かし、「もうちょっと結果というところで示していかないといけない」と、さらなる飛躍を見据えていた。

水戸は主力サイドアタッカーのMF津久井匠海をRB大宮アルディージャに完全移籍で引き抜かれてしまったが、加藤の補強が功を奏して快進撃は続いている。

前節の黒星から立ち直る

前節熊本戦で16試合ぶりに黒星を喫してしまった。第13節から第20節までリーグ戦7連勝を達成するなど、破竹の勢いで上位を駆け上がった水戸の勢いが切れるのではないかと危惧されていた。

ただ勝者のメンタリティが根付き始めたイレブンにとって、その危惧は杞憂(きゆう)だった。

「前節逆転負けで、本当に悔しい負け方をしていた中で、チーム全員が山形戦にかける思いは、どの試合よりも強い思いがあったと思う。

チーム一丸となって、変わっていったので良かったです」と、黒星が団結を強めるきっかけになった。

そして迎えた山形戦でシーズンダブルを達成。敗戦を引きずらず、勝点を51にして首位独走態勢に入った。

古巣対決を制した水戸ホーリーホックMF加藤千尋「昇格が近づいてくると思う」水戸は勝点51で首位独走
古巣対決を制した水戸ホーリーホックMF加藤千尋「昇格が近づいてくると思う」水戸は勝点51で首位独走
豪雨の中で開催された古巣戦で存在感を見せた加藤

「チームとしても、個人としても(勝って)ホッとしました。 ここから本当に厳しい戦いが続くと思うので、自分たちのスタイルをぶらさずやっていけば、昇格が近づいてくると思う」と力強かった。

チーム創設からこれまで1度もJ1昇格を経験していないチームが、悲願の目標を達成しつつある。この勢いを切らさずにゴールテープを首位独走で切りたい。

「この後の試合が大事になってくる。連敗しただけで順位が落ちてしまう。きょうみたいなアディショナルタイムでの失点をなくしていかないと上にはいけない。そこはチームとして反省すべきところなので、修正してやっていきたいと思います」とかぶとの緒を締めた。

クラブ初のJ1昇格まで確実に近づいている。

2位ジェフユナイテッド千葉との勝点差は6と突き放しているが、群雄割拠のJ2は一筋縄ではいかないだろう。それでも勝者のメンタリティが根付きつつある水戸イレブンは、残る強敵を跳ねのけて悲願のJ1昇格を果たしてみせる。

(取材・文 高橋アオ)

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