アーセナルはイングランドサッカー界において、最も成功を収め、多くのファンに支えられているクラブの一つだ。しかし、そんなビッグクラブであっても、主力選手が新たな新天地を求めて旅立つこともあるものだ。
今回は『Football Transfers』の記事から、「アーセナルの歴史の中で最も高額で売却された選手」のトップ5を特集する。
5位:エミール・スミス・ロウ
移籍先:フラム(2024年)
移籍金:3180万ユーロ(現在のレートでおよそ58億円)
かつてはアーセナルの「ヘイル・エンド(下部組織)」が生んだ最高傑作の一人と目されていたエミール・スミス・ロウ。2021-22シーズンには攻撃の核として輝きを放ったが、その後の怪我によって長いリハビリ生活を余儀なくされる。
復帰後も定位置を取り戻すことはできず、2シーズンをほぼベンチで過ごした後、2024年夏に退団。フラムは3180万ユーロという大金を投じたが、彼は加入1年目から見事な復活を遂げており、その金額が妥当であったことを証明している。
4位タイ:セスク・ファブレガス
移籍先:バルセロナ(2011年)
移籍金:3400万ユーロ(現在のレートでおよそ62億円)
10代で加入し、アーセナルで世界最高のMFの一人へと成長を遂げたセスク。しかし、彼には常に「いつかユース時代を過ごしたバルセロナに帰ってしまうのではないか」という不安がつきまとっていた。そして2011年にそれは現実となった。
キャプテンとしてファンから愛された男のカンプ・ノウ帰還は大きな衝撃を与えた。バルセロナでは1年目に国王杯、2年目にラ・リーガ制覇に貢献。ただ、ストライカー起用もされるなどポジションを確保したとは言えない状況もあり、その後2014年にイングランドへ復帰。活躍の場をライバルのチェルシーに選んだことで、アーセナルファンとの溝はさらに深まることになった。
4位:アレクシス・サンチェス
移籍先:マンチェスター・ユナイテッド(2018年)
移籍金:3400万ユーロ(現在のレートでおよそ62億円)
2015年と2016年のFAカップ制覇に大きく貢献したが、プレミアリーグのタイトルには手が届かなかった。そして2018年、彼はその夢を叶えるためにマンチェスター・ユナイテッドへと向かった。その際にはヘンリフ・ムヒタリャンとのトレードで、実質はおよそ3400万ユーロの取引になった。
しかし、ユナイテッドでの彼はあきらかに全盛期を過ぎており、リーグ戦32試合でわずか3ゴールと大苦戦。アーセナル時代に166試合で80ゴール45アシストという驚異的な数字を残していただけに、その落差はあまりにも激しかった。
3位:ニコラ・アネルカ
移籍先:レアル・マドリー(1999年)
移籍金:3500万ユーロ(現在のレートでおよそ64億円)
アーセナルのトップチームに彗星のごとく現れたアネルカは、まさに「怪物」だった。1997-98シーズンの国内2冠(プレミアリーグとFAカップ)において、彼は不可欠な存在だった。
ピッチ上での活躍の一方で、その気難しい性格から「ル・スルク(不機嫌な男)」という不名誉なあだ名もついた。1999年にレアル・マドリーから巨額のオファーが届くと、アーセナルは渋々ながらも売却を決断。ただ後年にアネルカ本人は「アーセナルを去るべきではなかった」と後悔の念を口にしている。
2位:アレックス・オックスレイド=チェンバレン
(C)Getty Images
移籍先:リヴァプール(2017年)
移籍金:3800万ユーロ(現在のレートでおよそ69億円)
サウサンプトンから加入した当初、彼はイングランドで最も前途有望な若手ウイングの一人だった。そしてエミレーツ・スタジアムでの7シーズンで198試合に出場し、3度のFAカップ優勝を経験している。
2017年、チェルシーも関心を示す中で彼は3800万ユーロでリヴァプールへの移籍を選択した。ユルゲン・クロップの下で貴重な戦力となった時期もあったが、それからは度重なる怪我が彼のキャリアを阻み、2023年にフリーでアンフィールドを去ることになった。
1位:マルク・オフェルマルス
移籍先:バルセロナ(2000年)
移籍金:4000万ユーロ(現在のレートでおよそ73億円)
アーセナルに在籍したのはわずか3年間だったが、その圧倒的な快速と切れ味あるドリブルを武器に1997-98シーズンの2冠達成に大きく貢献した。
しかし、2000年にバルセロナが獲得に乗り出すと、その提示価格の前にアーセナルには引き止める術がなかった。また、バルサへの移籍を熱望する彼の意志は固く、同僚のエマニュエル・プティと共にカタルーニャへと旅立った。
このときバルサが支払った4000万ユーロは、今もなおアーセナルの史上最高売却額として記録されている。
※選出基準は、各選手の実績に基づきながら筆者またはメディアの主観的判断も含んでおります。
筆者:石井彰(編集部)

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