プレシーズンツアーで日本と韓国を訪れた世界的強豪のバルセロナ。
7月27日のヴィッセル神戸戦は、プロモーターの契約違反(日本のヤスダグループと報じられている)によって中止の危機に陥ったが、神戸の会長でもある楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長の尽力で無事開催された。
その後、バルセロナは、7月31日にFCソウル、8月4日に大邱FCと対戦。
バルセロナの今アジアツアーを担当した総合プロモーターである韓国のD-Drive社で、クラブは日韓での3試合の対価として1500万ユーロ(25.7億円)を得る契約だったとされている。
ただ、『SPORT』によれば、バルセロナは、D-Driveとの関係を終わらせることにしたという。
「バルセロナは、プレシーズンツアーでアメリカを6年間訪れていたが、今夏にアジアツアーへ復帰した。北米でのFIFAクラブワールドカップ開催に伴う制約を受け、他の市場を開拓することを選択。今回のツアー運営を韓国企業D-Drive社に委託したが、計画通りには進まなかった。
2023年にアンドレス・イニエスタの引退試合としてヴィッセル神戸と対戦した際、バルセロナはイベントの運営をイニエスタが所有するNSNに委託していた。
今夏、クラブは方針を変更し、D-Drive社と提携。ソウルに拠点を置く企業は、(女子選手へのキス騒動を起こした)ルイス・ルビアレス会長時代にスペインサッカー連盟とすでに提携関係にあった。
しかし、問題はハンジ・フリック監督が率いるチームが日本に渡航する数時間前に始まった。7月23日午後、バルセロナはプロモーターによる『重大な契約違反』を理由に、ヴィッセル神戸との試合を中止すると発表。
その後、D-Drive社が紛争解決に動き、最終的に楽天とヴィッセル神戸の三木谷浩史社長が、試合のメインスポンサーであるヤスダグループの未払い金を負担することになった。
当初、フリック監督は、25日(金)に2部練習、26日(土)に1回の練習を予定していた。しかし、移動の遅れにより、バルセロナは神戸戦前に日本で1回しか練習を行うことができなかった。
さらに、クラブ首脳陣とバルサのコーチングスタッフの間では、一定の不満が広がっている。特にフリック監督は、スケジュール変更後のツアー運営に不満を抱いている。
また、チームが練習を強いられた高温多湿の環境についても言及する価値がある。そして、バルセロナは帰国便に乗るために大邱からソウルまで陸路で戻らなければならなかったため、フリック監督は帰路の対応にも不満を抱いていた。
日本と韓国の地元バルセロナファンから好意的な反応を得ているにもかかわらず、バルセロナはフリック体制2年目の初戦が中止寸前まで追い込まれた件を受けて、韓国企業D-Driveとの提携を今後行わないことを決定した。
しかし、来シーズン末にアメリカでFIFAワールドカップが開催されることから、来夏にアジアへ戻ってくる可能性は否定していない」
フリック監督は、ツアーでの練習環境や移動に不満だったようだ。
そのために、クラブは韓国プロモーターとの関係を解消したというが、来夏にふたたびアジアツアーを行う可能性は残っているという。