
[J2第24節、ジェフユナイテッド千葉 2-2 いわきFC、8月2日、千葉・フクダ電子アリーナ]
2位千葉は14位いわきに引き分け、今季3度目のリーグ戦2連勝とはならなかった。
この日、6月11日に行われた天皇杯2回戦以来の復帰となったMF日高大(まさる)は、後半26分に左サイドバックの位置で途中出場し、同30分には鮮やかな直接フリーキックを沈めた。
復帰戦で沈めた恩返しフリーキック弾
復帰戦となった男が、出場僅か4分で針の穴を通すような直接フリーキック弾を沈めた。
千葉は1-1の状況で相手ゴールから約20メートル離れた位置でフリーキックのチャンスを獲得。シュートコースは限られていたが、プレースキッカーを務めた日高にとっては射程圏内だった。
「イメージ通りのキックでした。エドゥ(MFエドゥアルド)が蹴りたそうでしたけど、なぜかすごく自信があったので、お願いをして蹴らせてもらいました。(直接)狙うとしたらあそこしかない中で、あんなに上手くいくと思わなかったです」と、スタジアムが背番号67のゴラッソに沸いた。
フリーキックを決めた日高(左)今季ここまでリーグ戦14試合に出場していた日高だったが、6月11日に行われた天皇杯2回戦のJ2ロアッソ熊本戦以降は負傷の影響もあり、公式戦のピッチに立てていなかった。
また、この日は2022年まで在籍した古巣いわきとの対戦でもあり、特別な思いで試合に臨んだ。
「対いわきは意識せざるを得ない相手だし、復帰戦という意味でも意識せざるを得ない状況でした。楽しみながら出場する機会を待っていたので、ピッチに入ったときには、思い切ってやることだけにフォーカスしていました」と恩返し弾につなげた。

日高の勝ち越し弾により2-1でリードした千葉だったが、後半38分にセットプレーからいわきDF深港壮一郎(ふかみなと・そういちろう)に頭で同点弾を決められた。
流れがアウェイチームに傾く中、背番号67は主導権を取り戻そうと奮闘。
試合はそのまま2-2で終了し、リーグ戦2連勝とはならなかった。

試合後、日高は「自分のいいところと、周りの選手のいいところを結び付けようと思っていましたが、自分の長所はあまり出せなかった。途中からの出場でも自分の良さを出せるように、頑張らないといけない」と悔しさをにじませた。
次節は今月9日の午後7時からNACK5スタジアム大宮で4位のRB大宮アルディージャと対戦する。
復帰した日高は「後半は思い切って各々が良さを出し、自分たちのペースにしようという気持ちが出ていた。それを毎試合、最初から出せるようになれば、流れを取り戻せる」と、首位奪還を目指す千葉の復活を誓った。
(取材・文 浅野凜太郎、写真 縄手猟)