
U23アジアカップ開幕戦で日本代表と対戦したことで話題になった中国。サッカーではなかなか世界的な舞台に足を踏み入れられずにいるが、そのポテンシャルはいつも評価されている。
今回はそのサッカーの歴史の中から「歴代最高の中国人選手」を6名選んでみた。
孫継海(ソン・チーハイ)
生年月日:1977年9月30日
所属したクラブ:大連万達、クリスタル・パレス、マンチェスター・シティ、シェフィールド・ユナイテッド、貴州人和など
中国代表成績:80試合1ゴール
イングランドで長くプレーした唯一の中国人選手。1998年にクリスタル・パレスへと移籍した際には馴染めずに帰国したが、2002年に再び2部のマンチェスター・シティへと加入した。
それから6シーズン半もの間クラブの重要な選手として存在感を示し、怪我をするまではプレミアリーグでも安定したプレーを見せるサイドバックとして高く評価されていた。
中国代表では負傷や退場、出場停止なども多かったため80試合のプレーに留まっているが、国内と国外の両方で力を発揮した数少ない中国人選手の1人だ。
引退後はエンターテインメントやスポーツテクノロジー、データビジネスの会社を立ち上げ、ビジネスマンとして成功している。
賈秀全(ジャ・シュチュアン)

生年月日:1963年11月9日
所属したクラブ:八一隊、パルチザン・ベオグラード、ロイヤル・ポリス、ガンバ大阪
中国代表成績:136試合14ゴール
人民解放軍のサッカークラブである八一隊で長くプレーし、中国代表でも長く中心的な存在として君臨し続けた伝説的なセンターバック。Jリーグでは「か・しゅうぜん」という訓読みの名前で知られた。
1988年には中国人として初めてとなるヨーロッパでの大会出場を成し遂げ、パルチザン・ベオグラードでUEFAカップを戦った。
それからマレーシアのロイヤル・ポリスを経て1992年には創設間もないJリーグのガンバ大阪へと移籍し、その激しいプレーで初期のクラブを2年間支えた。
范志毅(ファン・ツィーイー)

生年月日: 1969年11月6日
所属したクラブ:上海申花、クリスタル・パレス、ダンディーFC、カーディフ・シティなど
中国代表成績:109試合17ゴール
上海申花で若くしてブレイクしたディフェンダー。1998年に孫継海とともにイングランドへと渡り、クリスタル・パレスで3シーズンに渡ってプレーし、2001年にはクラブの年間最優秀選手にも選ばれている。
その後2002年に給与問題でクラブと揉めたことからダンディーFCへと移籍し、さらに日韓ワールドカップを終えたあとはカーディフ・シティへと加入。ただイングランド2部であまり出番が得られず、2003年にヨーロッパでのキャリアを終えた。
その後は香港リーグのピュラー・レンジャーズでもプレーしながら指導者ライセンスを取得し、2006年に現役引退。
現在はテレビドラマや映画、バラエティ番組にも出演しているそう。
鄭智(チェン・チー)

生年月日: 1980年8月20日
所属したクラブ:深圳建力宝、山東魯能、チャールトン・アスレティック、セルティック、広州恒大など
中国代表成績:108試合15ゴール
黄金期の広州恒大を支えた名ミッドフィルダー。もともとはディフェンダーであったが、深圳時代にボランチへとコンバートされ、山東魯能時代にはより攻撃的な役割を任されてゴールを量産する活躍も見せた。
2006年にはプレミアリーグのチャールトン・アスレティックへと移籍し、2007-08シーズンには2部でレギュラーとして活躍。2009-10シーズンはセルティックでもプレーし、その後広州恒大へと加入した。
それから10シーズンに渡って中心選手として活躍を見せ、キャプテンとして300試合以上に出場。中国超級リーグ8回の優勝を果たし、AFCチャンピオンズリーグも2回制覇した。
郝海東(ハオ・ハイドン)

生年月日:1970年5月9日
所属したクラブ:八一振邦、大連実徳、シェフィールド・ユナイテッド
中国代表成績:115試合41ゴール
中国代表115試合出場41ゴールという記録を持っている伝説的なストライカー。2003年にはAFCチャンピオンズリーグの得点王にも輝いている。
1997年、1998年、そして2001年には中国リーグで得点王となり、リーグ優勝も6回経験。「中国のアラン・シアラー」とも呼ばれる存在であった。その一方で1994年には乱闘事件で半年間、1998年には審判への唾吐きで1年間の出場停止処分を受けるなどトラブルも多かった。
2005年にはキャリアの最後にイングランドへと移籍。
なお、2020年には動画で天安門事件やコロナ対応について中国共産党を批判するコメントを発表し、その後政府からSNSなどあらゆる存在を抹消された。現在はスペイン在住。
武磊(ウー・レイ)

生年月日:1991年11月19日
所属したクラブ:上海海港、エスパニョール
中国代表成績:94試合32ゴール
中国で近年唯一ヨーロッパで実績を残した選手といえるウー・レイ。上海上港(当時)のアカデミーからトップに昇格し、14歳で中国リーグにデビューして最年少記録を更新した。
さらに6年連続となる中国超級リーグでの自国人得点王を達成し、2019年にはラ・リーガのエスパニョールへと移籍。バジャドリー戦では中国人として初のリーガ得点者となるゴールを決めた。
ヨーロッパでは3年半プレーしたのみで大きな活躍はできなかったが、2022年に復帰した上海上港では再びエースとして君臨している。