オランダ保健評議会は今月5日、スポーツにおける繰り返しの頭部への衝撃が、認知症やその他の神経変性疾患のリスクを大幅に高めるとして、サッカーや格闘技など頭部接触が多いスポーツの競技ルールの変更や軽量ボールの導入を推奨した。

同国メディア『DE SPELD』は6日の特集で『ヘディングをより安全にするための5つの対策』をまとめた。

対策1 スチール製ヘアバンド

ヘアバンドの中に薄い金属製のプレートを埋め込めば頭部への衝撃を軽減できる。オランダ代表FWメンフィス・デパイがユーロ(欧州選手権)でヘアバンドを巻いて試合に出場していたことから、ファッション的に受け入れやすいだろうと同メディアは推測している。しかしこの場合、ヘディングの競り合い(頭と頭の接触)がより危険になるため、接触を回避するルールの強化が必要だ。

対策2 スポンジ製ボールの導入

サッカーボールに比べてスポンジ製ボールは頭に当たっても痛くない。プロサッカー選手が蹴るボールは時速80kmから100kmの速度で飛ぶが、スポンジ製ボールであれば同じ速度で当たった場合でも、頭部への衝撃はほとんどないという。非常に軽量のため、「これは本当にサッカーボールか?」という問題はあるが、認知症リスクを考慮した最も理想的な代替案だ。

対策3 ボールは地面に

ヘディングのほとんどは空中で発生する。つまり「ボールを常に地面で保つ」というルール変更をすれば、ヘディングをする」機会が減少することになる。

同メディアは「このルールを守らせるために、競歩競技から特別審判を招いて、空中に浮いたボールを監視させます。違反者にはレッドカードを提示して即退場にしましょう」と皮肉まじりに書いている。

対策4 ポータブルMRI装置の導入

「携帯型MRI装置」があれば、万が一頭部に衝撃が加わった場合でも、その場で脳に異常があるかを確認できる。脳に過度な衝撃がない場合はプレー続行が可能。

衝撃が数回加わって、脳に影響があると判断されればプレー続行ができなくなる。画期的な対策案のように見えるが、スキャンに30分ほどかかる上、全チームに普及させる場合は莫大な費用がかかる。また、ポータブルMRI装置を着用する場合は、選手はアクセサリーをつけられない。

対策5 死刑制度の導入

同メディアは、「もし紹介した対策案がまったく効果を発揮しなかった場合、最終手段として『ヘディングの全面禁止』と『違反者に死刑』という強硬策を視野に入れるべきです。ルーク・デヨングも今回ばかりはビビるだろう」と恐ろしい対策案を紹介した。試合中に処刑されるチームメイトを見れば、誰もヘディングをしなくなる。

この風刺記事は、ヘディングと認知症の問題にユーモアを交えて警鐘を鳴らす形で書かれており、問題の深刻さと注目度を引き上げる意図が込められている。

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