サウジアラビアにスコアレスドローの日本代表、日本代表FWは代表での悔しさを所属クラブでの活躍にぶつける
サウジアラビアにスコアレスドローの日本代表、日本代表FWは代表での悔しさを所属クラブでの活躍にぶつける

【FIFAワールドカップ2026アジア最終予選第8節日本代表1-1サウジアラビア代表、3月25日、埼玉スタジアム2002】

FIFAワールドカップ(W杯)2026の出場を決めた男子日本代表は、サウジアラビア代表とホームで対戦して0‐0のスコアレスドローに終わった。2022年11月27日のカタールW杯コスタリカ戦以来32試合ぶり(不戦勝の北朝鮮線を含む)の無得点となった。

この試合、後半17分にDF菅原由勢(ゆきなり、プレミアリーグ・サウサンプトン)との交代で途中出場したFW伊東純也(フランス1部スタッド・ランス)は果敢に右サイドを駆け上がり、自慢のスピードを生かしたドリブル突破からクロスを放つなど存在感を示した。

5バックで守るサウジアラビアに苦戦

最終予選では一貫して3バックシステムを採用している日本代表。

この試合では4‐2‐3‐1の立ち位置でスタートし、試合状況に応じてDF菅原を1列前に上げて3-4-2-1にする可変システムで勝負に出た。

後方を5バックで構え、中央に4人のMFを並べて守るサウジアラビアに対して、日本はサイド攻撃でリズムをつくるも、得点に結びつかなかった。

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ドリブルでボールを運ぶ伊東

後半17分に途中出場し、ドリブル突破で局面を打開しようと奮闘した伊東は「0‐0で(試合が)進むと相手も集中して守ってきますし、前半の最初のチャンスで1点が入っていればまた違った試合展開になったかなと思います」と通算対戦成績12勝2分6敗の強敵サウジアラビアとの激闘を振り返った。

終盤の猛攻も相手に防がれ、スコアレスのまま試合終了のホイッスルが鳴った。

ミックスゾーンでは、終始悔しそうな表情の伊東は「メンバーも何人か代わって、サイドからの攻撃は何度かいい場面がありました」と手ごたえを感じたが、「精度が自分を含めて良くなかったかなと思います」と無得点に終わった反省も口にした。

ランス1部残留のために「自分が率先する」

伊東は2次予選では代表に招集されない時期が続くなど、苦難の時期を過ごした。

それでも所属先のランスでは、リーグ戦第26節を終えた時点で24試合4得点3アシストを記録し、フランス1部で15位に沈むチームで奮闘している。

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日本代表の試合に出場し、悔しそうな表情を浮かべる伊東

日本のスピードスターは「クラブは本当に苦しい時期で、何とか勝てるように自分が何とかしなくちゃいけない。いまは残留争いなので、そこでしっかりチームを(1部に)残せるように自分が率先していくのはもちろんですけど、カップ戦も残っていますので、そこでもいい結果を出せるようにしたいと思います」と残留争いをするランスでの活躍を誓った。

今後は「1本の質や1本のゴールで決まる」

W杯優勝を目指す森保ジャパンは今後、きょうのサウジアラビアのような引いて守る相手にも勝っていかねければならない。

伊東は今後の代表での試合について「1本の質だったり、1本のゴールで(勝敗が)決まると思う。自分もシュートチャンスが1本あったので、決めていれば1‐0で勝っていたので、そういうところは大事」と語った。

サウジアラビアにスコアレスドローの日本代表、日本代表FWは代表での悔しさを所属クラブでの活躍にぶつける
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日本代表の試合に出場した伊東

サムライブルーは今年6月5日(キックオフ時刻未定)にアウェイでオーストラリア代表と、10日午後7時35分に市立吹田サッカースタジアム(大阪府吹田市)でインドネシア代表と対戦する。

W杯のメンバー入りに向け、すでにサバイバルは始まっている。

苦難を乗り越え、さらなる成長を遂げたスピードスターがW杯のピッチを駆け抜ける姿を魅せてほしい。

(取材・文 Ryo)

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