
Jリーグのクラブチームはユニフォームサプライヤーとの契約が比較的長期間にわたって続くケースが多い。
だが、Jリーグ参入時からサプライヤーが不変のチームとなると数は少ない。
ここでは、そんな「一社一筋」とも言える長期契約中の5チームをご紹介しよう。なお、いわきFCも創設以来「Under Armour一筋9年目」なのだが、J参入から今季で3シーズン目と歴史が浅いため今回は選外とした。
ロアッソ熊本
ロアッソ熊本 2010-11 Puma アウェイ ユニフォーム
着用選手:長沢駿

ロアッソ熊本 2024 Puma ホーム ユニフォーム
キットサプライヤー:Puma(2005年~)
2005年:九州サッカーリーグ
2006年-2007年:JFL
2008年-現在:Jリーグ
ロアッソ熊本は2008年のJリーグ参入以来サプライヤーはPuma一筋を貫き、パートナーシップは今季で17年目に突入した。
なお、2005年に現在のクラブ発足以降の九州リーグと日本フットボールリーグ(JFL)を戦った「ロッソ熊本」時代も含めると、今年で19年目という長さだ。
ロアッソのユニフォームといえば一時期は熊本県PRキャラクターで“ゆるキャラ”の『くまモン』を背面にプリントしていたが、諸事情から2018年を最後に姿を消している。メーカーロゴはPumaキャット、エンブレムは馬、そして背中にくまモン。熊本のユニフォームでは3種の生き物が共演していたのだ。
カターレ富山

カターレ富山 2011 Goldwin アウェイ ユニフォーム
着用選手:苔口卓也

カターレ富山 2024 Goldwin ホーム ユニフォーム
キットサプライヤー:Goldwin(2008年~)
2008年:JFL
2009年-現在:Jリーグ
カターレ富山はサプライヤーGoldwin(ゴールドウイン)とのパートナーシップが17年目に突入した。
クラブは2007年に「アローズ北陸」と「YKK AP」の2チームを母体として誕生。2008年のJFLがチームとして初のリーグ戦となった。そのシーズンからサプライヤーを担当しているのがGoldwinだ。
Goldwinはサッカー界では決してメジャーな存在とは言えないが、このブランドを手掛ける(株)ゴールドウインはラグビー日本代表のサプライヤーでも知られるCanterbury(カンタベリー)を日本国内で展開し、各種競技の商品も手掛けるスポーツ大手だ。
同社は1950年に富山県で創業。現在は東京に本社を置いているが、「本店」は富山にある。
徳島ヴォルティス

徳島ヴォルティス 2011 Mizuno アウェイ ユニフォーム
着用選手:柿谷曜一朗

徳島ヴォルティス 2024 Mizuno ホーム ユニフォーム
キットサプライヤー:Mizuno(2005年~)
2005年-現在:Jリーグ
徳島ヴォルティスは2005年のJリーグ参入時からMizunoとのパートナシップを継続中で、2024年で20年目となる。Jリーグ全体でもトップクラスの長期契約だ。
クラブは大塚製薬サッカー部を前身とし、2005年に徳島ヴォルティスとしてJ2リーグに参入している。その前身時代はJFLで連覇(2003年、2004年)を成し遂げるなど強豪としての地位を築いていた。
実はMizunoとはその前身時代からパートナーの間柄。これほどの長期間でありながらサプライヤーが変わらないのには様々な理由があるのだろうが、両者の強固な関係性が見て取れる。
大分トリニータ

大分トリニータ 2004 Puma アウェイ ユニフォーム
着用選手:マグノ・アウヴェス

大分トリニータ 2024 Puma ホーム ユニフォーム
キットサプライヤー:Puma(1998年~)
1998年:JFL
1999年-現在:Jリーグ
1999年からJリーグで戦う大分トリニータは、その参入当時から変わらずPumaとのサプライヤー契約を継続中。JFL時代も含めると、今季でなんと24年目に突入となった。
クラブは1994年に創設されたが、その当時はまだ大分トリニティと呼ばれていた時代。JFL最後の1998シーズンからPumaと契約しているが、JFL時代は胸にスポンサーロゴではなく「Trinity」とデザインしていた。また、現在はキットカラーにイエローが使われているが、その頃はレッドだった。
上記画像2004モデルの胸スポンサー「Tribalkicks(トライバルキックス)」は、ミュージシャンの小室哲哉氏が設立した芸能プロダクションだが、スポンサー料の未払い問題が大きな話題に。そしてスポンサーと言えば現在は「ダイハツ九州」が不正問題で揺れに揺れている。
清水エスパルス

清水エスパルス 1992-96 Puma カップ戦 ホーム ユニフォーム
着用選手:長谷川健太

清水エスパルス 2024 Puma ホーム ユニフォーム
キットサプライヤー:Puma(1992年~)※1993-96年のリーグ戦モデルはMizuno
1992年-現在:Jリーグ(1992年はカップ戦のみ)
清水エスパルスはここまで紹介してきた他のチームとはケースが少々異なる。
クラブは1993年にスタートしたJリーグの栄えある「オリジナル10」。華々しく始まった当時のJリーグは、リーグ戦で着用するユニフォームについては全チームがMizuno製の着用と決められていた。
この理由については割愛するが、一方で並行して行われたカップ戦の場合はこの限りではなく、チームによってサプライヤーが異なっていた。清水ではカップ戦のサプライヤーにPumaを採用し、1996年まではリーグ戦でMizuno、カップ戦でPumaという時代が続くこととなる。
そして1997年からはサプライヤーをPumaに一本化。現在でも両者の関係は継続中だ。
純粋な「一社一筋」とは言えないものの、1992年を起点とするとパートナーシップは今年でなんと33年目。これはサッカー界全体を見渡してもトップクラスの契約期間である。
