
サッカー選手のパフォーマンスはデリケートなもので、クラブでの状況や移籍、そしてプライベートの問題などですぐに変化する。
今回は『Planet Football』から「突然パフォーマンスが急低下したプレミアリーグのスター選手たち」をご紹介する。
カゼミロ
プレミアリーグでプレーしたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド
レアル・マドリーで「クロード・マケレレの再来」と呼ばれたブラジルの守備的ミッドフィルダーは、マンチェスター・ユナイテッドでの2年目から急速にそのパフォーマンスが落ちている。
スペインでプレーしていたときには1人でディフェンスの全てを司るかのように激しいタックルと鋭い切り替えで中盤を支配し、対戦する相手にとっては最も厄介な存在であった。
マンチェスター・ユナイテッドでのデビューシーズンはその価値を見せつけていただけに、2年目からの凋落はあまりにも不可解である。
ファビーニョ

プレミアリーグでプレーしたクラブ:リヴァプール
ここ数年のプレミアリーグで最も偉大な守備的ミッドフィルダーの1人。ロドリが台頭する前は、同じブラジル人のフェルナンジーニョと「プレミア最高のボランチ」の座を争っていた。
モナコの2015-16シーズンのリーグアン優勝を導き、チャンピオンズリーグ準決勝進出にも貢献。卓越した守備力、長短のパスによる展開、そしてスペシャルなペナルティキックの成功率。
ユルゲン・クロップ監督の下でも数年間トップパフォーマンスを維持したが、30歳の節目を手前にして急激に衰えを感じさせた。それはクロップ監督にとって大きな痛手だった。
アンドリー・シェフチェンコ

プレミアリーグでプレーしたクラブ:チェルシー
クリスティアーノ・ロナウドがマンチェスター・ユナイテッドに復帰して2度目の所属をする前、シェフチェンコはプレミアリーグのクラブと契約した最後のバロンドール受賞者であった。
カルロ・アンチェロッティ率いるミランであらゆるタイトルを獲得した「ウクライナの矢」と言われたストライカー。イタリアでは150ゴール以上を決め、29歳でチェルシーに移籍した。
ところがどういうわけかイングランド・プレミアリーグではその力を発揮せず、77試合で22ゴールと平凡な成績に。その後ミランとディナモ・キーウでプレーしたが、若い頃の魔法を取り戻すことはなかった。
デル・アリ

プレミアリーグでプレーしたクラブ:トッテナム・ホットスパー、エヴァートン
今ではすでに忘れ去られているかもしれないが、デル・アリはプレミアリーグで最もエキサイティングな若手選手の1人であった。トッテナム・ホットスパーでの最初の3シーズンで37ゴール26アシストを決めており、その数字はブカヨ・サカすら及ばないほどのものだ。
ただピークだったのは2016-17シーズンが最後であり、20代前半のうちからそのパフォーマンスは下落していった。そしてジョゼ・モウリーニョ監督が就任した2020-21シーズンにはもはやかつての面影はなかった。
今季もエヴァートンに所属してはいるものの、まだ出場はゼロ。現在は薬物中毒やメンタルヘルスの影響もあり、プレーできる状態にはないとのこと。
アレクシス・サンチェス

プレミアリーグでプレーしたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル
アーセン・ヴェンゲル監督が率いたアーセナルにおいて、その時代の最後にやってきた最高のアタッカーであったアレクシス・サンチェス。しかしそのアーセナルでのキャリアの最後は寂しい半年だった。
そして冬のマーケットでヘンリフ・ムヒタリャンとのトレードでマンチェスター・ユナイテッドに移籍することになり、加入時に発表されたピアノの動画が世界中で話題になった。
しかしながらマンチェスター・ユナイテッドでの彼はある意味かつてのアレクシス・サンチェスではなく、半年アーセナルで出番がなかったことを理解できるものだった。
フェルナンド・トーレス

プレミアリーグでプレーしたクラブ:リヴァプール、チェルシー
フェルナンド・トーレスはプレミアリーグでの印象と実態が異なっている選手だ。実はリヴァプールよりもチェルシーでの出場数のほうが多いのである。
アトレティコ・マドリーからリヴァプールにやってきた彼は数多くのゴールを決め、プレミアリーグでも有数のエースストライカーになった。そして2011年1月に当時の最高額である5000万ポンドでチェルシーへ。
しかしながらそれからの彼はリヴァプール時代ほどのインパクトを残すことができず。それなりにゴールは決めたものの、移籍金の高さからかなりの批判を受ける存在になってしまった。
フレデリック・ユングベリ

プレミアリーグでプレーしたクラブ:アーセナル、ウェストハム・ユナイテッド
アーセナルで長く中盤の重要な選手として活躍したスウェーデン代表のレジェンド。2004-05シーズンの無敗優勝にも大きく貢献したアタッカーであった。
30歳で彼がウェストハム・ユナイテッドに移籍したとき、当然ながらファンは大きな興奮を抱いたが、彼が退団を許可された理由は確かにあったようだ。
ウェストハムでは短い間活躍を見せたものの、1年後には彼は怪我に苦しむようになり、わずか1シーズンのみで契約を解除することになった。
バスティアン・シュヴァインシュタイガー

プレミアリーグでプレーしたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド
イングランド・プレミアリーグではなぜかそのクオリティを発揮できなかったワールドクラスのプレーヤー。バイエルン・ミュンヘンでは攻撃的MFからボランチに至るまで様々な役割をこなし、ドイツ代表でも中心的な存在だった。
しかし30歳でやってきたマンチェスター・ユナイテッドではルイス・ファン・ハール監督の下で信頼を得るのに失敗し、ジョゼ・モウリーニョ監督の下で放出された。
メスト・エジル

プレミアリーグでプレーしたクラブ:アーセナル
ジョゼ・モウリーニョが率いたレアル・マドリーからアーセナルへと移籍してきたドイツ代表の天才アーティスト。その左足から繰り出されるファンタジックなパスにより、数多くのアシストを記録した。
2014年にドイツ代表でワールドカップを制覇した彼はヴェンゲル監督に愛されたが、その後ウナイ・エメリやミケル・アルテタの下ではかつての高みに到達できなかった。
そしてアルテタとの関係が崩れたあと32歳でフェネルバフチェへと移籍したが、その後トルコでキャリアを再建することはできなかった。
ピエール=エメリク・オーバメヤング

プレミアリーグでプレーしたクラブ:アーセナル、チェルシー
エジルがミケル・アルテタ監督によって放出されてから12ヶ月後、同じことがオーバメヤングにも起こった。ボルシア・ドルトムントからイングランドにやってきて、数多くのゴールをあげていた彼であるが、チームの変化の犠牲となった。
それから彼はバルセロナに移籍して18試合11ゴールを決める活躍を見せていたが、問題はその半年後にチェルシーへと移籍したことだった。
慣れ親しんだプレミアリーグだったはずが、彼はチェルシーでわずか1ゴールしか決められず、チームも12位という燦々たる成績に終わった。