2026年W杯予選を世界最速で突破した日本代表は、9月にW杯共催国であるアメリカとメキシコとの連戦を戦う。

同じように韓国も9月にアメリカとメキシコと対戦するが、「韓国史上初の二重国籍の男子代表選手」が誕生した。

韓国人の母親とドイツ人の父親を持ち、ドイツで生まれた22歳のイェンス・カストロプ(ボルシアMG)が初招集されたのだ。

そうしたなか、韓国の『Sports Chosun』は、こう伝えていた。

「77年にわたる韓国サッカーの歴史は、『純血主義』の精神によって特徴づけられてきた。

これは、ラモス瑠偉を皮切りに1990年代から帰化選手を代表に選出してきた隣国日本とは対照的。

ドイツ生まれで、韓国系ドイツ人の家庭に生まれドイツ国籍を維持しているカストロプの代表選出は、韓国サッカーにおける多文化時代の幕開けを象徴するものだ。

言語の壁など、まだ克服すべき課題はあるものの、ホン・ミョンボ監督は『何よりも、韓国に来るという彼の強い意志と責任感を高く評価する』とカストロプの活躍に大きな期待を寄せている。

多文化主義はもはや新しい現象ではない。韓国女子代表はすでにケイシー・フェアを迎え入れており、男子代表もカストロプの加入により多文化時代を迎えている」

なお、ラモス瑠偉氏は、1977年に来日すると、1989年に日本へ帰化。1990年に代表デビューを果たした。

これまで韓国代表には片親が外国人の選手がいたが、出生地は韓国だった。国外生まれはカストロプが初めて。ケイシー・フェアはアメリカ人の父と、韓国人の母を持つ女子選手で、2023年から韓国代表でプレーしている。

また、『Sports Seoul』は、初の二重国籍の男子選手を迎え入れる韓国代表がカストロプを生かすには周囲の配慮も必要だと伝えている。

「ドイツ人の父と韓国人の母の間に生まれたカストロプは、幼い頃から『母の国』である韓国に強い愛着を持っていた。

ドイツ語と英語が堪能なカストロプは、韓国語は流暢ではないものの、『理解力』はかなり優れていると語る。

ただ、彼は生涯を通じてドイツを中心としたヨーロッパ文化圏に居住してきた。母親を通して韓国に親しみは感じていたものの、実際の文化を間近で体験したことはない。個人戦術よりもチームワークが競争力の源となる韓国サッカーにとって、カストロプをうまくチームに組み込めば『得』になるが、そうでなければ『毒』になることもある。

カストロプの加入が『ハッピーエンド』となるためには、彼自身の努力とチームメイトの配慮の両方が不可欠。

彼がホン・ミョンボ監督率いるチームに溶け込み、帰化系選手に対する認識を変える一助となるかどうかは、今後の注目だ」

韓国は9月6日にアメリカ、9日にメキシコと対戦する。

カストロプの代表デビューはあるのか注目される。

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