
[J2第14節、ジェフユナイテッド千葉 1-2 RB大宮アルディージャ、5月6日、東京・国立競技場]
リーグ首位を走る千葉は3位大宮に1-2で敗戦し、3試合連続未勝利となった。
ボランチで先発出場したMF品田愛斗(まなと)はビルドアップで存在感を発揮し続けた。
大観衆が見届けたジェフの最低限
J2リーグ戦史上歴代2位となる4万9991人のファンが国立競技場に集まり、上位対決を見届けた。
今季よりJ1のFC東京から完全移籍で加入した品田は「おそらくジェフユナイテッド市原・千葉を初めて観に来た方も多かったと思う中で、自分たちがどんなチームなのかという部分を最低限は示せた」と手ごたえを口にした。
品田愛斗前半5分にショートコーナーの流れから、相手FW豊川雄太に右足ダイレクトシュートで失点。その後はなかなか相手ゴール前に侵入できず、同20分にはスタメンのMFエドゥアルドがMF横山暁之(あきゆき)との負傷交代を余儀なくされるなど、トラブルにも見舞われた。
不幸中の幸いにも、ここから流れをつかんだ。背番号10の投入により、ボールを前進させる回数が増えた千葉。同23分に左サイドでボール受けたDF前貴之がクロスボールを供給した。ボールは相手GKの頭を越えてFW石川大地がヘディング弾を叩き込み同点に追いついた。

品田は「(エドゥアルドが交代する前から)ゲーム運びはうまくいっていた」と相方の球際の強さなどを称賛しつつ、「ヨコくん(横山)がうまくゲームに入ってくれて、彼の武器である運ぶところを出してくれた。エドゥ(エドゥアルド)とは違った形でチームの武器が増えて、いい場面につながりました」と、急きょ投入された背番号10とも息の合った連係を見せた。
レジスタは中盤の底でボールを落ち着かせ、チャンスの起点となっていた。相手選手がプレッシャーにくれば落ち着いていなし、こなければ長短を織り交ぜたキックで攻撃を活性化。
品田を筆頭に数的不利に立ち向かうが
前半を1-1で折り返すと、後半8分にオウンゴールを献上。なんとかして同点に追いつきたかったが、同27分にはカルリーニョス・ジュニオがこの日2枚目のイエローカードで退場し、数的不利となった。
状況は決して良くなかったが、品田は真っ先に小林慶行(よしゆき)監督に指示を仰いだ。
「誰かが二人分、もしくは全員が一人分以上の量をこなさなければいけなかった。立ち位置の話だけをして、あとはハードワークをより一層高めようと、みんなで集まって話をしました」とチームは同じ方向を向いた。
イレブン全員がハードワークをして、ピッチ上の広大なスペースをカバーした。一人少ないにもかかわらず何度も相手ゴール前に迫ったが、逆転はできず1-2で敗戦した。

あと一歩のところで勝点を奪えなかったが、下を向いている暇はない。次節は11日午後2時にアウェイのアシックス里山スタジアムで現4位のFC今治と対戦し、17日午後2時には現2位のベガルタ仙台とホームのフクダ電子アリーナで激突する。
この日、初めて国立のピッチに立った背番号44は「フクアリには、現状1万人を超えるサポーターのみなさんにほぼ毎試合来てもらっていますが、もっとその数が増えたら、どんなスタジアムの雰囲気になるのか逆に楽しみになりました」と、一人でも多くのファンに勝利を届けたい。
品田は、J1復帰のために「みんなと要求して、ぶつかり合っていきたい」と決意した。
(取材・文・写真 浅野凜太郎)