
[J1第29節、鹿島アントラーズ3-0湘南ベルマーレ、9月13日、茨城・メルカリスタジアム]
鹿島は湘南に3-0で勝利し、首位京都サンガF.C.と同勝点の2位になった。
GK早川友基(ともき)は先発出場してクリーンシートに貢献。
A代表の経験を鹿島に還元
これぞ日本代表ゴールキーパーのパフォーマンスだ。
この試合で先発出場した早川は、7月に行われた東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会でA代表デビュー。初招集とは思えない落ち着きとセービングで、日本代表の2連覇に貢献した。
そのままの勢いで、今月のアメリカ遠征メンバーにも名を連ねた守護神は「本当にポジティブな経験でした」と振り返った。
「代表は基本的にすべてのレベルが高い。そこで自分がどれくらいの強度やスピード感でプレーできるのかを知れて、すごく面白かったです。自分がどの立ち位置、どのレベルにいるのかをちゃんと考え直せるいい機会でした。足りないところや、もっとやっていかなければいけない部分も見つかりました」
充実の時間を過ごした26歳は、サムライブルーの経験を鹿島で生かした。
守護神は的確な判断でビルドアップに貢献すると、前半28分には湘南FW二田理央のシュートを横っ飛びセーブ。その後も高い集中力でゴールマウスを守り続けた。
「代表で感じたことを意識してプレーできたと思います。
前半は押し込まれる展開だったが、後半3分にFW鈴木優磨の落としに反応したFWチャヴリッチがゴールに突き刺して先制点を奪取。その後も主導権を握り続け、3-0で完勝した。
クリーンシートに貢献した早川は「まずはチームでやってこそ。アメリカで感じたものをチームでしっかりと生かし、ここで結果を出し続けるということが、また日本代表に選ばれるためには重要だと思います」と満足していない。
次節は今月20日午後7時から埼玉スタジアム2002でJ1浦和レッズと対戦する。
日本代表での経験を笑顔で話した背番号1だが、ひとたび鹿島の話題に移れば目の色を変える。
「本当に自分たちはチャレンジャーの立場。ここから簡単な試合は一つもないので、常に勝ちを目指して戦っていくだけです」と、常勝軍団は9シーズンぶりのJ1優勝だけを見据えている。
(取材・文 浅野凜太郎)