日本代表FW大橋祐紀が所属するイングランドのブラックバーン。
20日にクラブは女子チームが英女子チャンピオンシップ(2部リーグ)から撤退すると発表した。
ブラックバーン女子は今季の英2部リーグで11チーム中10位だった。クラブはリーグ撤退の理由をこう説明している。
「完全プロモデルへの移行を含む、2部リーグステータスに伴う財政的・運営上の制約はますます深刻化し、クラブの財政枠組みではもはや存続できない状況に陥った。
この決定に影響を与えた主な要因としては、リーグが定める最低基準の大幅な引き上げ(フルタイムのプロ契約の義務付けなど)、人員の増加による人件費のさらなる高騰、そして練習場やスタジアム施設への負担増大などが挙げられる。
昨季の女子リーグ戦全試合が初めてイーウッド・パークで行われたにもかかわらず、残念ながらホーム観客数に目立った増加は見られず、2部リーグへの継続的な投資を支えるために必要な、試合当日の商業収入とスポンサーシップの獲得に至らなかった」
そのうえで、女子サッカー事業から撤退することなく、下部リーグでの継続を示唆している。
『BBC』によれば、ブラックバーン女子は才能育成において豊かな歴史を持つチームだったというが、リーグに再参入する場合はカテゴリーが2つ下がることになるという。
ブラックバーン女子はかねてよりプロチーム存続が危ぶまれていたそうで、透明性の欠如に選手たちは、大きな不満を感じ、混乱が生じていたとのこと。
イーウッド・パークはブラックバーンの男子チームも使うホームスタジアムで3万人以上のキャパシティがあるが、女子チームの平均観客者数は1000人以下だったそう。
女子選手たちはセミプロ契約で、平均年俸は9000ポンド(173万円)ほどで、最高でも15000ポンド(290万円)ほどだとか。
ブラックバーンは3月の決算で330万ポンド(6.3億円)の利益を計上したが、これはアダム・ウォートンを1800万ポンド(34.8億円)でクリスタル・パレスに売却するなど男子選手たちを多く放出したことによるもの。
ブラックバーンの最高執行責任者(COO)は、例年は2000万ポンド(38億円)ほどの赤字を計上しているため、オーナー企業がそれを補填していると説明。
大橋らが所属する男子チームが英2部からプレミアリーグへの昇格を逃したこともあり、COOはオーナー企業にクラブ売却を求めたとか。
なお、昨年にもレディングの女子チームがリーグから撤退し、5部に降格している。