
[J2第32節、ジェフユナイテッド千葉 0-2 V・ファーレン長崎、10月4日、千葉・フクダ電子アリーナ]
3位千葉は2位長崎をホームに迎えて大一番に臨んだが、0-2で敗戦した。
前後半を通じて放ったシュート27本で相手ゴールをこじ開けられず。
決定力の低さがすべて
大一番をモノにできなかった。
この日、先発出場を果たしたDF河野貴志は「いまは結果を受け入れるしかない」と唇を噛んだ。
守備の要として奮闘した河野「狙いとしては自分たちのペースで試合を持っていくことができましたが、前半の一瞬のところで。あれは狙っていないと思いますが、ああいうのが入ってしまうのがサッカーなので」とアンラッキーな形から先制点を許した。
千葉は前半の立ち上がりから猛攻を仕掛けたが、シュートを決め切れず。ディフェンダー陣は、ここまでリーグ戦16ゴールでJ2得点ランキングトップを走る長崎MFマテウス・ジェズスを封じ込めようと奮闘したが、わずかな隙を突かれた。

前半終了間際の45分に敵陣でボールロストすると、ジェズスがドリブルを開始。同選手から左サイドに流れた長崎FWエジガル・ジュニオへパスが渡ると、そのままクロス性のボールがゴール右側に吸い込まれた。
「押し込んでいる時間が長いと、そこで結果を出すことができなかったら『そういうこともある』というか。ぜんぜん逆転できると思っていましたし、後半も優位に立ってやれていましたが」と望みをつなげたが、決定力の低さに苦しんだ。
左サイドで先発したMF椿直起は「それがすべてだと思います」と肩を落とした。
次の大一番に向けて切り替える
椿は得意のドリブル突破から再三のチャンスを演出。
「自分に矢印を向けて、きょうの自分が仕留めきれなかった決定機を練習からやるしかない。一つ、一つのバトルや球際のところでは、自分たちの方が前半は前に出ていた。だからこそ、決め切れていればというのがすべてだと思います」
千葉は前後半を通じて計27本のシュートを放ったが、長崎の牙城を崩せず。後半27分に追加点を許し、そのまま0-2で敗れた。

左サイドの背番号14は「大事な一戦を落としてしまったので、ショックはあります」と悔しさをにじませながらも、次戦の大一番に向けて決意を新たにしている。
「サポーターの声援がすべてだと思います。あれがブーイングじゃなくて、『頑張れよ!』という声援で応えてくれたので、僕たちは切り替えるしかない。一戦、一戦を勝ちにこだわっていきたい」
次節は今月19日午後4時から茨城県のケーズデンキスタジアム水戸でJ2水戸ホーリーホックと対戦する。
この敗戦を何としても糧にしたい。

守備の要として、屈強な相手FWとのデュエルを何度も制した河野は「自分が求めているところでは、もうちょっと完璧に抑えたかった。でもそこはいまの自分の立ち位置を改めて分かったし、ああいう相手に対して逆に自分がもっとできたら面白いんじゃないか。
大一番に敗れはしたものの、J1復帰への可能性が断たれたわけではない。次節水戸戦に向けて、千葉は再び立ち上がりたい。
(取材・文 浅野凜太郎、写真 縄手猟)