
先日開催されたFIFAワールドカップ(W杯)2026アジア最終予選(3次予選)オーストラリア代表戦に敗れてしまった日本代表は、今月10日午後7時35分に大阪・市立吹田サッカースタジアムでインドネシア代表と対戦する。
同代表は中国代表を破り、勝点12で4次予選進出を確定して勢いに乗っている。
前回対戦では日本が4-0で一蹴したものの、あのとき対戦した同代表と帰化補強が進んだ今回のチームは別物だ。
特にデビューから3試合連続で得点を記録している大型万能ストライカーのイングランド2部オクスフォード・ユナイテッドFWオレ・ロメニーは強力であり、日本代表にとって大きな脅威になるだろう。
インドネシアサッカーに精通する高橋アオ記者が日本が警戒しなければならないロメニーの実力に迫る。
(文・構成 高橋アオ)
プレースタイルはインドネシアの大迫勇也
オランダで生まれ育ったロメニーは母方の祖母がインドネシア人であるため、インドネシア代表の帰化補強政策のターゲットに合致。ストライカーの補強が急務とされていた同代表に招集を受けて、今年3月に開催されたオーストラリア代表戦でデビューを飾った。
ロメニーのプレースタイルは一言でいえば、『インドネシアの大迫勇也』と表現してもいい。ロメニーはヴィッセル神戸の万能ストライカーに例えられるほどの実力を秘めている。

185センチと恵まれた体格を生かしたポストプレーと空中戦の強さ、ゴール前での嗅覚、高精度かつ球威のあるシュート、そして難しいボールでもコントロールを失わずトラップできる技術と現代のセンターフォワードに求められる技術を高いレベルで備えている。
実際にエメン所属時のオランダ1部2022-23シーズンでは、チームが降格するほどの不調の中でリーグ戦33試合11得点1アシストと実力の高さを見せつけている。
さらに代表デビューしたオーストラリア代表戦では0-4と大差がついたゲームで1得点を挙げ、続くバーレーン代表戦、中国代表戦で決勝点を挙げてインドネシアの救世主となった。
今回初招集や久しぶりの招集となった選手が多く、連係に課題を残す日本代表にとってロメニーは非常に厄介な相手となるだろう。
関係者も『ワールドカップ出場の鍵』と称するストライカー
中国代表戦では警告の累積出場停止となっていたチャンスメイカーのMFマルセリーノ・フェルディナンが不在であったため、ペナルティーキックからの得点のみとなったが、鋭く正確なパスを持ち味とするフェルディナンの復帰により日本代表戦ではロメニーのチャンスシーンが増加する可能性がある。

PSSI(インドネシアサッカー協会)関係者はQolyの取材に「インドネシアは4次予選でワールドカップ出場を決めたい。
そのうえで『ワールドカップ出場の鍵』となる選手はロメニーであり、圧倒された状況でもオーストラリア代表相手でもゴールを挙げる決定力はアジア屈指のレベルにあるだろう。

オーストラリア代表戦での敗北を引きずる日本代表は、『インドネシアの大迫勇也』ともいえるロメニーを食い止められるのかに注目したい。