白鳥は2018年6月にボクシングからキックに復帰し、6月の幕張メッセ大会で一馬を、9月の後楽園大会では嶋田将典をそれぞれ1ラウンドでKO。11月の両国国技館大会では階級を1つ上げ、ライト級でチームドラゴンの北井智大からダウンを奪い判定勝利。この階級でも一気にトップ戦線に上がり、タイトル挑戦のチャンスをつかんだ。スーパーフェザー、ライト級の2階級でタイトル奪取を視野に入れる白鳥が、まずライト級で頂点を狙う。
181センチの長身と甘いマスクで、モデル経験もある“超絶イケメン”キックボクサーとして、会場では毎回黄色い声援が飛び交う。ジムでは「大珠くん」と歳下の仲間たちから慕われる兄貴分だ。
白鳥は「格闘技をやめて就職しようと思ってたところ、キック復帰になってガラッと人生が変わりました!結果的にも連勝で、覚悟を決めて戻ってきてよかったと感じています」と再デビューイヤーを回顧。「やめてからキックの試合を見るたびに『またやりたいなぁ』と心残りでしたが、逆に『もうやることはないなぁ』とも思っていて…そんな頃に、那須川会長から連絡をもらい、久々に練習させてもらう機会をいただけた。そのときに『もう一度キックで頂点を目指そう』と決意しました」と復帰の経緯を話した。
「再デビュー戦の一馬戦ではプレッシャーを感じていた。
対戦相手の秀樹に関しては「カウンターがうまいのと、フィジカルが強そうですよね。
「タイトルマッチがすぐ決まってくれて、ここ一発獲りしないとスターにはなれないと思うので、ベルトは確実に獲ります。しかも前日は23歳の誕生日なんですよ(笑)。ベルトを自分からの誕生日プレゼントにしたいですね」
このように“バースデー・チャンピオン”を誓った白鳥だが、プライベートでは「アプリで探しておいしいものばかり食べに行ってます。甘いものも好き。カフェを回ったりしている(笑)」そう。王子様キャラがすんなりと定着したのは、こんな普段の行動から考えても必然だったと言えるだろう。
「2019年はまず全勝!そして最初にベルトを巻く。とにかく誰よりも目立ちたい!キックボクシングは天心だけのイメージが今は強いけど、そこに白鳥大珠という名前が割って入れるように、もっとアピールして魅せていきます。25歳までにはしっかりベースを作って、僕が格闘技界のスーパースターになります!」
今回のタイトルマッチ決定に那須川会長も「ホントに良かった。すぐにチャンピオンになれる逸材ですからね。
那須川天心がそうだったように「すごい」という声を「強い」に変えるには、まずはチャンピオンになって、勝ち続けた方が分かりやすい。白鳥がビッグマッチのメインを張り、会場が札止めになったとき、スター街道が始まる。今回のタイトルマッチはそこに向けた布石にすぎないのだ。
取材・文・写真 / どら増田