2025年10月9日、韓国メディア・TV朝鮮は、日本出身者が自然科学分野で通算27回ノーベル賞を受賞したことを報じ、韓国から依然として同分野での受賞者が出ていない現状について分析した。

同分野での日本出身者の受賞は昨年までで25回。

記事は、「今年も化学賞と生理学・医学賞での受賞が決まり、通算受賞者数をさらに伸ばした。これは長期的に積み重ねてきた基礎科学力の成果を示すものだ」と述べた。

一方、韓国は同分野の受賞者がゼロのままである背景について、「社会に根強い『基礎科学軽視』と『短期成果主義』の文化が理由として挙げられるのではないか。一部の分析では、ノーベル賞の受賞に至るまでには、平均20年以上の研究期間を要すが、韓国では短期プロジェクトに研究資金が集中しがちである」と指摘した。

また、「優秀な理工系学生が医学部へ流れる構造も問題」とし、「自然科学や工学を専攻していた学生の多くが途中で医学部、薬学部、歯学部へ転科してしまうことが、研究者不足を招いている。医学部に進学した人材も、研究よりも収入や安定性を重視して臨床の道を選ぶことが多く、医学分野でのノーベル賞受賞者が出てきづらい」と続けた。

その上で、「これからは、日本のように1960年代から長期的な基礎研究への投資を続けてきた国との差を直視し、成果主義ではなく失敗も許容する研究支援が必要だ」と強調した。

これについて韓国のネットユーザーからは「正直うらやましい。日本は自然科学分野で確実に成果を出している」「やはり基礎研究に長期投資する文化の差だ」「韓国は短期成果ばかり求めて、研究者を追い詰めている」「優秀な理工系人材がみんな医学部に行ってしまうのが問題」との声が上がった。

また、「韓国は何においても、一発逆転ばかり夢見ている」「韓国の親は子どもが研究者になると言ったら止めるのが現実」「長期的な支援が必要なのに政権が代わるたびに研究方針も変わる」「うらやむだけでなく、本当に制度を変えないと永遠にノーベル賞受賞は不可能だ」などの声も見られた。(翻訳・編集/樋口)

編集部おすすめ