2025年6月25日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の電気自動車(EV)大手であるBYDが中国の自動車産業を壊滅させる可能性について論じたドイツメディアの報道を紹介した。
記事が紹介したのは、デジタル経済に焦点を当てたドイツのオンラインマガジン「t3n.de」の文章。
そして、長城汽車の魏建軍(ウェイ・ジエンジュン)董事長が5月に「すでに『自動車業界の恒大集団』が出現している」と述べ、一部の自動車メーカーが市場シェア獲得のためにお金をばらまくことに夢中になり収益性や技術革新を無視していることで、中国の自動車業界が不動産業界の二の舞いになる可能性を指摘したことに言及。一方でBYDは値下げについて自社の生存戦略の一環だと主張していることを伝えた。
文章は、これまで「世界中の競合他社を打ち負かすための産業政策」とみなされてきた過剰な生産能力と低価格競争がここ数年は中国の自動車業界を苦しめていると指摘。今年の中国によるEV生産能力が予想販売台数の2.5倍以上に当たる3600万台に達すると紹介した上で、生産過剰と価格競争で最も大きな打撃を受けているのは弱小EVメーカーや「無利息の融資元」扱いされているサプライヤーだとした。
さらに、価格競争の舞台がすでに利益のほとんど出ない低価格市場に集中している点を「さらに厄介なこと」とし、一部の有力ブランドでさえ倒産の波にのみ込まれる可能があると指摘。「魏氏が指摘したように、高レバレッジで成長してきた多くの企業はすでに危険水域に達しているのだ」と評している。(編集・翻訳/川尻)