2025年6月25日、台湾メディアの聯合報によると、劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」の台湾上映を記念して、台湾の亜細亜大学アニメーションスタジオと南投映画館がアニメ人材拡大に向けたイベントを実施した。
記事によると、劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」の台湾上映の初日に合わせて、亜細亜大学アニメーションスタジオと南投映画館が協力し、アニメファンとの交流イベントを開催した。
記事によると、南投映画館の3代目経営者である蔡杰峰(ツァイ・ジエフォン)氏は、亜細亜大学アニメーションスタジオが長年にわたり「ドラえもん」や「名探偵コナン」などのアニメ制作に携わってきたことを挙げ、劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」の台湾上映をきっかけに今回のイベントが実現したと述べた。イベントでは、アニメーターによる作画の実演会やサイン会に加え、ファンが「名探偵コナン」のキャラクターの動きを描き、それらを集めて1本のアニメ作品に仕上げる体験企画も行われたという。
また、亜細亜大学アニメーション芸術監督の涂氏は、学生チームと共に原画やアニメ制作を行う苦労や喜びを語り、来場者にプロの作画工程を体験できる機会も設けたほか、特別企画として上映前にQ&A形式の対談を行い、アニメ制作の舞台裏を明かした。先着10人の来場者には涂氏の直筆サイン入りの原画が贈られ、さらに同氏のサイン入り色紙が当たる抽選も行われ、大きな反響を呼んだ。
蔡氏は、南投映画館は100年の歴史を有しているとし、今後は教育界と積極的に連携して、青少年とアニメ産業を結びつける実験的な場を創出していく意向を示した。映画館を単なる上映の場にとどめず、アニメ教育の出発点として機能させたいとの考えも語った。
このほか、南投県議員の林儒暘(リン・ルーヤン)氏と県政府の青年発展所も会場を訪れ、この取り組みを応援。地域の文化資産と新世代のクリエイティブ産業が結びつくことで、若者のUターンや地域の芸術文化の発展につながることへの期待を語ったという。
記事は、来年が「名探偵コナン」のアニメ放送30周年に当たることに言及し、「今回のイベントを通じて、この長寿アニメの背後にある無数のクリエイターたちの粘り強い努力を多くの人に知ってもらい、併せて台湾のアニメ人材の実力と可能性を広く知らしめる契機となることを願っている」と結んだ。