2025年7月22日、台湾メディア・中時新聞網は、日本の参議院選挙で「日本人ファースト」を掲げる政党が勢力を伸ばしたことに対する警戒感を示す記事を掲載した。
記事は、20日に行われた参議院選挙で石破茂首相率いる連立与党が議席を大きく失い過半数に至らない大敗を喫した一方で、「日本人ファースト」を声高に叫んできた極右派の参政党が躍進したと紹介。
また、今回の選挙結果は日本の国内政治環境を変えるにとどまらず、台湾の戦略環境にとっても「不確実性のある地雷が埋め込まれた」と指摘。自民党が議席を大きく失ったことで今後外交や安全保障政策を推進する能力がかなり削がれ、特に「台湾有事は日本の有事」という理念が国会にて多数派の揺さぶりによって薄まる可能性があり、極右勢力の台頭がその傾向に拍車をかける恐れがあるとの見方を示した。
さらに、日米両国が保護主義的なスタンスをとることについて、台湾は今後関税交渉や投資の自由化、サプライチェーンの安定といった面でリスクを抱えることになるほか、日米両国が国際機関や国際会議への参加を減らせば台湾が国際組織に参加したり国際的な認知を受ける上での障害にもなると指摘した。
記事は、米国が1930年に実施した「スムート・ホーリー関税法」を例に挙げ、保護主義が世界的な経済的災難を引き起こした歴史を振り返り、トランプ政権さらには極右勢力の台頭が見える日本が同様の過ちを繰り返す可能性を示唆。このような状況において台湾は島内で内輪もめをしている場合ではないと結論づけている。(編集・翻訳/川尻)