英国のボリス・ジョンソン元首相が台湾を訪れ、5日に台北市で開かれた国際フォーラムで講演した。この中でジョンソン元首相は「中国と台湾は規模が大きく異なり、多くの人が台湾は生き残れるのかとの不安を抱いているが、私は台湾が生き残ると信じている」と強調した。

台湾・中央通信社によると、ジョンソン氏は「私たちは台湾と共にある。なぜなら台湾が権威主義に対抗する前線に立っているからだと台湾の人々に伝えることが訪台の目的だ」と説明。台湾は経済的にも世界のサプライチェーン(供給網)の一部を担っているとし、「中国が台湾への圧力を強める中でも米国や英国、欧州各国などの西側諸国は中国に屈せず、勇気を持って台湾との経済的パートナーシップを深化させるよう願っている」と語った。

さらに「台湾と英国はいずれも民主主義体制の島であり、自由の本質を深く理解している」と言及。「困難や危険の中で自由を守るために立ち上がった台湾やその勇気に感謝する」とし、「双方が共に自由を守ろうとするとき、台湾には英国の支持が付いている」と言明した。

中国に対しては「台湾への侵略の威嚇は重大な過ちであり、武力行使を公に口にすることは狂気の沙汰だ」と指摘。台湾は中国に脅威をもたらしていないとした上で「リスクを冒してまで武力行使する価値があるのか」「すべての華人を中国共産党の支配下に置かなくてはならないのか」と問い掛け、「台湾は『自由な国家』(フリー・カントリー)だ」として、「西側諸国が台湾の自由を守る必要がある」と訴えた。

台湾の頼清徳総統は5日、台北市の総統府でジョンソン氏ら訪問団と面会。英国政府やジョンソン氏が台湾を重視・支持し、国際社会の場でたびたび台湾海峡の平和と安定の重要性を強調してきたことに感謝を示した。

総督府によると、ジョンソン氏は「台湾は驚くべき民主主義体制と自由を深く愛する人々を有しているため、台湾をいじめたり併合したりしようとする試みは永遠に成功しない」と述べたという。(編集/日向)

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