中国メディアの環球時報は、「米国が中国車に扉を閉ざす一方でオーストラリアは扉を大きく開く」とする米フォーブスの記事を紹介した。

記事はまず、「米国が中国車に扉を閉ざす一方で、ロシア、メキシコ、豪州、ベルギー、ノルウェー、アラブ首長国連邦(UAE)などは中国車の巨大な実験場となっている。

ロシアとメキシコは中国から約30の異なるブランドの車を輸入している。豪州は23ブランドで推移しており、今後1年ほどでさらに増えると予想されている」と伝えた。

その上で、「ここでは、文化的起源や文化的多様性、ライフスタイル、言語の面で米国に最も近い豪州に焦点を当てる」とし、豪州では2035年までに販売される自動車の約40%が中国車になり、日本や韓国のブランドを大きく上回ると予想されていることに触れ、「米国が中国車の猛攻がどのようなものか知りたければ、豪州の自動車市場を見ればよい」と伝えた。

記事は、豪州で台頭する中国ブランドには、比亜迪(BYD)、吉利(Geely)、長城汽車(GWM)、奇瑞(Chery)といった大手に加えて、Jaecoo、LDV、零跑汽車(Leapmotor)、Deepal、阿維塔(Avatr)、福田(Foton)、睿藍汽車(Livan)、極氪(Zeekr)などの新規参入企業も含まれ、MGは厳密には英国ブランドだが、現在は上海汽車集団(SAIC)の傘下にあり、豪州市場で重要な存在となっていると紹介した。

記事によると、一部の中国ブランドは、まだバッテリー式電気自動車(BEV)への切り替え準備が整っていない購入者を満足させるためにハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を提供しているが、豪州で販売されている中国車のほとんどはEVだ。

記事は、中国ブランドが豪州で台頭している要因として、自動車の輸入に関税が課されていないことや日本車や韓国車などのライバル車と比較して価格競争力があること、デザインにすぐれ機能が充実していること、安全性が向上していること、中国における生産能力が拡大していること、EVへの消費者の関心が高まっていることを挙げた。

記事によると、ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のホールデンやフォード・オーストラリア、トヨタ、三菱は約10年前まで豪州で自動車の設計・製造を行っていたが、豪州市場の小ささや生産コストの高さ、安価な輸入車との競争激化、補助金や関税の削減などの要因により生産施設を閉鎖した。BYDは現在、豪州で最も売れている中国メーカーで、6月には前年同月比367%増の8156台を販売してトップ5入りを果たした。これは中国ブランドとして初の快挙だ。(翻訳・編集/柳川)

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