卓球のWTTチャンピオンズ横浜・男子シングルスで優勝した世界ランキング4位の張本智和のメディカルタイムアウトについて、中国のベテラン選手・許昕(シュー・シン)が見解を語った。

11日に行われた試合は、張本が出だしから3ゲームを連取し優位に立つも、第4、5ゲームは王に奪われ、追い上げられる。

そして第6ゲーム、張本はいきなり3連続ポイントを奪うが、4-2と追い上げられたところで足を痛めたそぶりを見せ、メディカルタイムアウトを求めた。張本は医療スタッフから状態の聞き取りを受け、両太もものマッサージなどを受けた。

タイムアウトが明けると、張本は一気に王を引き離して11-4でこのゲームをものにし、優勝を決めた。結果的に張本のメディカルタイムアウトが王の追い上げムードを断ち切る形になったとして、中国では不満の声も上がっている。

試合をライブで見ていた許は、張本のメディカルタイムアウトについて、王の良い流れを切るための戦術的な意味合いがあるとの見方を示し、「(張本は)ルールを合理的に利用した」と語った。ただ、「実際に(張本に)問題(けが)が起きたかどうかは分からない。起きていないかもしれないし、本当に起きているかもしれない」としたほか、メディカルタイムアウトを取るようなけがであれば、その場で治療を受けたとしても格段に動きが回復することはふつうあり得ないが、張本はだいぶ回復しているように見えるとも指摘した。

中国のネットユーザーからは批判的な声が上がっており、「(張本は)審判に左ももを痛めたと言い、コート脇では右もものマッサージを受け、試合後のインタビューではひざを痛めたと言った。一体どこを痛めたの?」「優勝した瞬間に跳びはねていたじゃないか。けがしてたんじゃなかったの?」「完全にうそだろう」といったコメントが並んだ。

また、女子シングルスで妹の美和が対戦相手の早田のメディカルタイムアウトに苦言を呈し、智和もそれに同調する発言をしていたことから、「早田ひなを批判していたのに、自分が早田のようなことをするとはね」「ルール上は問題ない。ただ、昨日と今日でダブルスタンダードなのはどういうことなのか」などと批判する声も上がった。

一方で、「王も(別室に移動しての)ユニフォームの着替えをしたし、相手もメディカルタイムアウトを取ってもいいだろう」「負けは負け。戻って総括すればいい。負けを認めないファンたちはみっともない」との意見もあり、一定の共感を集めている。(翻訳・編集/北田)

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