台湾メディアの自由時報は11日、「高速鉄道で唯一利益を出しているのは世界で台湾だけ」との話題がSNS上で注目を集めたと報じた。
記事によると、台湾の若者向けSNS・Dcardであるユーザーが「世界で黒字化している高速鉄道は台湾高速鉄道だけのようだ」とのタイトルのスレッドを立てた。
また、インドネシア高速鉄道「Whoosh(ウーシュ)」については「全長わずか160キロで、サービス対象人口は約3000万人だが、開業初年度から2億ドルの赤字を計上した」と言及。米カリフォルニア州の高速鉄道については「長期間進捗が停滞している」としたほか、英国のHS2については「予算が(当初の300億ポンドから)1000億ポンドにまで膨らみ、完成は依然としてはるか先(当初は2026年だったが30年代半ば以降になると予想されている)」と評した。
一方、台湾高速鉄道については「昨年、純利益が64億5000万台湾ドル(約320億円)に達し、減価償却や利息を含めても全体として損益分岐点を維持できた」と評価。その背景として「(台湾の)西側に(北から南まで)約2000万人の中産階級人口が存在し、都市の分布が線状に集中していること」「初期の建設・運営チームが多くの課題を克服し、財務の安定基盤を築いたこと」を挙げた。
この投稿に、台湾のネットユーザーからは「台湾高速鉄道も財務改革前は毎年赤字で、特別良かったわけではない」「駅は必ずしも人口密集地につくられるということではなく、当時は台北や板橋を除いて人口の多い地域を避けてつくられ、その結果として周辺の開発が進んだだけ」「台湾高速鉄道は路線が1本しかないんだから、赤字になりようがない」「日本は国土が広いから新幹線網が自然と広がる。台湾と比べても意味がないと思う」「都市間の距離が遠いと飛行機の方が安くて速い。逆に近いと高速鉄道は不要。台湾は“近すぎず遠すぎず”で環境が良かったんだ」といった声が上がったという。(翻訳・編集/北田)