中国では今年の夏休みシーズン、避暑地への旅行が人気を集めている。ソーシャルメディアを見ると、涼しく過ごすことのできる新たなアクティビティーが注目のトピックとなっている。

人民日報海外版が伝えた。

複数のオンライン旅行プラットフォームが発表しているデータによると、都会から離れた大自然の中での星空観賞や、体力をそれほど必要としない手軽な「低エネルギー消費型」のアクティビティー、スポーツ観戦ツアー、景勝地ナイトウォークなどが人気となっている。

旅行サイト・同程旅行が気象情報アプリを提供する墨迹天気と共同で発表した「2025避暑地への旅行動向報告」によると、都会から離れた大自然の中での星空観賞をする旅行が今年の夏に人気の涼しく過ごせるアクティビティーとなっている。

日が暮れると、寧夏回族自治区中衛市沙坡頭景勝地の星星ホテルの近くにある星空観賞スポットには観光客が大勢集まる。人々は砂漠に身を置き、空を見上げ、レーザーポインターを使った専門家の説明を聞きながら、満天の星を鑑賞している。

今年の夏休みは星空観賞や低エネルギー消費型アクティビティーが人気に―中国
砂漠星星ホテル

北緯37度に位置する沙坡頭景勝地は、標高平均1430メートルで、夜も晴れている日の数が年間約300日に達する上、空気も澄み切っていて、星空観賞には絶好の場所となっている。夏は、雲が少なく、晴れていて、夜間は過ごしやすい気温であるため、星空観賞のベストシーズンとなる。

低エネルギー消費型アクティビティー

今年の夏休みシーズンは、「エレベーターで登山」や「スローバージョンのバンジージャンプ」、「川流れ体験」といった体力をそれほど必要としない手軽な「低エネルギー消費型アクティビティー」がソーシャルメディアで関心を集めている。旅行サイトの「去哪児」のデータによると、これらの体験ができる景勝地の入場チケットの予約数が目に見えて増加している。

広西チワン族自治区桂林・興安県猫児山の麓の澄み切った水が流れる渓流で、四川省から来たという女性・劉さんは、手足を伸ばして仰向けに浮かんで、「漂流」し、「ウオーターベッドに寝転んでいるみたいで、とても気持ちいい」と話していた。

スリル満点の川下りと違い、ライフジャケットを着て、水が澄み切っていて、流れが遅い渓流に浮かんで流されるこのアクティビティーは、「スローリズム」や「脱力感」が売りで、流されながら周りの大自然の景色を堪能することもできる。

今年の夏休みは星空観賞や低エネルギー消費型アクティビティーが人気に―中国

猫児山景勝地の運営管理部の肖慧(シャオ・フイ)経理によると、「当景勝地は今年、川下りの区間を600メートルに拡張した。そして、川をしっかりと清掃し、流れが緩やかなエリアを増設した。

一度の川下りの所要時間は90分。このアクティビティを打ち出して以降、延べ1万人以上が利用している」という。

スポーツ観戦ツアー

旅行予約サイト「美団旅行」が発表した「2025夏休みシーズンのホットな話題及び動向報告」によると、スポーツ観戦ツアーも人気となっている。美団に「江蘇省都市サッカーリーグ」をテーマにしたツアーをアップしている江蘇省の事業者は、初期と比べて856%増えた。

2年前、貴州省榕江県が開催した中国サッカースーパーリーグのCSLならぬ「農村サッカースーパーリーグ(村超)」が爆発的人気となった。そして、「村超」は今では、榕江県を代表する輝かしい都市ブランドとなっている。24年に榕江県を訪問した観光客は延べ940万人、観光収入は108億元(約2214億円)に達した。

今年の夏休みは星空観賞や低エネルギー消費型アクティビティーが人気に―中国
美団旅行が上海で実施した「『蘇超』を観戦しながら江蘇省で思いっきり遊ぼう」がテーマの販促キャンペーン
今年の夏休みは星空観賞や低エネルギー消費型アクティビティーが人気に―中国
「2025貴州『村超』」の決勝戦

景勝地をナイトウォーク

中国の多くの地域はテクノロジー、文化、レジャーと組み合わせた「ナイトウォーク」を打ち出し、観光客の間で納涼とじっくり体験の新たな選択肢となっている。美団旅行のデータによると、7月以降、「景勝地をナイトウォーク」の検索回数が前月比で約230%増に達した。

貴州省黄果樹景勝地の滝・陡坡塘瀑布は、日が暮れると、西遊記をテーマにした大型ショー「再回西游」のステージに変身する。観光客は取経を目指して、プロの役者と一緒に、西遊記の妖怪「白骨精」を倒す「三打白骨精」や三蔵法師ら一行が「女児国」に行く「女児国奇遇」といったストーリーのシーンをリアル体験しながら、白話小説の世界を実際に再現したファンタジーな世界を散策することができる。

今年の夏休みは星空観賞や低エネルギー消費型アクティビティーが人気に―中国

従来のナイトマーケットやナイトクルーズなどのほか、中国各地は多種多様なナイトツアーの新シーンや新業態を展開している‌。例えば、河南省の洛陽古墓博物館は「古墓探秘·千年幽語」没入型ファンタジーツアーを打ち出した。

また、動物園や植物園も、ナイトツアーの新しいスタイルを打ち出している。山東省の済南野生動物世界では、専用の乗り物に乗って、夜間の動物の様子を見たり、ライトアップされた森林を楽しんだりするコースを打ち出している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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