中国の宇宙ステーションである「天宮」では、宇宙貨物船「天舟9号」が7月15日に23種の科学実験用物資を運びこんで以来、1か月以上にわたり関連する実験が行われてきました。それぞれの実験は順調に進められ、中でも宇宙生命科学実験は軌道上での実験任務が完了し、後続の研究を展開するために良好な基礎を築きました。

「実験室」を宇宙に運ぶ一番重要な目的は、宇宙での微小重力環境を利用することです。軌道上で行われた最新の実験によると、「宇宙環境下では脳細胞の移動速度が速くなる」「筋肉修復のプロセスは遅くなる」「脂肪代謝疾患の薬の治療効果は鮮明に向上する」といった新たな発見がありました。これらの新たな成果は、アルツハイマー病の治療や新薬の開発などに新たな視点を提供する可能性があります。

科学研究者はこの3種の宇宙生命科学実験を通じて、宇宙微小重力環境がヒトの脳類器官の構造と機能に与える影響とメカニズム、骨格筋前駆細胞の移動挙動、細胞内での核酸脂質のナノ薬物の細胞内輸送の規律とメカニズムを探索し、生体生理と病理に対する認識をさらに深め、人類の健康を保障するための基礎的な支援を提供します。

この宇宙生命科学の実験3種は軌道上での実験を完了しており、今年下半期には関連するサンプルが有人宇宙船とともに地上に戻り、後続の研究を展開していきます。(提供/CRI)

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