香港メディアの香港01は27日、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領の米中への対応を巡り、「李氏の『分身の術』、トランプ氏を喜ばせた後、習氏を招けるか」とする記事を掲載した。

記事はまず、李氏は大統領就任からわずか82日間で旋風式外交攻勢をかけたと言及。

「慣例を打破して米国より先に日本を訪れ、その後米ワシントンに飛んでトランプ大統領と会談すると同時に、特使を中国に派遣して『バランス外交』を展開した」とする一方、「現実的な国際政治の舞台で米中間を綱渡りする韓国の歩みはどれだけ遠くまで進めるだろうか」と問い掛けた。

そして、「米韓首脳会談前の雰囲気は極めて緊張したものだった」と述べてから、会談前、トランプ氏が自身のSNSに「韓国で一体何が起きているのか?まるで粛清か革命のようだ」「現地でビジネスをするのはふさわしくない」と投稿したと説明。この発言に世論は騒然となり、韓国代表団は緊張の色を見せたが、「意外にも李氏本人は極限のプレッシャーにも平静を保っていた」と伝えた。

李氏は書籍「トランプ自伝 アメリカを変える男」を読んだことがあり、「トランプ氏の交渉スタイルは先に極端に厳しい条件を提示して相手を追い詰めるが、最終段階では比較的合理的な結論に至ることが多い」と観察していたという。

記事は、「李氏は綿密に用意した『持ち上げ』攻勢でトランプ氏に応じた」と記し、「大統領執務室を称賛し、トランプ氏を『朝鮮半島の平和を促進できる唯一の人物』とたたえ、朝鮮半島に『トランプタワー』が建設されることへの希望さえ示した」と説明。さらに「韓国は『おべっか』以外に実質的なプレゼントも差し出した」とし、韓国企業の1500億ドル(約22兆円)に上る対米投資計画や、大韓航空によるボーイング機103機(総額365億ドル、約5兆4000億円)の発注などを紹介した。

記事は、「これらの動きは米韓同盟を安定させるために巨大な経済的代償を払ってトランプ氏の『アメリカ・ファースト』や『製造業回帰』政策に全力で協力する姿勢を明確に示すものだ」し、「しかしその一方で別の動きもあった。李氏の訪米と同じ時期に親書を携えた韓国大統領特使団が中国を訪問。その目的は韓国の新政権が中国との関係を高度に重視していることを表明し、両国関係を正常な軌道に戻すことだ」と指摘した。

さらに記事は、李氏が「韓国がこれまで取ってきた『安全保障は米国、経済は中国』という路線はもう歩めない」と表明する一方、「絶縁しないことが親中なら親中であるべき」と強調したことを伝え、「この言葉は韓国の無力感と現実主義を示すもので、国益を確保するために米韓同盟の基礎の上に中国との関係を維持しなければならないということだ」と評した。

記事は「李氏のバランス外交は第一歩を踏み出したに過ぎない」「今回の訪米は戦々恐々とした中で幕を閉じた」などと論じ、中国訪問から帰国した大統領特使が27日、問題がなければ習氏は韓国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するとの報告を行ったと伝えた。そして、「韓国政府の中国に対する積極的な姿勢は中国側の肯定的な反応を得たようだ」とした上で、「もし実現すれば再び李氏の外交手腕が試されることになる」と伝えた。

(翻訳・編集/野谷)

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