日本に短期滞在中に無保険で医療機関を受診し高額を請求された中国人女性の家族が、医療費の支払いの一部免除を求めているとの報道が中国のSNS上でも注目を集めている。

10日に読売新聞が報じたところによると、女性は2019年に短期滞在で来日したもののコロナ禍により帰国できなくなり、特別措置として在留が認められていた。

22年1月に救急搬送され、脳腫瘍やがんの診断を受け、同年3月まで入院した。女性は23年に死亡した。

女性は無保険だったが、外国人という理由で無保険の日本人の3倍に当たる医療費を請求された。日本国籍の長女はこれを不当だとして、国立循環器病研究センターに日本人との差額分450万円の支払い免除を求めて提訴するという。

読売新聞の記事では、無保険の場合は法令の定めがないため各病院が金額を決めていること、外国人に対する自由診療(無保険)については14%の医療機関が日本人よりも高い金額を設定しており、理由として通訳が必要なことや未払いになるリスクが高いことを挙げていること、専門家からは「あまりに高額になると受診控えにより、国内の感染症拡大のリスクがある」との指摘が出ていることを伝えた。

中国のSNSでこの記事を紹介したある投稿者は、「海外に行く場合は必ず旅行保険に加入すべき。日本に行ってからでも入れる保険もある」と呼び掛けた。

中国のネットユーザーからは「300%はひどいと思う。私の時は100%だった」「全額負担のことだと思ったら、全額の上にさらに3倍か。それは確かに差別だわ」「300%の根拠はどこに?ぼったくり以外の理由が思いつかない」といった声が上がる一方、「治療前に知らされていたはずなのになぜ治療を放棄しなかったのか。今さらだ」「300%については外国人に対して友好的とは言えないが、それでも治療を受けたのだから仕方ない」「言葉が通じない外国人に2~3倍を請求するのは普通だと思う」といった意見も。

また、日本在住のユーザーからは「(3倍の請求は)合理的だと思う。

(高額を請求すれば)日本で生活する人の医療資源が奪われずに済む。そうでないと、中国人が短期滞在で大勢やって来て受診するから私たちが診てもらえなくなる」「私の父は以前、日本で無保険で入院して、4日間で130万円余りかかった。でもこれは必要だと思う。そうしないと短期滞在で日本に受診しに来る人が増えて、ただでさえ限られている日本の医療資源にさらに負荷がかかる」とのコメントが寄せられた。

このほか、「そもそも海外に行くのになぜ保険に入らないの?」「文句を言うくらいなら最初から保険に入っておくべき」「米国はもっと高い。海外に行くなら保険に入れ」といった声も散見された。(翻訳・編集/北田)

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